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59 いつものお客さん

わ~、ギリギリ間に合った。

お星様ありがとうございます。

ブクマもありがとうございます。

おかげさまで頑張れました。

これからも読み続けて頂けるように頑張ります。

頼運

「ん?」

寝ていたら、探知が危険を告げて来た。

探知の練度が上がったので、寝ている時でも異常があれば探知が警告してくれる。

頭の中のマップで確認すると、2つの白い点が窓の下で瞬いていた。

少し離れた所にも白い点。

教会騎士団に襲われてから色々と試した結果、白い点が激しく瞬くのは俺に殺意を持っている場合と判った。

わざわざギルドの訓練場まで暗殺の下見に来てくれた、間抜けな暗殺者には感謝している。

ゆっくりと瞬くのは敵意や悪意を持っているが、殺意は持っていない場合。

離れた所にいる白い点は瞬いていない。

単なる見届け人で、俺には何の感情も持っていないらしい。

瞬いていない白い点に旗を立てる。

あくまでも頭の中のイメージだが、旗を立てたとイメージすると、魔力パターンを記憶出来て、ベルンの中なら居場所が分かるようになる。

毎日探知を使い続けたお陰で、探知の練度が上がって色々な事が出来るようになった。



窓の下にあった白い点の1つが2階にある俺の部屋の窓に取りつき、もう一つも窓に取りついた。

どうやって2階の窓まで登れたのかは分からない。

ひょっとしたらスパイダーマン?

“結界”

敵がスパイダーマンなら危険が危ない。

念の為、俺の周りに結界を張った。

窓が音も無く開いた。

その瞬間に、何かが俺に向かって飛んで来たが結界に弾かれた。

2人の男が同時に部屋に飛び込んで来る。

”拘束“

2人の男を拘束で閉じ込める。

左右に別れた男達それぞれを同時に拘束で囲い、一瞬で拘束の範囲を体ギリギリの大きさに縮める。

拘束は反転させた結界。

結界は中から外に出られるが、外からの侵入は許さない。

拘束は外から中を攻撃できるが中から外へは動けない。

飛び込んで来た男達は拘束の中で身動きが出来なくなった。

”睡眠“

すぐさま、睡眠で拘束の中で藻掻く男達を眠らせた。

時間を空けると男達が自害する恐れがある。

「ベロ、起きないとは思うけど、起きたら眠らせてね。」

“うむ”

睡眠はベロに教えて貰った魔法。

当然俺よりも練度の高い睡眠を使えるから、ベロに見張りを頼めば安心出来る。

ベロも4回目なので慣れている。

俺だけで対処出来ることが判っているので、暗殺者が飛び込んで来てもベロは薄目を開けただけ。

そもそもSランクのベロを抱き枕にして寝ている所に襲い掛かって来るなんて、暗殺者達はSランクを甘く見過ぎだ。

俺が手を出さない様に頼んでなかったら、今頃2人ともミンチになっていたぞ。

レイも収納の覗き窓からチラッと見ただけ。

暗殺者は研究材料にもならないらしい。

大抵の暗殺者は闇属性。

ベロもレイも闇属性のSランク。

同じ闇属性同士だが、あまりにも格が違い過ぎていた。

ベロに見張りを頼んで1階に降りる。



「夜中に済みません。」

ギルドの夜間窓口に声を掛けた。

「どうしましたか?」

係のおっちゃんがあくびをしながら出て来てくれた。

「えっとぉ、いつものお客さん?」

緩んでいたおっちゃんの表情が、1瞬で引き締まる。

「すぐに手配します。」

今回で4回目。

流石にギルド職員も慣れた。

ギルド職員が4人の警備員を連れて俺の部屋に来てくれた。

俺の部屋にでは、暗殺者が立ったまま寝てる。

“拘束”に支えられているので、倒れる事も出来ずに立ったまま。

ベロはベッドの上で横になったまま、薄目を開けて暗殺者達を見ている。

「結界を解いてくれ。」

警備員の声で、結界を解除した。



警備員達が床に倒れた男達を素裸にして、隠し持った毒や針を没収する。

暗殺者の場合は想像もつかない様な所に武器を隠している事がある。

服の上から下手に触ると毒針が刺さる事も有るので、警備員は慎重に服を脱がせてから武器を調べている。

男の裸には興味が無いが、万が一の為に一応俺も見てはいる。

警備員が、自決用の毒が無いか、男達の口の中を調べている。

1ヶ月程前、最初に来た暗殺者は、捕らえられた直後に口の中に仕込んでいた自決用の毒を飲んで死んだ。

俺は経験から学べる賢い引き籠り。

今は暗殺者に自殺する暇を与えないよう、拘束と同時に眠らせるのでちゃんと生きている。

ギルドには尋問の専門家がいる。

生きていれば尋問も可能だ。

引き籠りを舐めるな!



最近は1週間に1度、暗殺者がやって来る。

今回で4回目だから警備員達も慣れている。

「やはり自決用の毒を仕込んでいた。」

警備員が歯のような形をした物を取り出して、俺に見せてくれた。

警備員は口の中をもう一度確認してから猿轡を咬ませ、暗殺者に縄を掛けた。

「起こしてくれ。」

「うん。 回復。」

睡眠を回復で解いた。

「「ぐぐうぅぅ。」」

目が覚めた男達が周りをキョロキョロと見回しながら、猿轡の下でうめき声を上げる。

自分の身に何が起こったのかが理解出来ていないらしい。



「ギルドで取り調べる。 今晩はもう来ないとは思うが油断はするな。」

「うん、ありがとう。」

男達を担いで警備員が部屋を出て行った。

「はぁ。」

溜息しか出ない。

見張りらしい白い点はいつものようにあちこちで寄り道しながら、教会に入って行った。

4回とも見届け人らしい白い点は教会に入って行った。

ベロを抱き枕にして眠っている時は、俺にとっての至福の時間。

ベロを抱いてぐっすり寝込んでいる夜中に起こされるのには、めっちゃ腹が立つ。

教会の親分であるササヤカお神に文句を言いたくなった。


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