春馬
風呂に入れと、いわれて、俺は素直に浴槽に身体をきちんと洗ってからはいる。
これはじいちゃんから教えてもらった、もはやこだわりだ。身体を洗ってから、浴槽にはいる。
じいちゃんは昔の家長制度の習わしで、自分がいちばん風呂が多かったらしい。
俺が知らないばあちゃんも、そういう風習があった中で育ったから、じいちゃんの仕事がおそい時は、先に入って休んでいいと言っても、子供達だけ入らせて、じいちゃんのあとからしか入らなかったらしい。
まだ100年も経ってない時代が、そんなだったと、笑ってた。じいちゃんはよくても、まわりがよくない、は、変わらないのかなあ?
って苦笑いしていた。
だから、じいちゃんは必ず身体をきれいに洗ってから、浴槽につかる癖がついたらしい。
異世界人はじいちゃんや親父がいても、いちばん風呂だけど。
もう忙しいから、入れる人がはいるも正しくはあるし、そもそも俺は風呂苦手だけど。
身体を温めながら、シャワーで身体を洗い流し、素直に浴槽にはいる。
そうしたら、なんか身体の芯から、強張りが解ける気がした、
どうやら、俺はかな緊張していたみたいだ。
らしくないけど、イレギュラーだらけで、なんとか神セービングしたんでは⁈
だけど。
「あー、つかれた」
って声にしてみた。たくさん異世界人と話したよなあ。柴原に、神城とか。
あとは時刻表と博多の人混みと地下鉄。
苦手だらけを、すべて、かっさらった神城の、
ー彼氏がいてもいいのなら。
すべてが狂ったあのセリフは、
ーどっちだろ?
神さまのサイコロは、無神論な俺にはわからないけど。
「疲れたなあ」
って、声にだしたら、少しスッキリしたんだ。




