戦闘試験
大きな扉の前についた。銀色の甲冑に身を包んだ二人の男がいる。
「用件は?」
低い声でそう聞いてくる。
「試験を受けに来ました」
「これを持って入れ」
紙切れを渡され広場の方へ通されていった。
中にはすでに人がたくさんいる。もらった紙切れには201と書いてあるので受験番号だろう。ということは200人はすでにいることになる。まだまだやって来るはずだ、それを証明するかのように、門からは次々に人が入ってきている。
……三十分くらいたっただろうか、門が閉じられ人が奥の建物から出てきた。
「みなさん初めまして。私はここの学長、リンディールです。今日はよく集まってくれました。この学校に入ることができたら、たくさんの事を学び習得することが出来るでしょう。日頃の努力を活かし、合格目指して頑張って下さい。それでは……」
リンディールと名乗った女は、簡単な挨拶を済まして、奥へと消えていった。
次は試験官らしき人が数人出てきた。
「それでは、試験を始めていきます。今回、試験人数は1182人です。まずは、戦闘能力を試験します。戦闘能力試験では、こちらで準備した模擬ロボットと戦ってもらいます。促進のみ使ってもらってもかまいません。では、1番から順番にこちらに来てください。」
「はいっ!」
元気よく一人の青年が前へと出てきた。
「ロボットの破壊又は戦闘不能状態になるば試験通過です、逆に戦闘不能にさせられた場合、降参などが不合格条件となります、それでは、開始!」
合図と共に青年が走り出し、ロボットに接近する…拳が当たる瞬間に繰り出した拳は空を切った。ロボットが高速で動き出したため、当たらなかったのだ。高速で動いたロボットはその勢いを使って青年に体当たりした、超高速のスピードを攻撃に上乗せしているからか、青年は大きく飛び、そのまま地面で気絶してしまった。
「1番、戦闘続行不可能と判断し、不合格!」
しばらくたった、これだけ人数がいれば仕方ないだろうが、なかなか自分の番が来ない。ロボットは飛行型で人の頭程度の大きさで、見た所素早い。ロボットに勝てた場合、この試験を通過できるようだ。促進と呼ばれているものが、ゴブリンやアルナが使って来たあの魔法のようだ。
「201番の方」
アルナが呼ばれた。
スタート位置につき、ロボットと向かい合う。
「それでは、開始!」
合図と共にロボットが高速で移動し飛び回る、アルナもすぐに足と手に促進をかけ、高速でロボットに接近し…強化した手で素早く破壊した。
「…っ!に、201番ロボットの破壊を確認、通過」
審判の人が、声を少し詰まらせながら、アルナの通過を告げた。
戦闘能力試験合格者が集まる部屋に通された。部屋には30人くらいいる、しかし、あの人数だこの部屋だけとは限らないので、戦闘能力試験が終わるまでは通過者が何人かは分からないだろう。しばらく待って、ようやく戦闘能力試験は終了した。
戦闘能力試験合格者は320人
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