入学
試験終了後、合格者が集まっている部屋でクラス分けの説明が行われた。どうやらクラス分けには種類が2つあるようで、ひとつは合格すると入ることができる通常のクラス、通常クラスはA~Cまで各40人ずつ。
もうひとつは他の合格者と比べて、あきらかに特出している合格者を入れるSクラスがあるらしい。Sクラスは20人で1クラスのみらしい。アルナとリルはSクラスのほうに入る事が出来た。
各クラスでの授業などは明日かららしく、今日は各自の寮の部屋でゆっくりやすむようにと解散された。
寮の鍵を渡され、寮の前まできた、寮は一人一部屋のようで、校舎と寮は近く、すぐに行き来できる距離だ。自分の部屋に入ると、ベッドやテレビ、シャワールームもあり快適そうな部屋である。一先ず、今日は休もうとベッドに倒れこんだ瞬間
「コンッコンッ」
アルナの部屋をノックする音が聞こえる、タイミング的には嫌なタイミングだった…が無視するわけにもいかないので、すぐにドアの方に向かい開ける。
「こんばんはっ!隣の部屋だから挨拶に来たわよ……ってアルじゃないの」
ドアの前にいたのは、リルだった。まさかの隣同士だったのだ。
「アルが隣なのね良かったわ、じゃあ私は反対側の人にも挨拶してくるからっ!」
そう言ってとっとと行ってしまう。
「こんばんはっ!隣の部屋だから挨拶に来たわよ、私はリル・シルビア……」
全く同じ挨拶をしているし……なんとも元気でいいことだ。扉を閉め、ベッドに横たわり、目をつむる。すぅっと意識が遠くなり、アルナは静かに眠りについた。
翌朝、アルナは扉の開く音で目を覚ました。
「アル、起きなさい、学校に行くわよ!」
まさかこんな形で目を覚ますことになるとは……そんなことを考えながら、学校へ行く準備をする。
学校に行くまでの少しの道のりを、リルと他愛もない話をしながら向かう。どんな授業があるのかなど、そんな話だ。
学校につき、自分のクラスへ向かう。通常クラスの前を通りすぎ、Sクラスのほうへ入る。席は決まっていないので、好きな席につく。あたり前のように、隣にはリルが座った。
ふと、隣から声をかけられた。
「あ、昨日すごかった人だ」
そこには、青い髪の癒し顔の女の子がいた。
「あ、ミリアじゃないの、Sクラスだったのね」
「リルが、自己紹介したあと、すぐ行っちゃうから、分からないんだよ?」
どうやら、昨日の夜に自己紹介を済ましていたらしい。じゃあ、俺とも部屋が近いのだろうか?
「うん、アルナ君の隣だよ!」とのことだ
「悪かったな、挨拶もしないで、俺のことはアルナでもアルでもいいよ」
「アルナ…アル…うん、アル君って呼ぶよ!私はミリア=ヘルミーネ、私のことはミリアでいいからね」
リルから自己紹介は終わったかしら?などと、からかわれていた所で、部屋に女性の先生がやって来た。
「Sクラス育成担当の、エミーナだよろしく。みんなも知っているだろうが、この世界には魔獣を生み出すものと魔獣がいるな?その魔獣を倒せるようになってもらいたい。できれば生み出すものの方もだが。簡単なことではないと思うが、Sクラスのみんななら、頑張り次第ではそのステージまで行けると思っている。よってそのステージをめざし鍛練や授業をしていくぞ」
その日は、魔獣についての説明を一通りしてもらった。
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