開戦
城の周りでは、魔物や魔獣と戦う生徒達と先生方の姿がある。全体的な戦いの構成はこうなっている。普通の魔獣や魔物に対してはAクラスが対応、覚魔化した魔獣には先生方と
Sクラスの生徒数人で対応、そして唯一喋ることができる魔獣と相対してるのはシム・アーガスだ。対戦トーナメントでリルに破れた男だ。今この魔獣に対して、シムは一人で戦っている。それは本人の強い要望によってだ。
対戦トーナメントに破れてからというもの、思い悩むことが増えた。リルが格上ということは分かっていた、それでもあそこまでの敗北を経験してしまい自分の強さが分からなくなってしまっていたのだ。とにかく、強くなるために勉強をした。
学校が終わると、図書館にこもり魔法を勉強する。部屋に帰ってからは寝る間も惜しんで、詠唱確認などをした。
アルナ、リル、ミリアを除けば、シムはSクラスでも上位の成績、それに加えて努力もしたことにより、魔法の組み合わせ、無詠唱とまではいかないが、魔法詠唱の省略などができるようになった。
この詠唱の省略、そう簡単に身に付けられるものではなく、十分強力なものだ。例えば上位魔法、詠唱省略により下位魔法と勘違いさせられることもできるし、下位魔法と同じくらいの速さで上位魔法が発動できるということだ。
こういった努力が通じる物になったのか、一人で戦うことによって見極めようと思ったのだ。
魔獣はシムを見ながら言葉を発する
「貴様、俺と一人で戦うのか?随分と自信があるんだな」
「自信はないさ……ただ、不甲斐ない自分に渇を入れるんだ!」
シムは魔獣に対して魔法をかける
「根底より出でよ掌握の鎖」
地面から無数の鎖が現れ、魔獣を縛る。
同時にシムは手に促進をかけ魔獣に一撃を加える。しかし、体の表面が硬くダメージがいまいち通らない。
魔獣は鎖を引きちぎってから腕を掴み、シムを勢いよく投げ飛ばす。上手く体勢を立て直し、着地に成功する。
「威力が足りないぜ?そんなので大丈夫か?」
魔獣は明らかな挑発をしてくる。そして、氷の礫と炎の弾幕を同時に飛ばしてくる。
シムは常に体を動かすことにより、これを避ける。
「根底より出でよ掌握の鎖」
地面から無数の鎖が現れ、魔獣を再び縛る。
「おいおい、まったく学んでないじゃねーか。同じことの繰り返しか?」
「違うさ…」
シムは手に促進をまたかける、そして
「放出せよ衝放拳」
拳を振り抜く。
シムの拳から、衝撃波の拳が出て一直線に魔獣へと飛んでいく。
魔獣の体に当たると、体を通り抜け消えていった。
「ぐはっ…」
魔獣へのダメージはしっかりと確認できた。
「体が硬くてダメージが通らないのなら、衝撃波にして体を貫通させればいいわけだ」
「ちっ…結構考えているじゃ…ねーかよ」
魔獣は予想外のダメージに対して苛立っていることが伺える。
「…お遊びは終わりだ」
魔獣が力を込めて手を前に出すと、恐ろしいほどの魔力が集まり、今まさに爆発を起こそうとする。
「くっ、爆発系魔法か!……しかも、また無詠唱かよ!本当にどいつもこいつも、簡単に無詠唱で魔法を打ちやがって。」
次の瞬間、シムの周りを含め広範囲に爆発が起きる。高威力の爆発により辺りは砂煙で包まれる。
「なかなかの威力だろ?くたばっちまったか?」
と魔獣がつぶやいたとき、砂煙の中から一本の閃光が飛び出して魔獣の右目を貫いた。
「ぐはっ!………この…野………郎----」
砂煙に人影が見え、現れたのはもちろんシムだ。
「どうだ?俺の流閃弓のお味は?」
「なにをしやがった…?」
「俺も努力してるんだよ…説明してやる
まずお前が爆発魔法を放った時に俺の周りに、無効化魔法をかけたんだ。周りのみにかけるだけなら、俺でもできたからな。その後、砂煙の中でお前を見つけるために狙視でお前の位置を把握したんだ。スピードが大事だから、上位魔法は間に合わないそこで生成魔法で矢を作って、風魔法で軌道を作ってお前に放ったんだ。見事にお前の目を貫いたな」
