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ZEROミッシングリンクⅦ【7】ZERO MISSING LINK 7  作者: タイニ
第五十八話 あなたが欲しくて

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48 結局は柔軟性

※『ZEROミッシングリンクⅦ』全体的に文章のおかしい所、間違えを修正しました。

同じような話を何度か載せているので、説明部分はガッツリ切ってしまう部分もあるかもしれないです。


※チコの身長も変更します!3センチほど減ります。170センチで、そこから1.4センチほど伸びています。ただし、伸び部分はニューロス部分なので変えられます。




「だーかーら、マジかわいかったんだってっ。」


「お前らも本当にアホになったのか?しっかりしろ。そんな漫画な展開があるわけないだろ。」

「あるんだって!」

「かわいくなったというのは分かる。が、女子アナ並みと言うのはウソだな。どうせメイクを盛りに盛っている。しっかりしろ。」

アーツのミーティングでキファと犬猿の仲の、石籠(いづら)が地味女をやたら褒める友人たちに忠告している。石籠は女性を知らないので、女子アナも盛っているかもとは思っていない。


ぶつくさ言う友人。

「キファは脳天がおかしいと思っていたが、あのかわいさなら分かる……。ちょっと、チラチラ見てしまう………」

何せ胸も少し大きめだった。ぽっちゃり系だと思っていたが、服が悪かったのだ。姿勢もきれいでパッと目を引く。

「…………」

バカでも見るような顔をする石籠。友たちが遂にレッドゾーンに入ってしまった。



「貴様ら、勝手に姐さんを話題にするな…。」

そこに急に話に加わるのはナンパ男たち。

「お前ら既婚者に変態か。姐さんがかわいいのは俺が知っている。何せ初見一目で直行ナンパしたからな。俺の鑑識眼に狂いはない。」


一応シグマやクルバトたちが忠告しておく。

「『傾国防止マニュアル』を忘れるなよ。」

「カウス軍曹の伝説を上乗せするようなことはするな……。」

ちなみに南海側第4弾はカウスをあまりよく知らない。カウスは最近チコの護衛に徹しているし、行くとしても河漢アーツだ。『彼が創設に関わった団体、痴情で解散』という伝説を作った伝説の男だとはみんな聞いている。


「は?」

石籠はまたバカが増殖して嫌になる。



そこに現る当人地味女。

「ファクトー!いらっしゃい!!電話取りなさい!!」

何か怒りながら会議室の外から顔を出してファクトを呼んでいた。いつもながらもさい。やることもモサイ。

「あ、響さん!昨日どうでした?」

「大きい声で言わないで!早く来なさい!!」


「姐さん!」

ナンパ男たちが手を振ると、一瞬嫌な顔を向けてファクトを連れてどこかに行ってしまった。

「……あいつ羨ましすぎる…。」

「姐さんにならなじられてもいい……。」



「……あの人が美女なの?」

勝ち誇った顔をする石籠に、今度は一番うっとおしい人物、キファが登場した。


「……お前たちは全員不合格だ。」

「…あ?」

石籠がいい加減にしてくれと言う顔でキファを見た。


「俺は顔じゃない……。

みんながチコさん近辺は見ない、触れない、関わらない、殺されると思っていた時期。ハーネス姉さんがまだちょっとおかしい人だと思われていた時期………」

石籠は今でも十分おかしそうに見えるが、と思う。


「顔ではなく、必死にこのアンタレスの荒波を生きる響先生の魂に惚れたんだ!

お前らのような、上辺にホイホイ付いて行く男ではない!!」

「俺たちいなければ、響さんもっと楽に生きれたんじゃない?」

アーツと関わって大変なことになっているのにと、クルバトが余計なことを言ってしまった。半分は正解である。


「………。」

だから何だよ、という顔で石籠は見た。上辺(うわべ)も見てねーよと思う。


ナンパ男がまた物申す。

「おい、クソキファ!俺は、『愛』を追求するために、姐さんを追っていたんだ!!真正の『愛』のために!」

大房警察署の話であろう。

「秘孔じゃなかったのか?」

友人のコンビニ男が口を挟むので、ナンパ男が怒った。

「それもあるが、もっと奥が深い!兄貴と姐さんを純粋に応援している!!」

「おおおお!!!!!」

その大房らしからぬ純真さにどよめきが起こる。おこぼれになれば貰うつもりではいたが。


「まあ、すかした顔で女を連れて、不愛想に大房を歩いていたお前を変えた姐さんはただ者ではない……。」

一番うるさいナンパ男が偉そうに言った。

「……お兄さん、過去の話はしないでくれます?」

キファはそこそこ有名人だったので、キファは知らなくても人はキファを知っていた。



石籠は再度決意する。試用期間が終わったら、絶対にこいつらのいないところに飛ばしてもらおうと。そして、ダチを守らねばなるまい。中には企業の優秀な後継者や担い手もいるのに、これ以上みんなが馬鹿になっては困る。アンタレスの未来に関わる。


その少し離れた席でソイドやソラと一緒に座っているムギは、もっとバカを見るような顔でもれなく全員の兄さんたちを見ていた。





そして、昨日までの報告と共に、共有ミーティングが始まる。



今日の朝から、VIP招待のニュースが解禁されている。これでベガスの評価もまた変わっていくであろう。反対派の多いマスコミは大してニュースにしないかもしれないが、経済を動かしたい一連はこの出来事を利用したがっている。なにせ、自分たち企業や繁栄の存続がかかっているのだ。

