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自信に満ちた声に、今度は反論できなくなってしまう。
ああ、わたしはもう…。
「愛してるぜ、ゆかり」
甘い声でささやき、近付いてくる唇を黙って受け入れる。
唇を通して、軽い痺れが全身に満ちる。
…やっぱりわたしは、
もう、
彼の虜になってしまっている。
自信家で、プライドが高く、オレ様で、身勝手なこの男を、愛してしまっている。
「覚悟しとけ。オレのしつけは厳しいからな」
「…知っていますよ。あなたのことは、全部、分かっていますから」
わたしは両手を伸ばし、彼の背に腕を回した。
「これから…教えてくださいね? わたしの知らないあなたのことを、全部」
「ああ、オレ色に染めてやるよ」
耳元で囁かれた言葉は、まるで悪魔の囁きのように甘い…。
【END】