「そういうことだったのか、ご説明ありがとうよ。所で気づいているか?お前がご丁寧に説明している間に、ほらお前のその左手、起爆魔法を仕掛けさせてもらったぞ?」
「なにっ、しまっt」
「起爆」
起爆の呪文と同時にシムの左手が爆散した。完全に油断した、いままでの俺では対処しきれなかった状況を看破したことから得意になっていた。
「これで似たようなもんだな、続きをやろうぜ?」
魔獣が動き出す前にシムは隠煙で再び辺りを見えなくした。そして
「吸着し準備せよ爆撃散」
呪文とともに小さな玉状の粒が魔獣へと飛んでいく。先ほど魔獣が使った魔法と全く同じではないかもしれないが、ほぼほぼ同じようなものだと思う。周りが見えなくなる前に狙いを定めていたので、つぶした右目の死角から右腕に設置する。
「おいおい周りを見えなくしたところで、お前のまねをすれば場所が分かるぞ?」
魔獣は狙視でシムの位置を把握する。
「見つけたぞ、ん?何か準備しているな、俺の目をつぶした攻撃か?分かればくらわねーよ。これでもくらって死にやがr」
「物まねはお前だけじゃないぞ。起爆」
呪文と同時に魔獣の右手が爆散した。
「っ!?てめー、このぐらいなら攻撃を避けるぐらいはできるぞ。終わったと思うなよ」
爆散した自分の右手の痛みをこらえながら、シムは最後の呪文を唱える
「どうかな?解放せよ限越瞬弓」
轟音と共に凄まじいスピードの閃光が奔る。
「なんだその威力とスピードは、そんなのよけられn」
最後まで喋ることなく、魔獣の腹部辺りを轟音と共に貫いた。
魔獣は絶命し倒れた。右手の痛みに耐えながらもシムは魔獣との戦いに勝利した。
あの時、シムが何をやっていたかというと、まず生成魔法で矢を作りそこに促進を何重にもかけた、アルナがやっていた通常不可能といわれるものだ。アルナと違う所は、自分自身の体にかけるのではなく、無機物にかけた点だ。無機物であれば仮に暴走したとしても、被害は自分に跳ね返りにくく、リスクが少ないからだ。
戦いが終わり周りを見渡すと、他の戦闘も終了して治療に回っている。先生がシムに近より右手の治療を開始した。全員の治療が大体終了した後、城へと向かうことになった。
シムは自分の努力が無駄ではなかったと感じながら、治療が終わるのを静かに待った。
アルナ達を攻撃しようとするグリオンの攻撃をリンディール学長が防ぐことによって、なんとか先に行かせることができた。魔力障壁を何重にも張り巡らせて、やっと数秒の時間を取ることができた。それほどまでに強力な砲口攻撃であった。グリオンは、攻撃を止められアルナ達を攻撃できなかったことで、矛先を完全にリンディールに向けた。
リンディールは攻撃魔法を打ち込むが、普通に打ち込むだけでは傷一つ付かない。そこで、攻撃方法を変えた。威力をために溜めて攻撃をする。溜めている間は、とにかくグリオンの攻撃を避けることに専念する。何度か危ない場面があるが、攻撃を溜めることに成功し、そして
「雷光重線」
グリオンの前足辺りの横腹から、体を貫いた。グリオンは予想外の攻撃に叫びをあげる。リンディールは、次の攻撃の準備に入り再び力を溜める。その間にグリオンの攻撃は痛みからなのか、頻度が増すが落ち着きを取り戻して行く。リンディールの力が溜まり終わり攻撃を打とうとするが、グリオンの傷はほとんどと言っていいほど回復してしまっていた。
一先ずは溜めた攻撃を打ち込み次を考えようと、打ち込む…がグリオンは攻撃に当たるのを無視し、反撃を仕掛けてきた。
雷光重線とすれ違うように、光線状の砲口を合わせてくる。グリオンの頬辺りに技が貫通するが、砲口は飛んで来る。こちらも大技を打ち込んだ後…避けることは……できない。
砲口が右手を直撃する。リンディールの右手は本来あるべき場所から分離され、砲口と共に消し炭となる。右手がなくなった痛みからリンディールの動きが止まる、その隙で次は左足も砲口により、持っていかれる。右手と左足がなくなってしまったリンディールは身動きがとれない。グリオンによるトドメの砲口がリンディールへと向けられ……上半身すべてが消し飛ばされ、下半身のみが立っている、やがて力を失った下半身がドサッと倒れ、動かなくなった。