今最も空洞で、活力があるのはベガス周辺だ。


サルガスやゼオナスは、取り敢えず何事もなく終わったことにホッとしていた。全ての安全が運営の第一の責任だ。


今回特に力を発揮したのは、中央区の大学出身者と自分たちの街に改革を起こした常若(ときわか)の青年たち、そしてアストロアーツ5代目店長ジジェたちであった。

既存住民の移動、環境整備や行事で手の回らないアーツ3弾までの代わりに、彼らが南海青年や藤湾学生たちと共に、移民教育施設の完成を手伝ったのだ。アーツが関わることの重要性は、東アジアやアンタレスの既存市民であること。ある程度社会を知る、社会人が関わっているということだ。以前のアーツはほぼ20代だったが今は40代まで幅広くいる。



「あいつら雰囲気イケメンのくせに…」

最近入ったばかりのクセに、常若メンバーがサラサに褒められていて無性にムカつく第1弾。

「イケメンは関係ないから嫉妬はやめなさい。」

タウ妹ソラが諭した。

「サラサさんも卑怯だ。俺らは最初クズ扱いだったのに…。」

「くだらない感想文書くからでしょ?」

ファイは言っておく。こいつらは上辺だけでもいい子にしておくという無難なことができないのだ。いい加減学んでほしい。どうでもいいことには敏感なのに、全く学習能力がない。けれど、至って真面目に書いたのにとみんなファイにムカつく。




アンタレス地帯とその近辺都市に来る全ての移民、難民は、ベガス2地域に作られた住民教育センターで東アジアの法律やアンタレスでの生活規範の学習を通過することを約束される。


義務と違法行為、罰則から住む場所の条例、自治構成、大まかな習慣、風俗など学ぶのだ。


そして、もともと移民も多かったアンタレスでは、自分たち同民族だけで固まり、他が介入できない組織や集団を作ることを禁止されている。どういうことかと言えば、同民族や同じ志の者が集まることは禁止されていない。けれどそれは開示されるものであり、他者介入の余地があるものでなければならず、公の監査を拒むことはできない。つまり、移民が閉鎖的な集団をつくることはできないのだ。

責任の所在をはっきりさせ、センターに従わない場合や学ぶ気のない場合、損害を犯した場合など、仮住民権剥奪や強制送還など約束させられる。


公の機関も秩序ある住民活動のために協力しなければならない。


そして、これを模範に東アジア他地域に同施設ができるまでは、他の主要都市の移民もこのセンターを通過する。民族の近代大移動が始まってから、似たような施設はたくさんあった。けれど機能不全だったり目的が現実と乖離してしまうことが多く、結局移民問題は解決されなかった。


けれど、ベガスは特別自治区域で治安死守。


移民にも高等教育と情緒教育、霊性検査を義務付け、東アジアの規範中心に双方が平等の立場で作り上げたこれまでにない環境であった。また、他民族であるユラス軍もいたから達成されたことである。東アジア軍や公安だけではリベラルや移民側から反発もあっただろう。


何より、高校までの教育義務付けは、双方の精神性の懐柔に大きい比重を占めていた。

藤湾学校群に関しては移民とアンタレス住民が共に同じ地、同じクラスで学ぶのだ。連合諸国にいる限り、子供に共通語を学ばせることも義務とされていた。




その潤滑な運営のためのセンター設立の援助とその一端をアーツが担うということである。


システムだけでなく、警備にもアーツの人材が使われる。これまでベガスに入る人間はかなり厳選されてきたが、基盤が整ってきたのである程度緩和される。今までにない層も来るためこちらも厳重姿勢を作っていく。




大房は過去、時代を分割してホワイトカラー移民だけでなく、ブルーカラーも大量に入って来た。失業者も多く良くも悪くも全部が混ざり合った地域だ。


大房も労働移民の作った町。

大房前世代も機関設立のアドバイサーになった。大房商工会などのおじ様たちである。しかし、大房がアンタレスの一都市として、多民族が多様に存在する地域でなく融け合った町として成立するようになったのは、おじさんたちの祖父以前の功績だ。サルガスから見た、曽祖父世代以前。

大房の特徴に、民族差にこだわりが少ないというのがあり、民族的国際結婚も非常に多い。既に皆、多方の血や文化が混ざっているミックスだ。そこはリベラルの功績でもある。大房はダンスやストリートスポーツなどの実力や好みで交流を持つ傾向があり、言葉も共通語が話される中、人種や民族にマイナスの意味でとらわれない風潮があった。


なので、自分たちの細かいルーツを知らない者も多い。タラセド家やバギス、ジリ、キファやリーブラなども、もう元の人種が分からないほどに混合している。


そんな訳で、リベラルに染まりに染まった大房のおじ様世代は、結局反抗しまくった祖父や曽祖父世代にどうやってそんな街を作ったのかと、頼ることになってしまった。祖父世代はオープンな保守だったため、サルガス世代と相性が良かったのだ。結局凸凹ながら大房4~5代は協力していくことになり、そこから移民社会成功のヒントを得ることになったのだ。


なお、根本は教育で自主性の育成や、お互い助け合う、兄弟仲良くする、人の物を取らないなど普遍的な道徳性を育てることであった。


こんな簡単なことが人間、数千、数万年できなかったのである。


おかげで今もおかしなことになっているが、それでも試行錯誤を積み重ねていくしかないのだ。




●くだらない感想文1

『ZEROミッシングリンクⅠ』37話 42 3か月の集計

https://ncode.syosetu.com/n1641he/43


●くだらない感想文2

『ZEROミッシングリンクⅠ』73 3カ月の集計Ⅱ

https://ncode.syosetu.com/n1641he/74/



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