魔法試験
「人数は320人になりました、次に魔法試験に移ります。」
この試験では、5人の試験官の内3人以上丸をもらえると合格となるらしい。内容は向こうに見える的を魔法を使い破壊するというシンプルなもの。魔法試験なので、届かず的が壊せなかったからといって即不合格ということにはならないとのことだ。威力や精度など魔法のあらゆる点を見るらしい。
「では、戦闘能力試験を合格の10番の方からです。」
すると青年が前にでてきた。その青年は手を前にかざすと「炎よ我が手に集い的を射よ、炎矢」手から炎を纏った矢が勢いよく飛び出した……がに見えたがすぐに失速し、消えてしまった。距離でいえば的に届く半分の長さ……25mくらいか、丸は1つしか上がらなかった、丸が1つ上がっていることが驚きだ。
その後は的に届いても壊すことができないなどあったが、合格している者もいた。しっかりと的を壊す者は少なく、的にさえ届かない者も多かった。
「続いて153番」
前にでてきたのは、先ほど街でぶつかったあの女の子だった。「炎よ我が手に集い的を射よ、炎矢」
一番最初の人と同じ魔法だが…威力が桁違いだ。ゴォッと勢いよく出てきた炎を纏いし矢は一直線に進み的を壊した。
「お~」
「すげっ」
周囲から驚きの声や歓声が聞こえる。丸は5つすべて上がっている。
「153番合格」
実力はあるみたいだ、そんな事を思っていると、
「201番」
しっかりとした声でアルナの番号が呼ばれ、前に出ていく。
右手を前にだし…かまえる。今までの受験者を見る感じだと少し手加減したほうがいいだろう
「ハッ」
炎の玉が勢いよく出て、的を焼き尽くす。少し大きかったため、周りの2つの的も巻き込んで焼き尽くした。試験官のほうを見てみると……丸が1つも上がっていない、そんなバカなっ!今までの感じから、これで合格できないはずがない…いや、様子がおかしい、試験官も周りの人たちもビックリして止まってしまっている。
すると、試験官も試験ということを思い出したかのように一斉に5つの丸が上がる
「にっ、201番合格」
無事合格することができ、奥の部屋に通されるとすでに合格した人達が何人かいた。
「ちょっと、あなたさっきぶつかった人よね?」
ふと声がした方を見ると、あの女の子がいた。
「まさか、あなたも試験に来てるとは思わなかったわ!それよりもさっきのは何よ?無詠唱だったし、威力もおかしいわよ!!」
すごい勢いで否定される(笑)、どんなに言っても納得してくれない。
……少したってから
「まぁ、いいわ、あなた不思議でおもしろいわね、名前は?私はリル・シルビアよ」
「俺はアルナだ」
「じゃあ、アルね、私はリルでいいわ、合格した者同士、よろしくね」
「ああ、よろしく」
……一つの部屋に合格者が集まった。学長が出てきて話が始まった。「まずは合格おめでとう、今回合格者は140人、クラス分けは後ほど伝えます。合格がゴールではありません、ここからはさらに厳しいので覚悟しておくように」
「これにて、パルデミア養成学校、試験全日程を終了します!」
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