転生
初心者で書いてみたものです。読んでもらえたら、光栄です。ベタベタな展開にしているつもりです。
コメントやレビューしてもらえるとうれしいです。
…普通の人生
俺によく似合う言葉だと思う、現在1人暮らしの39歳、ごくごく普通のサラリーマンだ。今日も、営業スマイル全開で町を歩いている。信号待ちで立ち止まっていると、脇から子供が飛び出してきた。車が勢いよく子供に迫っている。咄嗟に子供の手を引き戻そうとするが………間に合わない、すぐに走りだし子供を突き飛ばす…はずだったのだか?突き飛ばしたはずの子供がいない!?なんだったんだ今のはと思った瞬間「キキー」というブレーキ音と共にドンッ!!という衝撃音が聞こえた。周りを見ると子供が倒れていた。俺は急いで駆け寄り声をかけるが反応がない…。恐る恐る顔に手を当てると生暖かい血が流れ出していた。そして、車の運転手らしき人が降りてきて何か怒鳴り散らしている。あぁ、これは助からないなと思いながら救急に連絡しようとするとスマホを落としてしまった。それを拾おうとして気づいてしまう。自分の手が透けていることに、次第に意識が遠退く中で思った。(そうかこれが死ぬってことなのか?)
こうして俺の人生は幕を閉じたのだ。
「………………」
……………が……転生準備……始…ます。天賦の才…与…成長…急…付与……付与…転生…を…す。
「うわっーー!」
??
痛みを感じない、どうなってる俺は死んだのか?叫びと同時に見開かれた男の目に眩しい光が飛び込んでくる、だんだんとぼやけていた視界がはっきりとしていき、目の前の光景に驚く。天国や地獄とは…違う、しかし今まで、いやさっきまでの世界とも違う、そして明らかに生きているという実感。
周りを見てみると西洋を思わすような建物がある…
生きているとなると自分の顔がどんなに酷いことになっているか、男はいてもたってもいられなくなり、すぐに近くの店のガラスに自分の顔を写す。
「おいおい、まじかよ」
怪我や傷は見当たらない、さらに見た目はどうみても大学生くらいに若返っている。体つきも若い頃の体に…なんとなく体も軽い気がする。思えば、いつも営業などで体を酷使してきたからな~…と、今はそんなことはどうでもよかった。
自分の顔や体の無事が確認できたら、ここがどこなのかを知ろうとした。そして、通りすがりの人に尋ねる「すみません!ここはどこでしょうか?」と唐突な質問をしてしまう。しまった…これでは完全におかしな人だ!
聞かれた方はというと…少し不思議そうにしてからも、おずおずと質問に答えてくれた。
「ここは軍養成都市パルデミアですよ」そういって女性は歩いていってしまった。通報や大きな声を出されなくて良かった、と男は安堵する。
「軍養成都市パルデミア…」
そう呟いてから、記憶の中で検索をかける、しかし検索結果は出てこない。
俺のいた世界にそんな名前のところはなかったはずだ、いやなかった。ということは、やはりここは元いた世界とは全く別の場所としか考えられない。
「ははっ、本当に違う世界に、異世界に来てしまったらしい」
再び周りを見ると異世界ということをいやというほど痛感させられる。明らかに、元いた世界にはないような場所だからだ。こんな場所に急に来てどうやって生きていけばいいのか。ただ、働いてばかりの人生だったので、良かったのかもしれないとも、思わなくもない。
とりあえず仕事みたいなことを見つけなければ、食べたり飲んだりできず、異世界に来たのにまた死んでしまう。いや、前の世界で俺は死んだのか?車に跳ねられた後どうなったのかわからない……まあ、今となってはどうでもいい!
とりあえずは、軍養成都市パルデミアという街を歩いてみて回る。このパルデミアには、中央にやたら目立つ大きな建物がある。いったい何の建物だろうか?他にも、売店のようなところには見たこともない食べ物……興味をそそられる。とはいってもお金はないので、買うこともできないわけだが…。しばらく歩いていると視界の端に紙があるのが見えた、近づいてみると、レンガ造りの壁にきれいに張り付けてある張り紙だった。
紙の内容はこうだった……「戦闘技術及び魔法を試験し、合格したものには、衣食住保証の上、パルデミアの養成学校に入ってもらう。そこで、様々な事を学び強くなってもらう。詳しい説明は合格したものに後程説明する。場所 パルデミア養成学校 日時 十日後」
十日後、というところにひっかかる。この紙がいつ貼られたものかによって、日にちが変わってしまう。すぐに、近くを通りかかった人に尋ねる、今度は唐突な質問にならないように注意して「あの、すみません、この試験募集の紙っていつから貼られていましたっけ?」
通りかかった男は少し考えてから「いつからって言われると困るが、13日前ぐらいからはあったはずだ」
…………終わってるじゃないか!!
と思ったが話はまだ続く「律儀なもんだよな、毎日、何日後の所だけを変えて張り替えていくんだもんな、だから明日は9日後になってるな、はっはっはっ」そういって男は歩いていった。
ということは、今日から十日後でいいということだ。ふーっと安心する。
改めて、張り紙の内容を見てから思う、合格すれば衣食住がついているなど、今の俺には持ってこいの話だと。
説明を読んで思ったことだが、魔法の試験があるということは、この世界には魔法が存在するらしい。違う世界だということが確定的になってくる。魔法自体を俺が使えるかどうかはまだ分からないが。試験まではまだ日にちもあることが分かったので、自分がどんなことができるかを見極めて、少しでも修行をするべきだ。少し不安だが、モンスターでも出てくるところがあればよいのだが。
町を歩きある店の主人にモンスターの住んでいそうな場所を聞く。
「いらっしゃい、何にする??」
丁寧に断りを入れてから、モンスターのいる場所を尋ねる。
「モンスターのいる場所…ね、変なこと聞くもんだ。この辺りでモンスターと言やぁ、あそこだ、マラガミの森だな!なにする気か知らんが、兄ちゃんあんまり強そうじゃねぇからな、あんまり奥に行くことはおすすめしねぇぞ。強いモンスターがでるらしいからな」
マラガミの森…そこへ向かうことにした。
森に向かう途中でふと思ったが、こっちに来てからの名前がまだない-前の世界での名前を覚えてはいるのだが-こちらの世界で生きていくと決めたので、名前も一新することにした。
…俺は、アルナと名乗ることとし、この世界で生きていく。今日、今から俺、アルナの物語が始まる!!
毎日投稿です。