33/40
33
「頼りになる兄的存在です」
わたしがアッサリ言うと、彼は手で目を覆った。
「…やっぱりそう思っているのか」
「ええ。わたしにいろんなことを教えてくれましたし、いろんな世界を教えてくれました。妹のように感じてくださっているなら、嬉しいです」
わたしの今の正直な気持ちを打ち明けた。
以前よりも生きていることが楽しく感じる。これは紛れもなく、彼のおかげだから。
「あの、な。俺はお前のことを、最初は妹のように思っていたさ。13も歳が離れているしな」
「はあ…」
「でも今は、1人の女として見ている」
「えっ?」
彼は切ない眼でわたしを見て、両手を掴んできた。
「だから結婚してほしい」
「へっ? えっと…いきなり過ぎません? わたし、まだ秘書になってから三ヶ月も経っていないんですよ?」
「気付いたのが早かっただけだ。遅かれ早かれ、俺はお前に告白するつもりだったしな」




