徹底抗戦
浅井長政が裏切った為、信長を逃がす為の退却が行われる事になった……まぁすぐに終わるのだが
「殿、私の仲間の助八と寅七そして吉太郎をお使い下さい、私の頼れる仲間です」
「よいのか」
「はい」
「だがお前はどうするのだ」
「私は明智様か木下様のどちらかについて戦います、殿にはここで死んでもらったら困りますから」
「わかった、感謝する」
そして信長様は退却を始めた、たった数十人で
「さァ俺は」
「明智様、お久しぶりです」
「おぉ久しぶりだな、太郎左衛門」
「殿軍を務めるのでしょう」
殿軍とは軍の退却の時最後尾を守り敵の追撃に備える部隊の事である
「あぁそうだ」
「なら私も戦います」
「良いのか」
「はい信長様にはここで負けてもらっては困るので」
「…ありがとう」
(あの時は見ていなかったが明智様の光は青色いや水色なのか…明智様も光が強い、いやァ信長様の家臣に光が強い者が二人も縁起いいねェ)
「殿、信長様が無事退却されました」
「よし太郎左衛門行こう」
「はいっ」
「鉄砲隊、前に並べ」
(敵は絶対寄せ付けない、矢も弾も全て使ってでも止める)
「よし装填させろ」
「ハッ」
「鉄砲隊!、弾を装填!」
「ギリギリまで引き寄せろ………今だッ」
「放てぇ」
ダンッ、ダンダンッ
「弓隊に好きなタイミングで自由に放つよう伝えろ」
「ハッ」
(藤吉郎も殿軍を努めているが隅俣の活躍を知ってるから心配はいらない、それにしても明智様は凄いなァ、これは凄い家臣になるぞ)
「太郎左衛門、槍隊として戦ってくれ」
「ハッ」
「任せたぞ」
「槍隊、掛かれェ」
「ウオオォ」
(やはり強いな、こいつら…でも)
グサッ
(とにかく、向こうの追撃が終わるまで徹底抗戦だッ、これは長くなるぞ)
と思ってる時期もありました、でもとにかく朝倉軍の連携が取れてない、強かった強かったよ、でも普通に勝てた、なので
退却戦、成功!……だがこの事が信長に対し後々最悪な事になる事を俺達は知らなかった
その数日後、信長は徹底的に浅井攻略を始めた
「徳川殿…姉川へ行くぞ」
「はい」
姉川にて両陣営交える
浅井軍には、朝倉景健〔朝倉義景の甥の息子〕が駆けつけて来た
そして戦いが始まる…その前
「今回この戦に勝つ為ある助っ人を用意した」
「助っ人?誰ですか?」
「お前の知っとるやつだ」
「ん?え?」
「お!来たぞ」
「十年ぶりだな、太郎左衛門」
「え?…!師匠!お久しぶりです」
「これが今回の助っ人だ、本気で潰しに行くからな最強位用意しないとな」
(忘れてた、師匠は最強の足軽って言われたんだっけ)
「こんにちは、森岡藤右衛門と申します」
「ん?君は?」
「俺の新たな弟子だ」
「流石っすね六十なのにまだ弟子いるんですか」
「あァ、まだまだ現役だ」
さて、と言う事で戦が始まる
「謙吾、槍」
「どうぞ」
「ありがとう…あ、そうだ俺は一人で戦うよだから謙吾、助八、寅七は吉太郎の所に入て」
「わかりました」
「いいのか、太郎左衛門」
「一人の方が集中できるし戦いやすいですからね」
「そうか」
「…!開戦か、また後でな太郎左衛門」
「はい師匠」
この姉川の戦いが太郎左衛門を変える、この後の出会いそして…………別れが
ダダダダダ
「…!」
カンッ
「何だ、お前ら」
「意外だなァ、大抵の敵は皆この攻撃で死んでったのに」
「兄さん大丈夫そ」
「あァ大丈夫だ…行くぞ」
(あの男が兄さん、と言う事は兄弟か、だが何だ何で女が戦場にいる?あの兄そして弟そしてもう一人全くしゃべらなかった女がいる、何だ意味がわからない)
シュッ
(何だ指を動かした?何かの暗号か?…来る!)
