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修行と遭遇

しばらくたって、マラガミの森に足を踏み入れた。


一歩入った所で、ひんやりとした空気がみにまとい、薄気味悪くなる。そのまま奥の方へ進んで行くと少しだけ開けた場所にでた、そこで身体能力などを試すことにした。



その場で思いっきりジャンプをしてみる、すると目の前の光景が一瞬にして変わった。いや、俺が想像よりも高く飛びすぎてしまったのだ。前の世界では考えられない跳躍力だ。


次に木から木まで少し距離がある所を全力で走ってみた。あっというまに、端まで走りきってしまう。自分でも驚く程の身体能力になっていた。


次に魔法を試そうと思ったが、打ち方を知ってるわけではない…どうしたものか。ということでとりあえずは、自分の思ったようにやってみることにした。


手を前にかざし、頭の中で炎の玉が出るイメージをする、だんだんと手の平が熱くなっていくのを感じた所で、


「はっ!」と力を込める。するとどうだろう、まさに頭の中でイメージした炎の玉がぐわっと出て、辺りに生えていた木の一本をいともたやすく燃やし尽くしてしまった。


「……でた」そんなことを言っていながらも、前の世界では()()()()魔法というものに、内心ではなにか熱いものが込み上げてくる。これは強化のしがいがある。少年のように心を踊らせてしまう。


試験に合格するために、修行は必須だろう、しかしどの程度まで鍛えるべきなのか、また、修行といっても何をするべきなのか?よく分かっていないため、ひとまずはそれを考えることにした。といっても身体強化とたくさんの魔法を考え、なるべくたくさん放つといったような事しか今は思い付かないが、それでもやったほうがマシだろう。そのうち、他の方法も思い付くだろう。そんなことを思っていた矢先、後ろの方に何かの気配を感じた。


すぐに振り向くと木のかげからモンスターが現れた。これは……おそらくゴブリンだと思う。前の世界でのイメージとほぼ同じだ。緑色の体に、魔女のような鼻、ぐっと尖った耳があり、片手には棍棒を持っている。そんな観察をしている内に、ゴブリンは棍棒を振り上げ、こちらに走ってきた。


「ガァゥー!」そんなに早い攻撃ではないので、アルナは後ろに3歩ほど飛び、ひらりと攻撃をかわした。ゴブリンは顔色一つ変えず、棍棒をアルナめがけて振りかざしてくるため、全てかわしていく。


かわしながら観察を続けて分かったことは、このゴブリンはガゥーやガーなどしか喋らず、言葉を話すことはない。そして、物理攻撃ばかりで魔法を使ってくる気配はない………と思っていた瞬間、ゴブリンは急に攻撃を止め、棍棒を肩に担ぎ、じっとした。


すると、棍棒の先と足元がほんのり赤く光りだした。おそらく力をためるか、技を出すといったところだろう。さすがにこの攻撃をくらうのはまずいかと思った時、ゴブリンがこちらをキッとにらみ目が合う。次の瞬間ゴブリンは一瞬でアルナまでの距離を詰め目の前に現れる、あまりに急だったため、後ろに下がりきれずアルナはよろめく、その一瞬を見逃さないかのように、ゴブリンは棍棒を横から振り抜く、振り抜いた棍棒はアルナに直撃した。


棍棒を担いだのは、棍棒の力を上げるため、足元の発光はスピードを強化していたのだろう。ドガッと鈍い音と共にクリーンヒットし、後ろにぶっ飛ぶ。派手にぶっ飛ばされ、木を数本なぎ倒しながら倒れる。普通なら即死レベルだろう。しかし、痛みを感じない。どうやら体も丈夫になっているみたいだ。「まだ、修行はしていないんだけどなぁ」


一切ダメージを受けていないアルナを見て、初めてゴブリンの目が大きく見開く。アルナに何か嫌な物でも感じたのだろうか、ゴブリンは急いで追撃を仕掛けてくる。アルナは反撃とばかりに「はっ!」と先ほど放ってみた炎の魔法を打ち込んだ。追撃にしか目がいっていなかったゴブリンは目の前に迫る炎の火球に反応出来なかった。炎の魔法はゴブリンに当たり悲鳴と共に全て焼き尽くしてしまった。


初めての戦闘は問題なく勝利することができた。しかし、完全勝利とまでは言えないだろう、攻撃ももらったしまった。この後も何回か出くわし戦っていたが、初めのやつのように、魔法を使うゴブリンは現れなかったので、それなりに上位種のゴブリンだったのかもしれない。そんなことを思いながら、アルナは眠りについた。

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