表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩[思索]

生死の連鎖

作者: 日浦海里

繰り返す生を眺め続けてる

繰り返す生は繰り返す死の裏返し


死んで生まれて

生まれて死んで


変化を加えれば耐えきれずに死滅し

また最初からやり直し


連綿と続く生の営みを

眺めているだけの仕事


時折負荷を与えては

耐え抜くものがいるかを見守る


放っておけば増えていき

放りすぎれば消えていく


手を加えれば減っていき

乗り越えたならまた増える


選択と集中

無差別と選別


繰り返される生の中で

新たな生が現れるのを見届ける


一つ一つは小さくても

その手が届けばわたし自身を生かしも殺しもする存在


それらが「わたし」を知ることのないまま

与えられた環境で


死んで生まれて

生まれて死んで


疑問など持つこともないまま

繰り返し…繰り返し…


ほんの一滴負荷を多く与えれば

育て上げたこれらは消える


思い通りに変わることのない生命達に

時折苛立ちを感じて

そんなことをふと思う


終わらせるのはたった一瞬

だから、今はまだ


手にした力を揮うことなく

ことんと脇に置く


そうしてまた繰り返す


わたしもまた連綿と繰り返される流れの一滴に過ぎない

命は多層構造的で

自身の生きる横の繋がりで連鎖する命と

再帰的に繋がる縦の繋がりで連鎖する命の組み合わせの中で

小さな球形を成している


それ自体がひとつの魂のように

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  様々な生物に置き換える事の出来る事のようでいて、その一滴を動かせる立場にある者の声である処が神の一手とも思しき考えの皮肉さを感じる詩ですね。
[良い点]  神様の視点のようでもあり。  実験者の視点のようでもあり。  小さな生きものを眺める傍観者の視点のようでもあり。  物書きの視点のようでもあり。  繰り返される光景の向こうに見えている…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