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8 誰も想定してない我の勘違い

 魔王様の初クエストです!



・クエスト名

 スライムジェル求む

・クエスト備考

 募集人数・ランク指定無し、備品未支給

 期日は依頼書貼り出しから2週間以内

 追加納品に応じて報酬増額

・依頼主

 依頼者、ゾーゾー1(自称)の錬金屋、エドガー・アル・エドワード

・内容

 ポーション研究用のスライムジェル100ccの瓶詰め2ダース

 追加納品1瓶ごとに銀貨1枚

・報酬

 金貨3枚+α(人数変動無し)

 準備を整えた次の日の朝早く、1人の部屋で素早く準備を整え街の入り口で待っていた。


 昨夜、ずっと姉妹の声が煩く眠れなかったが懲役後の牢屋の中で長い年月をかけて習得できた技術(スキル):寝溜めのお陰で全くもって問題ない。


 懲役以外は寝て溜めていた分がいかんなく発揮されたということでもある。


「やはりフラフォンさん朝早いですわね。」


 昨晩散々いちゃいちゃして我の睡眠を阻害した姉妹のご到着である。


 ま、我は昨日の時点で姉妹に文句など言える立場にはないのだけれども。


「俺は初心者というやつなのでな。アリスとモネに手取り足取りを教えていただきたい! よろしく頼むぞ。」


 我、早る気持ちもう抑えられぬ。


 だが現実は思っていたより地味だった……。


「歩かねばならんのか。てことは到着までに2日かかりそうだな。」


 我は愚痴を吐いた。


 別に不満があるわけではない、ただ依頼は早期解決していくイメージがあっただけに数日かけて歩いていくというのは想像以上に地味であった。


「フラフォンさん、冒険者として帰るまでが冒険ですのよ。


帰り道何かに襲われても大丈夫なように体力温存は冒険者としての基本ですわ。


それにダンジョンへ潜る時なんかはそういう意識が無い者から死んでいくものなのですよ。」


 いやわかる。アリスの言ってることが正しいことはわかるのだ。


 ところがわからぬことが一つだけあった。


「ダンジョンとはなんだ?我の全盛期の頃はそのようなものはなかったと思うのだが。」


 我が全ての王階級の頂点である大魔王に至った時にはそのようなものはなかったはずである。


「巫女の命日に突如現れた異空間ですわ。


大抵は建物や洞窟のような入り口ですが中は別世界ですの。


発掘装備はご存知ですよね?


太古の昔より朽ちることなく地中に埋まるそれを中心として発生したと考えられてますのよ。


あくまで一説に過ぎないですけどね。」


 まじの初耳であった。


 どうやら我がせっせと炭鉱に潜ったりしている間の出来事らしい。


「ふむ。我が大魔王であったあのひと時とは全くの別世界であるな。


武器集めは我の数少ない趣味だった。


またいつか集め直してみたいものであるなぁ! ワッハッハ」


 我は懐かしみ共に高笑いをした。


 そうでもしないと地味なこの絵面に耐えられる自信がない。


 あぁ退屈である。


 退屈の原因があたりの生物が居ないことに誰も違和感を覚えぬままフラフォン一行の旅は静かに進んでいくのである。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 次の日、我輩たちは目的地に到着した。


 最後の方、軽く我の散歩で一気に目的地まで距離を詰めたので1日予定より早く到着した。


 まぁそれでも夕方だからそのまま寝たのだが……。


 そして今、絶賛スライム狩りである。


 我を除いて……。


「なぜ俺がスライム狩ってはいかんのだ。


解せぬ。」


 不満を口に出すとモネがジッとこちらを見ながらこう言い放った。


「スライムが全滅する。


スライムのジェル集めないといけないのに破片すら残るかも分からない。


暴れたいなら鳥を空中で殴ったりして他人に迷惑かからない暴れ方してくれる?


できるの? フラフォンさんまだこの世界の常識的な力加減わかってないよね? わかってないなら口に出さないで。」


 うぐっ、4本の矢印が矢のように刺さった気分である。


 反論などできるわけもなかった。


「フラフォンさんは周囲の警戒をお願いしますね。


索敵も立派な仕事ですわよ。


最近ここら辺で魚介類とスライム以外のありとあらゆる生物が消息を絶っているみたいですからより一層の警戒をお願いいたしますわね。」


 アリスは口優しく我に助言をしてくれた。


 平然と毒を吐く妹とは大違いなおおらかさである。


「わかった索敵であるな! 任せてくれたまえ。」


 まぁやることないからそれをして気を紛らわすことにする。


「ちょっろ。」


 モネの毒は無かったものとして扱おう! 我、とっても寛大である。


 技術(スキル):洗練感覚、知覚拡張、超集中、発動!


 これにて五覚情報を頼りにした索敵範囲は半径1キロにも及ぶ。


 狙撃! されなければさほど問題にもならない距離である。


 しかしどうだろう。索敵してわかったのは人はおろか獣の気配すら感じられない。


 スライムは無数に溢れかえって姉妹と戯れているのはわかるがそれ以外はそれこそ魚くらいしかいなさそうであった。


 後、何故かここから東にちょうど1キロほど先に小屋程度の建築物があるのがわかった。


 もし一夜この辺で過ごすことがあるなら利用させてもらおう。


 ややあって今後の動きについての話し合いをしていた。


 尚、スライムジェル集めは順調のようである。


 5匹で1瓶分、計2ダースが今回の納品数である。


 単純計算でスライム120匹も倒さねばならない。


 倒すことは簡単だが無限のようにスライムが湧くわけではない。


 今はスライムの分裂、成長待ちであった。


「やはり待つ他ないのだな。


早める手立て知っておるのか?」


 我は現状の再確認を行った。


「スライムは1日に2回分裂が起こるんだって。


日の入りと日の出の2回ね。


次は日の入りにしか分裂しないから食料確保して早めに寝た方がいいかも。


テント貼る時間も欲しいしね。」


 これらの情報はモネによる事前の情報集めの成果である。


 これに我の成果も加えてやろう。


「テントは不要である。


ここからちょうど東に1キロ離れたところにちょっとした小屋があるようだ。


テント以上に雨風凌げるであろう。」


 すると2人はギョッとした視線を向けてきた。


「は? フラフォンさんずっと私たちと行動してましたわよね?


なんでそんなのを見つけられたのですか!?」


「あんたでたらめすぎ。


なんかクエストに同行させてるのが馬鹿馬鹿しくなってきちゃったのですけど。」


 アリスもモネも凄い驚き様である。


「俺は技術(スキル)が11もあるのでな。


何、長年の牢獄内修行の成果である」


 2人は頭を抱えだした。


「「 はぁ!?」」


 どうやら牢獄で修行は非常識のようである。


(ダテに153年も牢の中には入っておらぬつもりだったのだがな。


というかそれだけ長いと暇だからついでばかりで修行は頭おかしいのだな。


次に生かそう)


 フラフォンの勘違いはまだまだ続く。

面白いと錯覚を起こされたり次話気になる症候群に陥った方は↓下にある☆☆☆☆☆を適当にタップして下さい贅沢は言いませんのでタップだけでも是非。


もうじきアスタたちが受けてた依頼等の伏線回収というか一連の騒動の結末?的なものが分かります。


尚、今後の伏線も仕込みます。d( ̄  ̄)

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