表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第二話 真夜中の集会



「キリュちゃんッ!」



「僕等の部屋に」




「「来てくれないっ!!?」」




暗闇に突然飛びだしてきた興奮気味の子供の声


目を瞑ってしまえば一人から発せられるようにも聞こえるほど似ている



全く……冒頭から随分元気な子供達だ、そしてその喋り方は止めてほしい


聞き取りにくいし、なんかムカツク、焦らされているみたいだ



まぁそれは何度言ってもなおしてくれなかったのでもう注意する気にもならないが、今は夜の三時半だ、どうして此処に居るんだよ、そしてどうしてこんな時間にご招待して下さるんですか双子さん




この双子にとってはどうでも良いことだろうが、今俺は前サボったテストのお礼に貰った特別課題をやり終え三日ぶりの睡眠を取っている所なのだ




が、今完璧に目が冴えた





俺と取り敢えず溜息を付いて不本意だが少し興味が沸いてしまった双子の部屋の内装を見に行くことにした






連れてこられた昔懐かしい小学生寮、子供だから、なんて意味不明の理由で特別小さい部屋面積になんとか二階を付けたその細長い部屋。その横面積の少なさから普通の寮のドアとドアの間より三十センチほど短い距離


確か一階に三十部屋ほどあったと思うのだが、双子はその中の二十六番目の部屋のドアを空けた



途端に夜なのに地球温暖化など自律神経に問題でも起こるというような問題を全く考えてないらしい双子らしい電気全快の部屋が飛び込んできた


ハッキリ言って予想通り汚い部屋だ、掃除しろ



まぁ……予想通りじゃないモノもあった、というか居たのだが……



「「こんばんはー」」




高校生コンビだ、此奴等もきっと自律性調整障害になる可能性があるぞ、きっと




「どうしてお前等が此処に居るんだ」



「それは僕等と同じ理由だと思うよキリュ」




的確なツッコミありがとう、だが言ってみたいものなのだよ驚きながらもとてもイライラしていると



まぁお前にはわからないだろうがな、あの三日間普段は成績優秀だからという酷い差別で一人だけ同室者も労らずグーグー眠ってたお前には




「怖いってキリュ……、そのことはもう何回も謝ったじゃないか。それに僕だって…「言い訳は聞かんぞ、いくら学園長が俺のこと嫌いでもそこまでは言わないだろう」




ヨバという奴はなんと自分が学園長に酷く脅されていたため課題を手伝えなかった言うのだ、もっとましな嘘を付け


俺の殺気の籠もった視線にヒィッとヨバが苦笑する



畜生、もう流石に効かないか……俺の必殺脅し技



はぁ、と俺も流石に飽きて睨むのを止めると双子と高校生がタイミング良く話し始める


此奴等にはまだ脅しが効くようだ




「でもキリュさん、それ意外に本当ですよ」




ちなみにこれはケンだ、此奴は俺に敬語を使う唯一の人間だ




「そうだよ、双子も聞いたって言ってたし」




こいつはリッ君、結構ヨバ属性の天然小僧だ。そして此奴はやはりヨバと同じで双子と仲がいい


話を振られて、双子はいつもの合図で顔を見合わせる。そしてお互い頷いて例の通りにキョウから話し始める




「ヨバちゃん嘘言ってないよ?」



「本当のことだもん」




「「僕等学園長先生から聞いたもん」」




「『キリュは普段の生活態度も成績もイマイチだから』」



「『テストをサボっても普段成績が良くて生活態度もいいヨバと違う罰を受けて当然だって』」




「「『だから特別参考書二冊分の課題出してやったぜ、しかも提出期限が三日』」」






「悪かったヨバ、疑って……」



「いいってキリュ……」





「「「ヨバちゃん優し〜」」」



今のはキョウとリンとリッ君のデュエットだ


この餓鬼共、少しくらいいじけさせろよ。俺だってお前等みたいに堂々と鬱憤を晴らしたい





っと言うことで欲望に従い殴ることにした





「「わっー酷いよキリュちゃんっ!!虐待だッ」」



「痛ッ、痛いっスよキリュちゃんさんッ!!少しくらい手加減をっ」




五月蠅い餓鬼、俺は怒ってるんだ。少しくらいハンドバッグになれ


そして双子、友人を殴ることは虐待じゃなく暴力だ




「…………、何で俺まで……」




悪いなケン、それは無かったことにしてくれや。ちょっとした間違いさ




「ッ〜〜〜〜!!」




――――――――悪いなヨバ、それもちょっとした間違いだ。無かったことにしてくれ






◇◇





「では、少々遅くなりましたが」



「僕等の」




「「研究発表会を致しま〜すっ」」





「「イエーィーーー」」




パチパチパチ(無言で拍手の図)




「そんなことなら夜中じゃなくとも良かっただろうがぁッ!!」






ちなみに上からヨバとリッ君、ケン、俺の順番だ


もう此処まで呼んでくれたら俺等の役割を正しく認識できただろう



今思えば、ツッコミは俺だけだ。ヨバはツッコミ要員だった




「「「「「夜中なんだから怒鳴るのは止めない?」」」」」





「………………。ゴメンナサイ」








桐生 亮介


年齢 十八歳

性格 少々柄が悪い、だが常識人で苦労性

見掛け アッサリ系の美男子、ファッションセンスが無いためいつもラフで無難な格好しか出来ない。

双子は結構気に入っていてヨバは小学からの腐れ縁

学力はこの学校での標準より少し上だが同じ『グループ』の人間が優秀なので悪く見られることが多い

喧嘩上等強者にゃ刃向かえの精神の持ち主、敵はこれ以上作らない方が良いでしょう判定



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