カンッ カンッ カンッ
「…強いな、ずっとは戦いたくない」
(ハァ、速攻で終わらせる)
ブンッブンブンブンブンッ
ダッ
「回転した?…!兄さ…」
「そこに居てね、居ないと言わなくてもわかるだろ」
「はい」
ブンブンブンッ
ダッ
ガシッ
「悪いけど動かないでね」
ダッ
「はい二人目…で君が最後だ」
(回転による勢いで移動して捕まえたか…もう勝ち目はない)
「…降参する」
「兄さん、ダメだよ僕まだやれる」
「いや多分もう敵わない……頼みますあの二人の命は助けて下さい」
(土下座、これは本気だな、でも殺すには少し惜しい、味方にしたいな)
「……君ら何で浅井、朝倉何かについてるの」
「理由はないです、ただ生まれた土地の大名だったからついてるだけです」
「なら織田についてよ」
「!私達は敵だったんです、今更織田側になど」
「大丈夫だよ、皆には俺から話をつける、なんと言われようと俺がどうにかする」
「でも何故?」
「君ら殺すには勿体無いよ、俺の下について戦ってくれない?俺は君らに可能性を見出だしたんだ」
「ありがたき幸せ、感謝します本当にありがとうございます」
「じゃあ名前聞いときたいな」
「私は十郎と申します、そして弟の九治郎です」
「ん?じゃあその女の子は?」
「この子は花、よく勘違いされるんですが女ではなく男です」
「は?えェ?」
「皆同じ反応しますよ」
「こ、こんな可愛いのに」
「まァ九歳だってのもあると思いますがそれにしても私もビビリますよ色々」
「九歳!こんな強かったのに、嘘だろ」
「嘘でも何でも、ただ強いだけです」
「ただ花は耳が聞こえないんです、女の見た目なのは実父が花を性欲処理に使う為です、昔から親無しだった私達兄弟はある日花を見つけ保護して今に繋がります」
「そうなんだ」
「指を動かす指文字を使って皆に意思を伝えているんです、ただ皆が言ってる事は口の動きでわかるみたいです」
「凄いなァ、俺も指文字覚えないとな」
「おーい太郎左衛門」
「お!吉太郎」
「ん?そいつら誰?」
「新しい仲間だよ」
「へぇ」
「いやァ流石吉太郎受け入れが早い、最高だね」
「おうよ、俺はすげェからな、というよりそれはいい、お前どこ行くつもりだよ」
「何かずっと胸騒ぎがすんだよ、それがどんどん近くなってる、少し確認しに行くだけ」
「ならいいわや、わかったこいつらは俺がどうにかしてるわ」
「ありがとう」
カンッ
「何だ?…向こうで誰か戦ってるのか?」
ダダダッ
「ハァハァ!太郎左衛門」
「あれぇ他の人も来たな、お!でも強そうじゃん…最強が知ってるって事は最強の弟子か!」
(この男…まさか昨日吉太郎に聞いた)
「そういえば太郎左衛門、最近話題の足軽知ってる?」
「誰?そいつ」
「様々な人に仕えるらしいぜ、気づいたらいて気づいたら消えてるそんなやつらしい、あまりにも強くて最強だって言われてんだってよ、本人も新時代の最強だって名乗ってるらしいぜ」
「なんだよそいつ…他の特徴は?」
「右頬に傷があるらいしぜ、声は甘い戦場にむかないような声らしいけど確実に男とわかる声らしい、そして初めて出会ったやつが強いかどうかがわかるらしい、強ければ自己紹介するらしいぜ」
「へェ」
(あれは間違いない)
「こんにちは、俺は」
(吉太郎が言った名前…有馬)
「有馬ァ」
「守貫でェす」
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