グリオンは主の命令を一つ完了し、アルナ達の向かった扉へ向かおうと動き出すが、死んだはずのリンディールが上から姿を表す、影の模倣者によりグリオンを欺いていたのだ。下にいるグリオンに攻撃を打ち込もうとする…グリオンの顔がギュっと上を向く、
「…バレている……」
グリオンは大きく口を開け、今度はリンディールの体全てを砲口が包み込む。直撃という他ないだろう、一部分も残らないくらいきれいに当たる。リンディールの体は消し飛んだ。
次こそグリオンは扉へと向かうために、扉の方を向く……視界の端に写ったのは今消し飛ばしたはずのリンディールだった。
「さすがに気づきませんでしたか?」
グリオンの右側に現れたリンディールは雷光重線を打ち込む…リンディールは幻影を二重にかけ、かつ自分の魔力量を最小限に下げ、気配を消していたのだ。さすがに、気づくことが出来なかったグリオンはリンディールの攻撃をまともに食らう。右頬あたりから攻撃が貫き、風穴が空いた。グリオンは叫びを上げる
「どうしました?傷が回復しないから焦ってるのですか?」
リンディールは雷光重線に自然治癒阻害魔法を付与していた…実際効果があるのかは分からなかったが、傷が回復していないことから、有効な手段だと判断する。
リンディールは周りを移動しながら、どんどん同じ魔法を発動し、風穴を開けていく。グリオンの方はというと、あれから攻撃を静かに喰らいつづけている。
…嫌な予感がする、攻撃の頻度を上げようとした時、グリオンに空いていた風穴が次々と塞がる。(反)阻害魔法を構築された…。通常、阻害魔法を阻害するには相手の魔法を解析、理解した上で構築する。そんな知能まではないと考えていた。それも、こんな短時間で出来るものではない!
グリオンの攻撃が再び始まる、必死に避けながら打つ手を考える。こうなってくるとグリオンがまるまる消し飛ぶほどの大規模かつためる時間のない技一撃で倒すしかないが、そんなもの………
そうか!あれなら……
リンディールの思い付いた技は、自分自身を魔力源として消費し、大魔法を即座に放つ方法だった…しかし、自分自身を魔力源にする者などいない。
たいてい、死に直結するから…。
グリオンの技を避けつつ、正面に周り一点に集めた光魔法を放つ。
「グガーァァ」
声と共に目をつぶる、目眩ましによって姿を見えなくした一瞬の隙にグリオンの体、上側中央辺りに飛び付く。
「これで、最後です!己回魔流 "阻刃爆榴弾"」
リンディールの周りを強い光が一瞬包み込み……超大規模な爆発を起こす、リンディールとグリオンのいた部屋は煙で覆われ、なにも見えない状態になった。やがて、徐々に煙が晴れ、部屋の様子が確認出来るようになる。
そこには、死んだかに思われたリンディールが倒れている。
「うっ……なんとか、生きてたみたいですね」
死に直結する自身を魔力源にする大技、リンディールは爆発と同時に爆発無効魔法膜を作り、爆発の威力で消えるたびに膜を再構築することを繰り返していたのだ。最初に爆発無効魔法膜を張るタイミング、繰り返し張り続ける集中力、いろいろなものをか完璧に行うことで、爆発のスピードにギリギリ間に合って生きることが出来たのだ、一つでも狂っていたら……死んでいただろう。
これまでの経験がある、リンディールだからこそ出来た芸当だった。
グリオンの姿はどこにも見当たらなかった。完全に消し飛ばすことが出来たのだ。体自身を媒体にするため、超高速で発動できる魔法だったので、グリオンも対策が間に合わなかったのだろう。
「この状態ではルシファーの元へ行っても、足手まといですね。アルナ、リル、ミリア…なんとかルシファーを倒してください。もう、あなた達だけがルシファーを倒しうることができる存在です……」
そこでリンディールの意識は途切れた…
城の最上階では、これからの運命を握る最後の戦いが始まっていた。
