息抜き、ガス抜き、空気ぬき。
「そっか、あの日に、柴原にも、あったのか」
いたな?
職員室に。
あいつがいなかったら、
ー俺は、あの時、どうしたんだろ?
あの日、あの瞬間、なんで、
ー神城明日菜だけ、見つけられたんだろ。
ホタルみたいに、雨降りの翌日に、ひっそりと帰ってくる俺の傘。
落とし物いれに、まぎれこむ、俺の傘。
アイツは、俺のこと、気づいてるのかな?
ーいや、気づいてるよなあ。
傘には。
俺には気づいてないよな?
いや、まてよ?
神城は、そんなに鈍そうに、見えなかったぞ?
俺はじっと傘を見つめる。ただの安物の折りたたみ傘で、
ー俺は、あまり傘を使わない。
たぶん、傘って、わかれるよなあ。
少しの雨で、短距離で、
ー傘をつかう人。
ー使わない人。
俺は、少しの雨や短い距離なら、わりと使わない。
土砂降りなら、考えるけど。べつに走ったら濡れないとも、思ってない。
むしろ、なんとなく、走ったら、服が重くなる気がする。
ーけど、走る?かなあ?
たまに家族で出かけると、雨ふりの駐車場から、店に行く時なんかで、
傘を持たない派の、俺と親父。
傘をさす派の、母親と兄貴にわかれる。
兄貴は、きちんと傘をさす。
ー洗濯する母さんのコトを考えろよ?それに、風邪ひいたらどうする気だ?
って、毎回、雨降りでも遊ぶ俺を、探しにきてる。
ー来てくれる。
なんで、学年は一個しか違わないのに、兄貴は、あんなにしっかりしてるんだろ?
兄貴は、頭もいいし、わりと顔もいいらしい。
俺と兄貴は、兄弟だから、親戚からは、似てると言われるけど、
ー?
兄貴は、異世界人からモテるらしい。バレンタインのチョコなんかをもらう。
ー?
なんかいま、俺は、羨ましいと思った?
ー?
一度も異世界交流を、夢みたこともないのに?
ー?
首を傾げていたら、
「傘は、あったのか?村上?」
黄原がきいてきた。
「ああ。あった。なあ?黄原?」
「なんだよ?今日は、晴れだぞ?明日も晴れだぞ?」
「いや、天気じゃなくてー。なんで、いま、舌打ちしたんだ?」
「なんでは、俺だよ。なんで、柴原は、お前のことを、初対面で、あんなにわかるんだよ?」
ガシガシと髪をかいて黄原が、苛立たしそうに俺を見る、
そういえば、小学時代は、短髪だったのに、中学になってのびたなあ。
なんか変な匂いの整髪料する時あるし?
「お前は、そういう時だけ、声に出すから、ムダに敵をふやすんだぞ?」
「そうなのか?」
「そうだよ、天然に、ヒトを苛立たせるのは、お前の才能だぞ?ある意味」
「…天然記念物といえばさー」
話しかけたら、黄原が顔をしかめて、右手を、左右にふった。
「あー、俺には、その話は、たぶん理解でないから?というか、悪口をいわれたんだから、反論しろよ?」
たまに黄原は、兄貴と同じことをいう。
だけど、俺には、よくわからない。
「悪口をいわれたか?」
黄原が?俺に?
いま?
俺には、よく、わからない。
けど、たしかにわかるのは、
ー俺の存在は、周囲を、よく苛立たせる。
もう、わかりきってる。
というか、俺からみたら、
ーいつだって、まわりは、意味なく怒ってる、
人間って、なにかに愚痴らないと、話せないのかなあ?
とくに、母親と兄貴の会話は、いつも、俺や親父に対する愚痴だし?
あっ、愚痴は、怒りじゃないのか、
ー?
不平不満は、怒りじゃないのか?
俺は、首を傾げる。
たぶん、怒りじゃない。
だけど、たまりに、たまったら?
ー大爆発。
は、みてれば、わかる。
だから、ガス抜きかあ、
母親がよくつかう、たまには、
ー息抜き。
ーガス抜き。
ーサッカーボールは、空気抜き。
たしかに、破裂は、しない。
俺は、サッカーボールに、空気をガンガン入れまくるのが、大好きた。
まじめに、ガンガン空気を入れまくる。
たまに糸が裂けて、下のゴムがでてくる。
空気を抜いたら、元に戻る。
ー場合もある。
ゴムが変形すると難しい。
親父の息抜きは、なんだろう?
母親と兄貴は、あるいみあの2人の会話で、
ーガス抜きをしてる。
なら、親父も誰かでガス抜きしてるのか?
ーあんまり、親父が外で母親や兄貴を、悪く言うとも思えない。
親父が話イメージがない。親父は、いつも淡々と毎日を過ごしているように、みえる。
俺や兄貴にも、あまり口うるさくない。
兄貴は、関心がないだけだ。あっても、お前にだけだって言う。
ー俺より兄貴を、気にかけてるように、俺には、みえるけど?
ただ、よくわからない。
ただ、親父がいなくなったら、
ー金には、こまるよなあ?
って、思う。
あくまでうちの場合だけだけど。
南九州の片田舎では、就職があまりない。過疎化が進む理由にもなってる。
地元に残りたくても、職がない。
たまに、教師たちがそう言う。
ーだから、勉強しろよ?
って言うけど。
だから、の前がよくわからない。俺には、いつだって、
ー?
な、この世界を、
ー空色の蛍光ペンが、なんか、かえた?
あいつの説明は、わかりやすい
ー視覚。
だったよなあ。
この世界の不思議な空気。光。
俺は手元の傘をみる。
ースマホや百均がべんりだよな。
たまに作って、また分解して、また作るけど。
あの空箱の中で、ホタルは、いたかな?
ってぼんやり考えていた,
まっくろに塗り潰すあの箱に、
ー空色の光は、あったかなあ?
って思ってた、
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大人気女優と平凡なサラリーマンの恋。
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最新の章は、この話とまったく同じ内容なんで、あまり読んでも、意味ないかもです。すいません。
同じサイトで、よくわからない進行してます。単にあっちだと大人だから、時間の混乱防止用です。(あほなんで)すいません。