2日目 春馬 ⑦
ーラーメン食って、ハンバーガー屋で、昼めしになった。
柴原と神城以外の女子は、クレープ食ってたしな。何にも食ってない俺や黄原はビックサイズ食ったけど、柴原はふつうにセット食べてるが、神城なんかサラダしか食ってない。
ーアイツ、マジか?
もぐもぐポテトを食べながら、俺はチラッと神城をみてビックリした。
食わない女子も知ってるが、いまんとこ、見てない。柴原はカップルらしく赤木のポテトをとったりしてる。
ー腹が減ってるらしい。
赤木も柴原のを食べてるけど、お互いにわざわざ食う意味あんのか?
と、傍目に思う。そういえば、黄原が読んでる漫画にもあったなあ。
カップルならそうだ、らしい。柴原的に?
俺には、一生かけても、やる気にならないし、わからないだろうけど。ラッシーが俺以外に懐いても、なんか、
ーたいせつにされるなら、いいや?だし。
俺よりその人といたいなら、ふつうにいい、とも思う。さびしいとは、思うけれど、
ーラッシーは、俺、じゃない。ラッシーだ。
は、なんとなくドックフード食べた時に思った。俺には微妙な味というか、素直にかたくて、まずい。
奇妙な味で、ドックフードの原材料をみていたら、異世界人からこっぴどく怒られた。
異世界人が真っ青な顔してドックフードの製造元に電話して、じいちゃんがなんか言ってた。
ドックフードはダメは理解したが、ペットフードはダメと言われてないから、金魚の餌食ったけど、そこで、すべてダメとは言われた。
じぃちゃんが、ラッシーの食べ物がなくなるし、食べ物がない時は最終手段だけど、いまの俺は違うといわれた。
ーお腹すいたら、お母さんに言いなさい?春馬。だいじょぶ。お母さんは、こわくないんだよ?
そう言われたけれど、異世界人にいう気はおきなかった。
ーだって、ラッシーが美味そうに食うから、食ってみただけだし?
めちゃくちゃ怒られた記憶しかないよなあ?ただ、じぃちゃんや親父から異世界人は、母親だよ?心配だからだよ?とは言われるけど。
よくわからない。異世界人は兄貴の母親だよなあ?
じぃちゃんが、俺のじぃちゃんだとはわかるけど。そばにいたら、親なのか?よくわかんねー。
幼い俺には、よくわからない存在だった。恐怖や怒りより、たんにいつも邪魔だな?は、あったのかなあ。
何かしようとしたり、なんかしたら、ただダメ!だった気がする。
ー?
理由は後からじぃちゃんが教えてくれたから、なんかじぃちゃんの方しか記憶ない、は、たしかだよなあ。
ーお前バカだろ?
って兄貴が言うしなあ。俺はバカなのは、確かだよなあ。勉強は好きでも、嫌いでもない。
いつも怒られてるけど、ダメ!しか言われない。
ー俺、ラッシー?
とはたまに思う。が、よくわからない。ただ、柴原と違って俺は、平均点だけとってたら怒られない、は、わかる。
たんに平均点だ。受験ってなるとよくわからないけど、定期テストで平均点なら、授業きいていたら、先生が答えを教えてるから、わかる。
ーここはテスト範囲だ。
ーここはテストにだす。
先生の口が答えだよなあ?平均でいいなら。
たまに、
ーあっ、違う。
は、あるけど、その場合、平均も下がるから、やっぱ平均だ。
100均はいらない。
平均でいいは、理解してる。だって、
ーふつうにしなさい。
だよなあ?
兄貴はなんであんなに勉強するんだろ?よくわからない。勉強の、テストの意味がわからない。
異世界人は、
ーとにかく大学に行きなさい。いまの時代は大学まで行かないとダメだから。
ーダメなのに大学いくのか?
ー?
は、あるけど、兄貴は勉強してる。兄貴は勉強できてる。素直にすごいよなあ?
ー柴原はなんで勉強してるんだ?
アイツも嫌いな科目は勉強してる、は、わかる。100均がいるんだろうなあ?
苦手科目がない大天才っているのかなあ?いるんだろうなあ?よくわからないけれど、世界はひろくて、
ー英語はよくわからない。
辞書や教科書から、教師の例文きくけど、
ー辞書と違う。視覚と聴覚で戸惑ってる。意訳、和訳、翻訳、直訳、文法。
暗記はわかるが、話せる気しない。九九の暗唱と数字の読み方みたいに、わかんなくなる。
たんに視覚と聴覚が一致しない。仕方ないから、目で覚えて、内心は、違う言葉で読んでる。
キラキラネームと九九の違いがわからない俺だ。めちゃくちゃむずかしい、九九の、暗唱。
たんに聴覚なのはわかるけど。それだけは、数学バンザイ?だよなあ、言わなくてすむから。
ー春馬、食べれる時には食べときなさい。次のご飯が来るとは、限らないよ?もったいないもあるけど、日本は災害大国なんだ。
幼い頃、じぃちゃんが俺に言った。じぃちゃんの知り合いは、ふつうに餓死した時代があった。弱って赤痢に勝てなかった。そうつぶくように唇をかんだ。
無理をする必要はない。ただ、
ー食べれるなら、食べてごらん?次のご飯がいつかわからない国だから。
そうじぃちゃんが言った。優しく頭を撫でられて、
ー食べ物が美味しいは、奇跡なんだよ?たくさんの魔法と願いなんだよ?
お母さんや作ってくれた人、いろんなものが食べられることに。きちんと頂きます、ご馳走様でした。
は、意味があるんだよ?
ー日本にはたくさんの手品や魔法があるんだよ?
ただ、美味しく食べられるお腹を持った。それはすごい事なんだ。
ポテトを食べながら、サラダしか食べない神城をみて、なんとなくじぃちゃんが言ってた意味をわかった。
ーそういえば、異世界人って何が欲しくて、俺の財布にお金いれたんだろ?
兄貴いま、メールして大丈夫かなあ?
親父か?
なんとなく兄貴かな?で、よくわかんねーから、異世界人にはききたくない。
バカって言うけど、兄貴は理由か答えを教えてくれる気がした。