リルとミリアが同時に先制攻撃を仕掛ける…どちらも質の高い良い攻撃だが…
「ん~、あなた達お二人の攻撃は、無視して良さそうですね~いい攻撃ですけど私にはダメージ無さそうですから笑」
ルシファーはリルとミリアをターゲットから外した。力の差がここまで…
ルシファーはアルナだけを見る、アルナもルシファーをしっかりと見据える。
ルシファーは翼により空中にいるのが厄介だが……先に動いたのは、アルナだ。炎の弓矢を無数に放つ、俊敏な動きでそれらをかわしていくが、それでもすべては避けることができず、ルシファーの体に突き刺さる。
っ痛!?攻撃を仕掛けたはずのアルナにも弓矢が後ろから突き刺さっている。魔方陣を後ろから発動し、同じ事をアルナに喰らわせたのだ。
一瞬で共にダメージを負う
「やはり、あなたは危険ですね~私に攻撃が通りますよ~」
「お互いにな…」
ルシファーが無数の暗黒魔力弾を空中に作成する…一瞬の静寂から、一気に放たれる。
魔法で自分を何人も複製し、撹乱しながら交わしてゆく…魔力弾は無数に放たれているが、リルとミリアにはひとつも飛んで来ない。攻撃の必要がないほど無視しているのだ…
リルとミリアが魔法攻撃を仕掛ける、効かないと分かっていてもここまで無視されて、黙っているわけにはいかない…が、やはり攻撃は通らず、こちらには一瞥もくれない。
分身が攻撃に当たり、消えていくが、それでも撹乱しながら、その内の一人がルシファーの真横に現れる
「くらえっ!」
威力のある砲口魔法でルシファーの翼を消し飛ばした。
が、回りの魔力吸収により、翼は一瞬で元通りに戻ってしまう…。
そして、ルシファーの目がぐるりとこちらを睨み付け…
「わざと、受けてやったことは分かるか?」
口調が…変わっている
「おまえがいる、そこ、仕掛けてあるぞ?」
空中のこの場所に俺が来ると分かっていて、魔力をギリギリまで見えないように罠を仕掛けてあった。アルナのいる足元が光り…左右からアイアン・メイデンのような形で刃物が閉じてくる。バチンッという音が響き渡る。
ルシファーはすでにその罠からは目を離しており、下の元の位置にいるアルナを見る。
「魔力で偽物を作ったか」
「少しヒヤッとしたがな」
「まさか、あんなにすぐに回復するとはな」
「では、こちらも、すでにご存知だろうとは思うが、力を出させてもらおう」
ルシファーの魔力が一気に膨れ上がる…
これは……覚魔化だ、無駄のない魔力のめぐりだ。一瞬で覚魔化してしまう。
「かなりのパワーアップだな、だがこっちだっておもしろいものはあるぞ!はあぁぁぁぁぁ」
アルナが魔力を練りそして…
「覚魔化」
アルナの魔力が一気に膨れ上がる。アルナの顔には赤い紋様が浮かび上がる。
「魔獣だけができるものかと思ったが、魔力の操作次第だったんだ。要はイメージだ」
「これは…驚いたぞ、楽しめそうだ。クックック」
共に覚魔化状態になった二人が再び戦闘体制に入る。
アルナが雷を打ち込む、それを避けたルシファーがすぐに炎柱をアルナの真上から落とす。後ろへ下がり回避しながら、魔力弾を打ち込もうとする…が出した右手が弾かれる。突如現れた魔方陣から魔法が転送されてきた。左手で魔方陣に干渉し、熱魔法を送り込む。アルナからルシファーへと転送されてきた熱風により翼と皮膚が少しダメージを負う。そのまま追撃を打ち込む…見事命中し煙が覆う。
がその状態から、多段魔方陣が周りに展開されていく。
「まずいっ」
と思った時にはアルナの周りで爆発が起きた、巻き込まれながらも、ビームでルシファーの体に穴を開けた。
一度攻撃の手が共に止んだ。
ルシファーの傷はほぼ治りかけている、もちろん、アルナの方も治癒魔法で爆発のダメージは回復している。
「やはり、貴様は危険だ、私に勝ち得る力を持っている…」
ニヤッとルシファーが笑う
「だから、確実に仕留めるぞ」
次の瞬間、アルナの背中辺りに衝撃がはしる、先ほど吹き飛ばした翼の一部が、後ろからアルナの背中に何かを入れ込んだ…!
