22/40
22
「そうか」
「社長はお嫌いですか?」
「俺は普通。コースのデザートぐらいは食える」
中の下ってとこか。
「でもお前が美味そうに食っているのを見てると、食べたくなるな」
「ウエイターを呼びましょうか?」
「そこまでするほどじゃない。お前のを一口くれ」
「どれが良いですか?」
「ショートケーキ」
「はいはい」
わたしはフォークでケーキを切り取り、社長の口元に運んだ。
「はい、どうぞ」
「んっ」
甘い物を食べる38歳、男性…。微妙に可愛いとも思えなくもないかも?
お兄ちゃんに食べさせているようなものだし。
まあ兄はいないけど。




