真央
帰りながら、ため息がでた。
足が重くなる。時々、家に帰らないとダメ?って思ってしまう。
このまま、いなくなれたら。
けど、生き行くにはまだ保護がいる年齢だともわかるし、
ー明日菜にあんな行動をしていて、私だけそれはない。
って思う。足取りが重くなる。
反抗期とは違うけど。もうわかってる、
ー反抗したって反抗期らしいし、べつに反抗してるわけじゃない。疑問なだけだよ?ただ、疑問に答えてくれたら、納得するよ?
って思うんだ。
まあ、いっかあ。どうせ私にはあの家しかないし。私には私の手品師がいる。
たくさんの美味しい手品を見せてくれる。
100対300だって。
1対3。
わかりやすいなあ?って思って、
0はダメらしい。いろんなつなぎの魔法水。
ほら?お嬢?100%もいいけど、こっちはこっちで美味しいだろ?
って笑って、
ー職人長?材料費下さいね?
げ?
だった。
少し足が軽くなる。ただパパから言われたお土産も買ったけど。
軽いけど、重いんだ。
パパには反抗すらできない。話したくない。
もう嫌なんだ、って思うけど、ギリギリのなにかを、
ーお嬢?見てごらん?この世界にはたくさんの美味しい手品があるぞ?不思議な手品がたくさんある。
そう笑って、いつだって、ただ不思議だね?なんでだろね?
って言ってくれるんだ。
ただ、不思議だね?
私にはわからないよ?
ただあの日の明日菜を見つけちゃったんだ。
私だけ逃げたらダメだって言い聞かせてる。けど、
足が重い。
けど、
ーほら?お嬢?見てごらん。
家の裏から美味しい優しい幼い頃から慣れたにおいがするから、自然とお腹がなった。
私は裏口からはいり、うがいと手洗いして、いった。
「ただいま」
たくさんの、
「おかえり」
がかえってきたんだ。