「ぐはっ!なん…だこれは、…!?魔…抗石…か…?」
「その通りだ…どうだ魔力が押さえられて自由にできないだろう笑…むっ、動けはするのか、大したものだ、だがその状態でどう戦う?
ここからは一方的なものになるが、許してくれよ笑」
アルナの体に魔抗石が入れられ、魔体祭の時のようになる。覚魔化によって上昇した魔力も一気に落ち込み顔に浮かんだ赤い紋様も消える。
「アル君がやばいよっ!」
「っ!行くわよミリア」
リルとミリアが連続で攻撃を仕掛けていく…がルシファーにはやはり通じない。
「邪魔な小物だ、まぁいい、今はこっちが大切だ」
ルシファーがアルナに攻撃を開始する。ここからは、ルシファーのお楽しみといった感じにさまざまな攻撃を当てていく。
ただの叩きつけだったり、地面を持ち上げ、挟み込んだり、魔法を打ち込まれたりと散々なものだった。やられるがままにアルナは躍らされる。脇からはリルとミリアが必死に攻撃を続けている。
「逃げたりもしないのか?まぁ、無理もないか……むっ?」
アルナが一瞬黒いモヤに包まれ…そこからたくさんのアルナの分身が生まれた。
「抑えられた魔力を練りに練って、分身を作ったか、だがそれでどうなる?」
ルシファーが分身をどんどん消してゆく、少ない魔力で絞り出した分身では、耐久力も少ない。あっという間に消されていき、やがてそこには、またアルナがポツリと残るだけになっていた。
気付けば脇から攻撃していたリルとミリアの攻撃も止んでいる。
「さて、最後の力を振り絞った分身も、何もする前に消されてしまったな笑どうする?ククク」
「いや……よ…いど……だ」
「あ?なんだって笑」
「よていどうりだと言ったんだ! 今だ!!」
アルナの掛け声と共に上空ルシファーの左右にリルとミリアが現れる。
リルの最大魔法
「シルビア流極滅魔法・瞬焔猛炎輝」
ミリアの最大魔法
「ヘルミーネ流極滅魔法・凍迅結氷輝」
超高威力の魔法が左右からルシファーを襲う、ルシファーは両手を広げ受け止める体制に入る。
ルシファーでなければ消し飛ぶ程の高威力魔法だ…
「促進……促進……促進!!」
アルナが二つの魔法に同時に促進を三重がけする。
二人の魔法の威力が跳ね上がる……
「なにっ!厄介な……それになぜ魔法が…」
その言葉を発したあと、ルシファーは二つの魔法に飲み込まれた。
…………………………………
「ぐあー、両手がぶっ飛んだ、この俺の体がぁぁぁー」
「どうだ?お前が眼中になかった二人からの攻撃で、ダメージを負って、キレてるのか??」
ルシファーが上を見ると、魔法を打つ準備の終わったアルナが頭上にいた……
「きさまっ!なぜ魔法が…」
「魔抗石のことかっ?あれはもう対処済みの物だ、全部、魔力が使えない演技だ!!」
「最後に俺の本気を見せてやる、これで終わりだルシファー!!」
「なんだ…その魔力量は…っなんなんだお前は!何者なんだぁぁーーー!!!」
「全魔力解放!神極の滅光・神雷」
「くそっ!くそっ!くそうぅぅ!あの時あの森でお前を倒しておけば!二人の雑魚を最初に消していれば!…お前さえ……お前さえ…いなければぁぁぁァァーーーーーー!!!!!!!」
「[もしも]や[あの時]はないぜ、お前が選んだ道が今だ…」
眩しく光輝く膨大な魔力から放たれた魔法が…ルシファーの叫び声もろとも、飲み込んだ…
毎日投稿です