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春馬


集合場所につくと、バスがもうとまっていた。


だから、バスの窓からの視線が一斉に神城と俺に集まってきた。


ー完璧なもらい事故。


神城が。


だよなあ?


ぞもそも俺がストーカーしなかったら、神城はあんな行動しなかった?


ーいや、けど、神城って短気だし?


まあ、いまさらだし?すげー数の視線に、


「ー大変だな?」


黄原が同情するように俺に言う。たしかに大変だ、


ー神城。


俺は神城をこれから、もっと目立つ大都会にやるぞ?けど、予想は神城にしかしてなかった。


おれと柴原のゴールは、あのスカウトの瞬間まで、だったんだ。


ー予想外すぎる。


ただ、責任はとって南九州の片田舎にいる間は、虫除けになってやるよ?


彼氏がラッシーってことを、忘れるなよ?神城。


ーそこは、ラッシーだ。


ラッシーの土産は、さっきコンビニでいちばん安いジャーキー買った。


コンビニ便利だよなあ?福岡のコンビニで買ったから、あたりまえに、福岡土産だし。


ーポテチもいける?

 

全国流通だよなあ?たぶん南九州の片田舎と同じじゃね?


ーうすしお。


たまに料理にも使ってるうちの異世界人。


もやしを湯通しして、しぼって、皿にもり、上から湯むきしたトマトを1センチ以下のサイコロに切ってふりかけ、あとはいちばん上に、ポテチを手でつぶして、ふりかける。


ポン酢かけて食う夏場の野菜サラダ。


ヘルシーかはわからないけど。安上がりかもわからないけど。夏バテにはよかったよなあ。


いつもは台所には近づかない俺だけど、ポテトチップくずし役だった。


たしか異世界人が、食べたいけど、体重が?とか言ってたような?


俺が不思議に思ってると、じぃちゃんが、真面目な顔で、異世界人に体重きくな?とは、言って、親父は基本的に相手が言わないなら、リアルは男女関係なくきくなとは、いわれた。


痩せてる事を気にしてる子たちもいるから。らしいが、じぃちゃん、親父、


ー俺の口はアイスクリームだぞ?口どけいいんだ。


口にはしないが、思いはするだろう。


神城はなんであんなに華奢なんだ?柴原もスラってしてるけど、バスケやってるからか神城の華奢感はないよな?


うちの異世界人は、田舎なんで家庭菜園をラッシーが入れない場所でしてる。あれがいい運動になるらしい。わりとなんかの幼虫がでてくるよなあ。


ーただスター系じゃないけど。


「スター、かあ?」


福岡なら、あの南九州の片田舎では手に入らない色々な材料が目で見て手に入れられるのかな?


そうしたら、俺だけの天体望遠鏡は、神城が大都会の人工の輝きに紛れ込んでも見つけられるんだろうか?


親父がくれた年老いたミザールより、ずっと、手作りの方が軽くて性能はいいのかな?


…カメラ機能に特化したらスマホが楽じゃね?


絶対に敵わないよな?


だけど、手作りなら、俺だけが見れる世界だ。


ーほら、春馬?世界はたくさんの手品と魔法でできてる。


いまはまだ俺はあの黒く油性マジックでぬった小さな箱のなかに、きれいな光のスペクトラムは、捕まえられない。


まだ四角で粘りたいって思うのも、たしかだ。


分光器のスリットふさぐみたいに、手作り望遠鏡も、


ーレンズふさいでみた。


あたりまえに見えないけど、見えないから、


ープラネタリウムってできたのかなあ?


小さなミニライトと、円筒と、レンズ、マジック、たくさんの、


ートリック。


望遠鏡作りながら、脱線はするけど、めちゃくちゃ、楽しいんだ。


ただ、ひとつだけ、わかるけど。


ー作りたいヤツは望遠鏡。


途中でなんか違うから、遊び倒して、やっと望遠鏡ができるけど。


いろんな、レンズでピラミッド作ったけど、中はみにくいよなあ。


光は変わってるけど。


いくつ虫眼鏡と老眼鏡をバラしたら、神城を南九州の片田舎から見つけるんだろ?


ー大きなお世話だよなあ。


って神城たちを見てたら、柴原がやってきた。


「黄原たちの班は、お風呂の時間はどれくらい?」


って黄原にきいた。頭いいな?相変わらず。


ー俺は入浴時間を知らない。黄原は時間にあわせた行動がとれるけど、俺は夢中になったら忘れてしまう。


人間の三大欲求を簡単に忘れて遊んでる。たんに楽しくひとりで、夢中になってなんか作るは、ある。


三日三晩飲み食い、寝るの忘れた、は、ザル?


制欲は、俺はわかんねーけど。いまいちわかんねー。神城と柴原が他の異世界人とは、違うくらいかな?


野球部の後輩も、後輩だけど、異世界人だしなあ。


ーあいつ、名前なんだっけ?


うちの部に異世界人はひとりだけだから、後輩でいいよな?


なんか知らないけど、先輩、って言うし?


ー先輩、私は他の子と違います!違うお土産をできたらください。


たしかに異世界人だよな?他の後輩とは違う。


素直にそんなに土産いるか?部員にはまとめてやる、って金額いわれて渡したよな?


まあ、リトルリーグ出身の後輩は、俺なんかよりずっと野球に詳しくて、見かねて素振りの基本を教えてくれるしな。


相手してくれる貴重な存在だ。


よく兄貴の話をしてるから、兄貴狙いもあるかな?


ー私にとって村上先輩は、竜生先輩とちがいますから。


あれ?似たようなことを、さっき神城に言われたよな?


ー?


なんか似たような言葉なのに、まったく違うな。


チラッと神城を見ると、相変わらず不満そうに、俺を睨んでる。柴原もそれに気づいてクスッと笑った。


「予想以上の明日菜の反応かな?オンゴールで明日菜がひとり勝ちかも、だよ?村上?」


「短気すぎやしないか?」


「いまのインスタントは、時間バラバラだし?」


ゲームはコンマ、単位だしなあ。サッカーはわりと悪天候でもやるしな。


「まあ、私にも予想外だったしね。こればかりは、明日菜がすごい。というか、あそこまで、短気だとは」


柴原があきれたよに言う。うなずく俺を黄原があきれる。


「神城、短気じゃないだろ?おまえらがズレてんだよ」


「まあ、同じソーラー電波でも、ズレるしね」


「永遠に使いたいなら、やっぱり手巻きなきもするよな」


「でもゼンマイを手巻きで、ずーっとゆっくりって、かなり難しくない?」


「難しいよな?悔しいからノーヒントで作り出したいんだけど、紙をテープにしてから、よくわからない。これか?ってやったらなんかオルゴールみたいだし?」


「かんたんそうで、いざノーヒントで作りますか?ってなると難しいよね」


バネの仕組みはわかったけど、それをどうやって伝えていくのかが、わからない。


俺と柴原はついため息がでる。


「ーおまえら、神城の話してないのかよ?」


「えっ?明日菜の話だよ?」


「神城のことだぞ?」


だって、俺たちはオートモードを選択したはずなんだ。


神城はリプレイでメイン。


俺たちはオートモード。


ってはすが、神城の予想外の行動で、下手したらマイナーチェンジどころか、フルモデルチェンジだぞ?


って思う。


そのあと、黄原になんこかきいて、柴原は神城のところに戻って行って、


ーバスで質問攻めに苦労していた、


黄原がいた。




       









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