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春馬


俺が住む南九州の片田舎とは、違う星空をみあげながら、


ーSTAR、か。


昔から、星に関する話や歌はたくさんある。


ーそもそも星座って、よくあんな図形を描けるよな?


プラネタリウムなら、ともかくさ?


あんな星空なかなか見れないぞ?


だけど、太陽や星をヒントにたくさんのものが生み出された。


最初はたった一本の木の枝を地面につきさして、影からできたと言われてる時計。


ふしぎな角度に、きっと、昔は空気がなんか違ってたのかなあ?って思う。


親父がくれた古びたミザール。架台が安定しないから月すらわりと大変で、


ーやっぱり距離があるんだ。


だけど、折り紙を折ったら、不思議な距離の話もきくし、


ー俺のミザール、折り紙に負けるのか?


って思うから、なら、チップスタ○の箱は、スターってつくから見えるのか?


って、ルーペの口径が100均の中でも、でかいヤツをさがしたら、


ー重い。


真ん中探すのにいらない苦労をするけど、同じ大きさのミラーを利用したら、違う見え方するのかなあ?


ーほら、春馬、世界は手品であふれてる。


じぃちゃんは、そう言ってた。


手品には、不思議なたねがある。だから、それを見破ってもいいし、ただ、感動してもいい。


たくさんの不思議に、笑ったらいい。


ーあいつは、笑えるのかな?


きちんと設計されたミザールは、いくら掃除しても、なかなかよく見えないけど、架台もふるい。


月すら探しまわってる。あった!だけど、架台が安定しないから、地面を少しふんだら、ズレる時があるけど、俺が作った菓子箱は、月のクレーターを拡大は、屈折式だと厳しいけど、


ー星はきれいに映し出すんだ。


肉眼で見えない、なんにもない夜空に向けて、軽いからむけると、のぞいた空にたくさんの星が広がる。


不思議な空間に、俺は毎回、息をのむんだ。


ーそんな夜空に、神城を見つけられる、かなあ?


大都会に行っても、神城は輝くだろう。きっといろんな媒体を通じて、神城を俺は目にする。


ーだって、居間には、異世界人がいて毎回ワイドショーをみてる。


そういや、チップスタ○で思い出した。まだ、旅館の売店あいてるよな?


コンビニでポテトチップス買い忘れたしな。博多のコンビニで買ったら、博多土産にならないのか?


コンビニのレシートみせたら、納得しないのか?


ーその前に黄原と一緒に食いそうな気もするけど。


神城のことをふりきるように、俺は星空から、視線をもどす。


そういや、分度器って作るの難しいなあ。計算式はなんとなく、公式通りは無理だったから、かなり大雑把に作りたいって、じいちゃんがわめいたけど、


ー大雑把すぎてムリだ。コンパスと三角定規を駆使して、


春馬!分度器は素晴らしい発明だ!


って大興奮して、親父から、


ー素直にはじめから使ってろ?


と呆れられていた。分度器を買って帰っても、よろこんでくれるじいちゃんいないし、異世界人はやっぱり、食いものだろうなあ。


そんなことを思いながら、旅館に入ると黄原がいた。


ーストーカーか?こいつ?


「失礼だな?なんで、そういう時だけ、声に出すんだ?お前は」


黄原があきれる。


「ーで、神城と話はしたのか?」


「俺は神城明日菜の彼氏らしい」


「断るって文字はないのか?」


「…どうせ、神城が転校するまでだよ?」


俺がいうと、黄原は苦笑した。


「神城は男を見る目があるな?」


「兄貴がよくね?」


「竜生先輩を神城は知らないし、きっと選ばないだろ?お前を神城は選んだんだ。お前が自信なくても、俺が自信もってやる」


ー黄原がいうなら、いいんだろうなあ。


よくわからないけど、黄原がいうならいいんだろう。


やっぱり兄貴の方がいい気もするけど、あの冬の屋上みたいに絡まれるなら、無意味だしな。


ーなんで神城がターゲットになるか、わからないわけじゃないけど、


ー神城を知らないやつが、ターゲットにしていくけど、


ーそれは、きっとネットって言う異世界に無数にある星々に住む住人になるんだろうけど、


だけど、さ?


ー私なら守れる。とことん目立ちましょう!


って言ったんだ。あの力強さをやっぱり信じたんだ。


ーほら、春馬。世界はたくさんの手品にあふれてる。


不思議な手品を見せてくれる大人に、たくしたいんだ。


ー俺の手はちっぽけで、いまは分度器の角度すら、あやふやだ。


だけど、紙を一定の長さと角度で細く長くしたら、紙の分だけ重いけど、絞り式の望遠レンズは、拡大とピント合わせに優れていく。


だけど、紙分重たくて、やっぱり架台が大切で、


ー課題は山盛りだよなあ。


いつから宿題を課題って呼ぶようになったんだっけ?


仮題もあるし、かだい、って遊び放題だよなあ。


ー過程がでたらめだけど。設計図はどうやっても興味を持てないけど、答えがあるから、その通りに作らないと設計図の意味がないとは、わかるけど。


知らない世界は、たしかに不思議と手品にあふれてる。


ーここから、脊振山って、見えないよな?


日本が世界に誇る気象界のマジシャンが、観測した山。福岡でいちばん大きな五ケ山ダムが、だいぶ建設が終盤になってきてるらしい。


ダムの底に水をためる前に、まだ入ってないから歩けるイベントがあるらしい。


じいちゃんが元気だったら、連れて行ってくれたかなあ?


あの手品師はかわる風景に何を思うのかな。


けど、気象だし、ダムの必要性を知ってるし、ただみてるのかな?


ーそんなすごい人がいた山がいまは見えないし、その頃、その人がみていたのは、脊振ダムだろうか?


脊振ダムの歴史を知らないけど。


じいちゃんは昔、友人とワカサギ釣りに行って、小雪混じりで寒くて仕方ないけど、かなりの数が釣れたけど、


ーワカサギは、回遊魚。


辛かった。温かい天ぷらがめちゃくちゃ美味かった、らしい。


むかしのダムのアーチをみて、川の石ころを拾って削ってたら、あの図式通りになるのかは、不思議だけど。


石をきれいに割る力がわからないけど。粉々に壊して、きっと、元に戻せないけど。


ーあの人なら、粉々になる前に、神城を守ってくれる。


俺は前歯で下唇を噛んだ。


神城が東京に行くまでは、きっと、このわけわからない気持ちが、言葉にはできない。


だしちゃダメなんだ。


「ー春馬、土産まだだろ?買いに行くか?竜生先輩がお前につながらないから、俺に連絡くれたよ」


「あっ、スマホ電源切ってた」


電源いれたら、兄貴から土産のリストが入ってた。個数まで。


兄貴は太宰府のお守りあるなら、いいらしい。


「なんだかんだで、竜生先輩って、お前にいちばんあまいよなあ?」


黄原がスマホの画面をみてあきれる。


「ほら、混む前に行くぞ?」


って黄原に肩を叩かれて、俺は歩きだした。





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