厄介ごとの始まり
大幅に改定(予定)しました。
西暦20XX年、地球は核の炎じゃなく、ダンジョンの嵐に包まれた。
何を言っているか判らないかもしれないが、地球上にダンジョンが数多く出現する事態になった。
原因はA国の企業がボーリングで地下に会った封印石を壊したとか、某C国が封印石を玉石と勘違いして盗んだとか、R国の封印石が実験に巻き込まれて破壊されたとか、某NC国の地下核実験の結果、封印石が蒸発したとか、J国の地下鉄工事の掘削で封印石を削ってしまったとか。
色々騒がれているが、全部正解である。
ただそれが偶然、すべて同時に壊された結果である。
(同時でなければ封印は解けなかったのだが・・・。)
その結果、地球は異世界と繋がった。
|繋がった部分(異世界)はダンジョンと言われる不思議な迷宮に変貌し中にはモンスターや財宝を生み出す場所になった。
ダンジョンの出現当初はモンスターの大発生などが警戒され、各国とも封鎖に動いた。
が、モンスター自体ダンジョンから出ることが出来ないらしく、どういう訳かダンジョンから出ると全て光になって消えていった。
(しかも、後に何も残らない。)
半面、ダンジョンの中に在る財宝などの物は外に持ち出すことが出来た。
中には、地球上では作れない金属や道具などが存在し、それがきっかけで地球は今や空前のダンジョンブームが訪れていた。
出現からわずかな間でダンジョンには多くの人が入坑するようになっていた。
ここ日本でもダンジョンブームは起きたのだ。
だが、ダンジョンは危険なモンスターが出現する場所である。
政府は対策としてダンジョン探検資格、別名“探検者免許”を発行。
これを持たない者はダンジョンに入坑することが不可能とした。
そんな探検者免許が発行され一年が過ぎた頃・・・。
「チミ、チミ、和泉君。」
「はい?なんでしょうか社長?」
石元工作所社長の石元。七十五歳、細くヨレヨレで棺桶に片足を突っ込んだような風貌をしている。
社長が名指しで呼ぶ場合、碌なことが無いと言うのはこの会社の原則だ。
なぜか専務も一緒に居る。
「ところで、チミは“だんじょん”とやらを知っておるかね?」
「ええ、二年ほど前に地球上に出現した危険な異空間ですね。」
「それと、チミは探検者免許をもっていたね」
「まぁ、一応。何となくとったのですが、行く機会がありませんね。」
「そこでだ!わしは常々新しい何かをするべきだと考えていたのじゃよ。」
「チミには“だんじょん”にいってわが社の製品を試してもらいたい。」
「・・・・・はぁ?」
正気を疑う話である。
と言うのも、この会社にはダンジョン用具を作る話など一度もなかったのである。
当然、ノウハウなどもない。
何を考えているのか・・・。
「という事で、君には課長として“だんじょん課”の指揮を執ってもらう。」
「おことわりします。」
「・・・・・・・」
嫌な沈黙が流れる。
社長の顔を見るとあからさまに不機嫌だ。
「和泉君の気持ちもわかる。ここはひとつ会社の為に頑張ってくれないか?
サポートも何人かつけるよ。」
(これ以上拒否は出来そうにないな。)
「・・・判りました。私以外の人員はどうしますか?」
「同じ兵庫君に行ってもらう。あとは細井君ぐらいだな。
他は状況に合わせて・・・だな。」
どうやら、人員は期待できそうにない。
「では、明後日には移動してくれたまえ。現場事務所はすでに設置済みだ。」
現場事務所が設置済みとあって嫌な予感しかしない。
が、なるようになるだろう。




