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7 我の初クエスト前準備

仕事で疲れたので今日は1話だけにします。


グッナイ

 我は最初は何が起こったのかよくわからなかった。


 謝罪に付け加えるように要望しただけなのだが気が付いたら殴られていて視界がぼやけ我は倒されてしまったのである。


「い、今のは……。」


 気を失ったのが僅か3秒とはいえ戦闘においては致命的な3秒である。


「あぁすみませんすみません。プルソンさん大丈夫ですか!?」


 殴った本人であるはずの受付嬢はこの取り乱し具合である。


「我はフラフォンだ!


良い拳であった。うぅし、視界がだな。


ぐわんぐわんするのだ。


な、なんであるかこれは……。」


 視界がぼやけ地面が揺れ動いているかのような感覚に襲われていた。


 視界がぼやけるということは魔術?


 だが肝心の魔力の流れは微塵も見えなかった。


 正体不明の現象を教えてくれたのは1人の痩せ細った男である。


「あんたフォーマット様と話してたな。


いくらフォーマット様が見染めた者とはいえ顎に綺麗にヒットすると酔うだろ。ヘハハハ。


安静にしてなって。ヘハハハハハハ」


 よろめく我がどうやらツボにはまったらしい。


 不愉快なまでの大笑いであった。


 だが不思議である。不愉快なはずなのにこの場にはあまりに愉快な空気が漂っていた。


(あぁこれが冒険者の空気というやつか。凄いものだな。


顎に当たると酔うと一緒に覚えておこう。)


 その後の食堂で我が受けた喧騒も察していただきたいものである。


 我は怒られるということがトラウマになりつつあった。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 食事後、サキュバス姉妹に奢って貰った我は怒られたことも相まって2人に頭が上がらなくなっていた。


「良いやつないわね。シルバー以上要望ばっかじゃない。」


「かといって薬草取りは……ねぇ……。


あ、これは? スライムジェル集め。」


「あー、スライム? でもフラフォンさんにやらせたら生息地一帯更地になりますわよ?」


「うーん、でも薬草取りなんて下手に動かれたら植物全滅よ? それならまだ生息地の一つや二つ更地にした方がマシなのでは?」


 我、付け入る隙なし。


 というかまるで歩く厄災のような言われ方である。


「うん、やっぱスライムにしましょう。


私達の護衛させておけば更地になることはないでしょうし。」


 受けるクエストは決まったようだ。


 受注後、アリスが買い物に、モネが生息地の確認に向かうことになったためアリスについていくことにした。


「我はぃ、俺が! 荷物持ちするであります!」


 やること欲しさに口調を変えてみた。


「えぇせっかくですのでお願いしますけど割れ物ですからね。


割らないで下さいよ。」


 割れ物、そういえば帝国の城を建設する際もあれこれ割ってしまった記憶がある。


 思い出すだけで手先が震えてしまっていた。


(あれ? 我、ひょっとして緊張してる?)


「いらっしゃい。何行くの?」


 お店に到着した。カウンターは狭いが後ろには大量の在庫を抱えたような店構えだった。


 というか在庫ばかりで足の踏み場がないため我は外で待機である。


 ややあって、アリスが木箱を抱えて店を出てきた。


「お待たせ〜、持って下さい!


あ、動かないで。」


 ギルドへ戻るのかなと動き出したところを制された。


「アリスよ。何をしておるのだ?」


 クエスト準備も整ったと思ってたがどうやら何かあるらしい。


「動かないで下さい。今フラフォンさんに取り付けてますので。」


 アリスはそう言いながら我の腰付近でちょろちょろ動きだした。


「何をだ? 腰に手を回して何つけるというのだ。」


「はい! 終わりました。モネが宿も取ってくれてると思いますので一旦ギルドに向かいましょう。」


 終わったらしいので腰に目をやるとベルトでポーチなどがついた物を装備させられていた。


 中からはジャラジャラ音が鳴っている。


 色々終わったら聞いてみよう。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 モネさんが3日間だけギルド内にある宿を借りていてくれていた。


「3日ですからその後に住む場所はおいおい考えるとしてひとまず腰を下ろしましょう。」


 我は木箱の整理をその間に始める。


「まず行き先は3つ、南部の湿地、後は南西部、ちょうどアスタさんたちと出会った場所付近ですわね。


それと北東部の山岳地帯の渓流にいるそうですわ。


お姉さま、どれにします?」


 モネの報告が終わった。


 木箱の中には依頼用の空き瓶が予備も含め3ダース、手帳、ペン、図鑑、ロープ、杭、スコップ付きの片手用ツルハシ、ヘッドライト、ポーション瓶らしきものが3本入っていた。


 空き瓶以外我の物らしいので一通り持っていくことにした。


 ヘッドライトとポーションはポーチの中へ、手帳にペンを挟み本と合わせつるはしや杭と共にロープで縛り上げておいた。


「…………らしいわ。護衛として連れていくにしても戦闘ない方がいいからやはり南西方面ね。」


 整理している間に話は終わったみたいである。


「俺も準備は万端である。」


 姉妹が息ぴったしで振り向いた途端笑い出した。


「うわぁ。ださい。」


「くすっ。後でリュックを買ってあげないとね。」


 どうやら格好がついてないらしい。


「というか我を子供扱いしてはいないか?」


「「 いいえ 」」


 即答だった。


「まぁいい。早く行こうぞ!」


 こうして初クエスト前の準備が整うのであった。

面白いと錯覚を起こされたり次話気になる症候群に陥った方は↓下にある☆☆☆☆☆を適当にタップして下さい贅沢は言いませんのでタップだけでも是非。


まぁこの話は3人組の押すなよと同じですよね。


今週もお勤めご苦労様でした。

(( _ _ ))..zzzZZ

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