1話 我は冒険者ギルドに逃げ込み魔族の現況を知る
一章 我、冒険者になってみる の幕開けです!
ちなみにここはまだ帝国国内です。
さぁどんどん書きます( *`ω´)
我が帝都を追われて半日が経った頃、帝都より100キロほど南に位置する街へと到着した。
道中、盗賊に襲われていた馬車を助けて布などを盗賊から剥ぎ取った。
我は目立つため街へ入る際には継ぎ接ぎされた大きな布で目元以外の全身を隠している。
街の衛兵に盗賊を書簡と共に引き渡した後、我は冒険者ギルドへと訪れていた。
(なるほど大陸の国は今や四国のみになってギルドもその4つで共同で管理しておるのか。)
情報と仲間が欲しかったがためになんとなくとはいえ立ち寄って正解だった。
我は必ずや血も流さずに帝国をズタズタに崩壊させてやると決めておるからな。
魔族領に帰りたいのは山々だが情報を集めねばなるまい。
我は冒険者ギルド内で集められる情報は集め終えたためカウンターへと向かった。
「我は……、俺はフラフォンというものだ。冒険者登録がしたい。」
危うく我輩と言いかけ訂正、危ない危ない、一人称はその人の人格を物語るとも言う、気をつけねばなるまい。
「登録ですね。魔族さんですかね? こちらへの記入をお願いします。」
どうやら魔族と簡単に看破されたようである。
それと魔族も冒険者になることができることがわかった。
これは何よりの僥倖である。
スラスラスラと約154年ぶりの筆記である。
「これは……旧字体ですね。魔族さんにはよくあることとはいえ、すみません少し解読術者へと回して参ります。」
そう言って受付嬢は奥の部屋へと行ってしまった。
ポツンと残され少し寂し……、いやそんな訳あるまい、我が寂しいなどとは、あれだ! 少し静かになっただけである。
そんな静けさは周囲の視線を盛り上げるのである。
(我輩の異質さに気がつきどよめいておるの。魔族は、階級者はおらぬか。
強いて挙げる強者はあのいかにも浮いておるサキュバスくらいか。解読とか言っておったから長いだろうし話しかけ……げふんげふん、情報収集させてもらおう。)
そう決心し、酒を交わす2人組へと近づいた。
「失礼、俺は今日から冒険者になる者だ。話を伺ってよろしいか?」
振り向くなり2人のサキュバスはギョッとした視線を向ける。
「あっ、あ、が、ひっ、あ、」
我に恐怖し、もはや喘ぎ、言葉になっていない。
「魔族同士の会話をしようと言っておる。今の魔王や魔族の待遇等教えてはくれぬか。」
声を和らげ問う。
「は、はい! 今はバラム陛下ということになっておりますわ!
魔族は神の巫女メイ様のご尽力もあり130年ほど前より人間界で活動できていると記憶しております。」
サキュバスとあろう者共が色気を忘れ震えながらもそう答えた。
「なるほど、今顕現しておる王階級は何人だ。我輩の他に誰がおる。」
ようやく慣れてくれたサキュバス組の2人目が今度は口を開いた。
「我らが主、アスモデウス・マキア様とメイ様と親交が深かったバアル閣下、冒険者ギルドの英雄と名を轟かせたザガン閣下、後は……ベリアル閣下でございます。」
最後、言葉が詰まった時点で察していた。
「はぁあやつまだおったのか。しかしバアルは無事顕現できたのだな。良かった良かった。」
仲の悪いのが2人、仲の良いのが1人、どちらでもないのが2人ということがわかった。
そうこうサキュバスとの話に華を咲かせていると受付から呼び出しをくらう。
「ではな若いサキュバス達よ。あぁ後1つだけ……。我ってそんなに怖い?」
去り際にボソっと質問すると相対しているのが誰か思い出したかの如く首が引きちぎれそうなくらい縦に振っているのには思わず笑いそうになってしまった。
時代に取り残されていることだけは自覚できた。
ゆったりとした歩幅でカウンターへと再度向かうのであった。
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