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要は気合なのだ。

今日も試作品のテストの為、ダンジョンに赴く。


今回のテストも前回の続きでロケット矢のテストである。

低い階のモンスター、アタックドックやジャイアントアメーバー、ゴブリン等を相手に試す。



俺は最後のロケット矢を使用した後、やけどの手当てをしていた。

「まだヒリヒリする。」

手のやけどは軽いものだ。

だが、ゴーグルをかけていたはいえ間近で花火を直視したので目がちかちかするし、火薬の出す煙でのどが痛い。

何度か目になる火薬の推進を利用した矢は使い物になる見込みは無かった。


「よし、諦めよう。これはダメだ。」

見込みのない物に開発の時間をかけるのは無駄である。

(ま、もともと見込みはなかったけどね。)


とは言え、新たな試作品のアイデアを考えなくてはならないのが悩むところだ。

(いつまでもダンジョンにいるわけにはいかないし、そろそろ戻るか。)


ダンジョンから戻り、協会の受付に行く。

浅い階の探索である為、モンスターのドロップは安物が多い。

だが数を重ねることにより、レベルアップは出来たし、そこそこの物も手に入った。


これからダンジョンに向かう連中を見ると、連射式クロスボウ(ハンドルタイプ)を持って下りて行く集団を見かける様になった。

単独で使用する場合、命中や運用面などに問題は出てくるが、集団の場合、それをカバー出来るようだ。


(本来、単独でゴブリンの集団戦用だったのだけどね・・・。)


以外に需要があったのか(狂戦士さん装備の面影はハンドルにしかないが)わが社では結構な数が出ている。

孔明先生も使っていたしね。


連射式クロスボウが何故、売れたのか?

それはダンジョンにおけるダメージの与え方に起因する。


ダンジョンが出現した当初、各国は軍隊や警察により攻略を試みようとした。

わが国でも自衛隊や特殊部隊(SAT)がその任に当たった。

だが、攻略はうまくいかなかった。

と言うのは、ダンジョンでは銃器類の効果が著しく落ちたのだ。

(後日落ちたわけではないことが判明している。)


ダンジョンのモンスターに自動小銃や機関銃が効果を発揮しなかった。

当時、効果を出せたのがナイフなどの近接武器であった。

その事がきっかけで自衛隊やSATに近接武器のみ充実が図られる事となったのである。


攻略が進められていたある時、パーティからはぐれた警官一名がゴブリンと遭遇。

戦闘の末、拳銃で討伐した。

これまでの研究により、銃器類は通用しないと考えられてきた。

それを覆す結果が出たのだ。

警官が使っていた拳銃は“SAKURA M360J”回転式拳銃リボルバーである。


早速リボルバーでの討伐が試みられた。

当初、モンスターへの有効性が確認できなかったが、弾を込め直した後にその効果が現れた。

弾を込め直されたリボルバーはモンスターの討伐に成功したのだ。


この事から、弾丸込める時に魔法的要因で何かしらの効果を弾丸に追加されたと考えられた。

戦闘の度に弾を込める必要があるが、拳銃が使えることで一気に攻略が進んだ。

その間、自動小銃の運用も検討されたが、自動小銃のマガジンに魔法的要因を追加することは出来なかった。

どうやら弾丸一つ一つに魔法的要因きあいを込める必要があったのとその効果時間が1分ほどの時間しかないことが原因だった。


さて、連射式クロスボウの場合、自動小銃のマガジンとは違いハンドルを回し矢を連射する仕組みである。

このハンドル(やや固い)を回すことで矢に気合が込められ、有効打を与えることが出来るのだった。



(さて次のアイデアの前に消耗品を買い込むか。)

ダンジョン協会の購買にはダンジョンに必要な物品の販売が行われており、探検者なら格安で購入することが可能だ。


(・・・催涙スプレーか。取り扱いがめんどくさいが動物系統によく効くんだよな。)

催涙スプレーの主成分は唐辛子、カプサイシンである。

他には犬猫系統には毒になる玉ねぎ液体とか多くの動物系統に毒となるアボガドの成分を液化した物とかが売られている。

これらの液体は武器に振りかけて使うのだが直接かけても効果はある。


次はこの液体を噴霧する装置が良いか・・・。


何処にでも売っている一般品でもモンスターは倒せるのだ。

それを使いやすくするのは更なる需要が見込めるアイデアに思われた。


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