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22 我の依頼達成は新たな仲間と生首と共に

 テレサを焚き付けて簡単に付いてきてくれることになった我は2日後、街の外れ、門の前で皆と共にテレサを待っていた。


 出発予定の正午より10分ほど遅くテレサは男を連れてやってきた。


「え、あのその人はどなた?」


 隊長マイク、パーティリーダーに似合わぬたじろぎである。


「俺はアルフレッド・テレサ・ニルヴァー、孤児院出身のテレサの幼なじみだ。


テレサを引き止めるため交渉にきた。」


「ちょっと……。」


 皆がきょとんとする。


「別に俺たちは……なぁ?


成り行きで助けた縁しかありませんので彼女がそう思われているならそれで構いませんよ。」


 我は反対せねばならん。どうしても神官は傍に置いておきたい。


「テレサは俺の1人目の仲間になった。


例え何を提示されようがお断りである。」


 するとアルフレッド君が何やら怒り心頭のようである。


「…………お前までテレサをはぐらかすのか……。


テレサはなこの街の、ファベット州全域の逸材だ。


そう易々と2度も手放してなるものか。」


「ちょっと……。」


 さっきからテレサがちょっとというだけで全く肯定も否定も反論もしない。


 故にあれほど息巻いていたこやつの本心が見えぬ。


「大体お前はなんで他人をそんなにほいほいと信用できるんだ。


疑ってくれ、魔族だぞ? 何されるかわかったものか。」


 アルフレッドは悲痛な嘆きで訴えた。


「うぅ、そ、そうだよね。」


 小娘はどうやら流されやすいタイプの様だ。


 つまり先日は我輩に流されていたということになる。


 我輩の預かり知らぬところでだ。


「魔族だのなんだの関係あるのか?


大体我輩は悪魔、その中でも王の階級の魔王である。


テレサをどうこうなどしようものなら既に実力行使しておるわ。」


 魔族に対するヘイトが少し頭にきていたため思わず正体をバラしてしまった。


「「 え、えぇぇぇぇ!? 」」


 味方からも絶叫が聞こえてくる。


「え、ひょっとしてプルソン様ですか?」


 今まで流されるだけだったテレサの反応が変わった。


 にしても様付けとは大層なこった。


「あぁ、内緒で頼むぞ。」


 人差し指を唇に当てウィンクしてみた。


 確かこんなふうにすると可愛げが出るのではとメイに言われたことがある。


 あやつの許婚の影響だろうが。


「「……。」」


 周りはもはや絶句である。無論テレサを除いて……。


「ってことはアルメダ様ご存知、というかあったことおありですわね!?


教えて下さいどのような方ですか!?」


 か弱そうな小動物が一変、猫科のような執拗な肉食動物を彷彿とさせた。


「どのようなって血気盛ん、お嬢様口調で魔術にも秀でた神官であったな。


あやつは特殊であった。


確かブエルを力で従えさせて魔術を手に入れたとか()かしておったな。


いやぁ実に愉快なやつであったよ。」


 我輩は戦で運悪く朽ちていった攻撃的神官を思い出してそう語った。


「ともかくテレサ、お前は残れ!


これはお前のために言ってるんだ。


大体この前もあの山で襲われて逃げ惑っていたんだろ


お前は冒険者の器じゃい、アルメダ様のようにはいかないんだ。


聞いているのかテレサ・アルメダ・ニルヴァー」


 もう我輩はテレサの心配などしてはなかった。


 こやつの本心はこちら側である。


「さて、テレサはこちら側みたいだぞ?


まぁ、我輩の意はさておきテレサの硬い意志を無視してでも引き止めるというならそうすれば良い。」


「ぐっ……。」


 テレサは幼なじみ、家族のような存在がジレンマによって苦しむ様に狼狽始めた。


「あー、あー、なんだそれならさアルフレッドも連れてきゃいいんだよな?」


 ジーミー、ここにきてナイスな提案である。


「おぉアルフレッド自ら我輩がテレサに手を出さぬか監視させる方法であるな。


うむそうしよう。ではいくぞアルフレッドよ。」


「え、あ、ちょっと、鍛冶屋での修行があってなっておい! 聞いてるのか!」


 我輩の邪魔しようとしたやつの言うことなぞ聞いてやらぬわ。


 こうして2人目の仲間?が新たに加わったのである。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 3日後、我輩たちはゾーゾーへと帰還した。


 まずは護衛依頼達成の報告である。


「…………以上です。」


 書簡と共に依頼内容を無事達成した旨を伝えた。


 無論キメラ悪魔の一件も交えてである。


「それは本当ですか?」


 受付嬢は半信半疑である。


「ほれ首だけは無事だったのでな。


胴だけが大きく爆烈したからないがこの異様な頭だけでも本当だということがわかってくれると思う。」


 我はマイクの報告に半信半疑だった受付嬢を生首1つで黙らせた。


 まぁ左右で角が異なっており右がヤギの角で左が牛の角の時点で異質なのに馬のようなラバのような顔立ちに狼を思わせるピンっと立った耳、目が左は馬のような優しい目なのに対して右は肉食獣と思しき瞳孔、どこをどうみてもキメラでしかなかった。


「あ、後現地で土石流が発生、生態系含めた新たな調査をすべきだと思いますのでご報告だけ。」


 マイクがそう付け加え無事報告完了である。


 受付嬢は書簡を目に通している。


「え、あのガナル商人がこの評価……。


雪でも、いや槍でも降るんじゃ……。」


 受付嬢のわけのわからぬ戯言を吐きながら報酬を手渡すのであった。

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