2話 我のステータスを公表しよう
本日3話目、明日以降は1、2話を毎日投稿していきます。
おっさんは今後も登場予定
さぁ明日以降も頑張るぞ!( *`ω´)
逃げ込んだ街でとりあえず冒険者登録をすることになった我輩は受付嬢の説明を聞き耽っていた。
「登録料は魔族の人達からは依頼料から完済するまで一定額、天引きされます。
この大陸の貨幣がない魔族さんがほとんどなのでそういう制度になってます。
冒険者登録地こそ明記されるものの活動拠点にするギルドは大陸中のどこであれ自由となります。
冒険者にはランクが割り振られており仮入会の木階級、本入会手続き後が実質最低ランクとなりこちらから順に鉄階級、銅階級、銀階級、金階級、魔銀階級、神金階級の6階級が存在いたします。
昇級条件は階級毎に細かいので追々訊ねて下さい。
基本的には木階級がクエスト受注をすることはできないので銅以上の冒険者に同行という形で報告書、身体能力や魔力等の測定結果を基に昇級が認められ始めて本入会が可能となります。
仮入会での手数料は10万ドレス、大金貨1枚相当になりますね。
本入会は手数料ないのでこれ以上要求されることはないです。
ではこちらで測定しますので付いてきて下さい。」
受付嬢はそう言うとカウンターより出てきて二階へと向かう階段を登って行ったため後に続いた。
「検査師が待機しておりますのでどうぞ中へ!」
我の魔眼でつい中を透視すると中には水晶の前でぐーたらしてるおっさんが見えてしまった。
「う、うむ。」
中へ入るとおっさんが慌てて飛び上がり挨拶をしてきた。
「儂は測定師を務めておるサーガストじゃ!
決して寝てはおらぬぞ! そう! 探し物をしておったのじゃ! 探し物を!」
振り返ると受付嬢は呆れていた。
「サーガストさん! 昼間から酒は禁止って言ってるじゃないですか!
さっさと測定お願いしますよ!」
サーガストと名乗るおっさんは眼鏡を掛け出して水晶の後ろへと座り込んだ。
「あんた聖人か」
ボソっと我が知る職業を口走ると真面目モードに入りかけてたおっさんの目がきょとんと変わった。
「お主、魔族も魔族で古いの。もしやどこぞの王でもやっておった口かの?」
我はサーガストの勘の良さに気がつき不敵な笑みを浮かべて挑発することにした。
「調べてみるが良い! お主にそんな力があるならな!」
サーガストの前に座り込み測定が始まる。
「この世の理を司る偉大なる精霊王よ。
その理にてこの者の真なる能力を暴き示したもう。
測定魔法・精霊王の秤」
サーガストの持つ杖先が光だしその光が水晶へと溶け込んでいく。
(ふむ。例え100何年経とうともこれは変わらぬのだな。
いつ見ても良いものだな。)
魔族にとっては珍しいものでありプルソンにとっては懐かしいそれを眺め彼は感嘆していた。
「おし終わったぞ。さぁ水晶よ光だせ〜」
サーガストがお気楽な戯言を吐いた後水晶から光が解き放たれた。
*フランツ・フォン・プルソン
・魔族階級:王
・特殊技能
探究の魔眼:透視、探知、危険予知、魔感知
探究の頭脳:並列思考、高速演算
記憶の書庫:精密記憶
・称号
竜殺し(ドラゴンキラー)
龍殺し(ドラゴンスレイヤー)
魔王の威厳
魔王殺し(デウススレイヤー)
魔族殺し(デモンズキラー)
・基礎ステータス
体力150050
魔力753
武脳37564
技能100
頭脳 特殊技能関与の為、数値化不可
・技術
知覚拡張、超集中、詠唱破棄、魔力増強、魔ゾーン、洗練感覚、再生力、寝溜め、全武器制覇、柔軟、劇物耐性
以上が光によって映し出されたのであった。
不味い、非常に不味い
空気は静まりかえりというか受付嬢もサーガストも絶句中である。
「ま、ま、魔王!?あのプルソンかね。
暗殺が実行されると噂されてたあの魔王……。お主逃げられたのならなぜ隠れんのだ。」
「プルソンさん助言しておくわ。冒険者はやめときなさい!足がつくわよ。」
静寂の後に訪れた怒涛の口論が飛んできた。
「知らぬ。いいから冒険者やらせろ! 我も仲間と共に冒険というのをしてみたいのだ!」
こうして2度目の静寂が訪れるのである……。
測定後、我は怒られていた。
「あなた正気ですか!? 馬鹿な事に巻き込まないで下さい! 仮とはいえ登録済ませてしまったのですよ!? せめて帝国の外で冒険者続けて下さい! 書簡渡しますので!
後、何があってもこの街の名は出さないで下さい! 絶対ですよ!?」
怒られたら反省し謝る、少女に教わった事を実践する時が来たようである。
「承知いたしました。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
以後気をつけます。」
こんな具合でいいだろう。多分……。
「ほれあれじゃ北へ向かいなさいな。良くも悪くもドレスティア皇国が阻んでくれよう。
その武能なら足には自信あるじゃろうて。
ドレスティー連邦で活動なさい。な?」
そう言うとサーガストは地図を寄越してくれた。
「では世話になった。我はフラフォンという名で活動するのでよろしく!
今度は帝国潰したらまた来るのでな。んじゃ!」
にこやかに笑みを浮かべて立ち上がった。
「「 それじゃあ……って待てい! 」」
どうやらまた長い説教が続くらしい。解せぬ。
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長々しい2度目の説教の後サキュバスを連れ添い冒険者ギルドから裏路地へと出る。
「な、なんでございましょうか閣下……。」
足がプルプル、生まれた子鹿のように震える2人に話を切り出す。
「等級は?」
すると背の高い方のサキュバスが答える。
「し、シルバーです。」
受付嬢は銅階級以上と言っていたので当たりのようである。
「おぉ、そうかそうかそれはよかった。我に冒険者をさせてくれ! この通り! 引き受けてくれるならドレスティー連邦国とやらに早速向かうから準備をしてくれ。」
「「 ひゃい! 」」
驚異の俊足を見せた後訪れる空気感に違和感を覚える。
「あれ? これじゃない感」
我の虚しい独り言は誰にも聞かれることなく空気へと散っていった。
ややあって2人は大きなバックパックを背負いやってきた。
せっかくなので使い魔を呼ぶことにする。
「グリズーリ、我に呼応しその姿を権限せよ!」
魔法陣形成後多量の瘴気を吐き出し四つん這いでも人並み以上の熊の魔獣が現れた
グリズーリはスネイプと並ぶ我の自慢の使い魔2号である。
「さ、流石、王、あんな歴史書に残る魔獣を使役するなど……。」
どうやら我の使い魔は歴史書に残っているらしい。
なんとも羨ましいことか! と思ったがサキュバス2人組の顔は笑っていた。
否、恐怖しすぎてまるで世紀末のような絶望の様相が込もった笑みである。
「乗るのだ! さぁ早く!」
2人が乗ったのを確認し約1000キロの散歩スタートである。
これがベテラン冒険者2名の街中誘拐事件として騒がれるのはプルソンの知らぬお話であった。
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