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爆笑

 与太郎が一人で学校の図書館で本を読んでいると突然爆音が響く。

 驚いて窓から身を乗り出し辺りを見回すと、部室棟の一部が吹き飛んでいた。

 ガラリと図書館の扉が開いたので、振り返るとそこには緒花が立っていた。


「見つけてしまいましたね」

「緒花! いったい何が?!」

「アレは“爆笑”。今、笑いが起こると爆発が起こる、そんな世界に一変してしまったです」

「世界一変しすぎだろッ!」


 改めて窓から身を乗り出し爆心地を確認すると、確かそこは落語研究会が使っている部屋であった。


「高校の落研なんて失笑がいいところなのに、それでこの威力…… 笑えねえよ」

「すでに某国は軍事転用も視野に入れているとか。見て下さい」


 校庭の真ん中には明らかに学生ではない一組の男達がいた。周囲にはそれを傍観する無数の学生。


「あれは、テレビで見たことある外国のコメディアン!」

「そう、あれは笑いの核弾頭。彼らは実験としてこの街を吹き飛ばす気に違いありません」


 もしも校庭の生徒がみんな爆笑を起こしたら被害は甚大なものになるだろう。


「緒花、この街はどうなってしまうんだッ?!」

「大丈夫、安心して下さい」


 コメディアンは身振り手振りを交えて小粋なトークを始める。

 一通り喋り終わっても爆笑は起こらない。


「これは…… どういうこと?」

「ほら、笑いって相性があるから、外国で受けるネタがこの街で受けるとは限りません」

「ああ、そもそも言葉が通じないしね」

「チャップリンでも連れてこいって事です。だから……」

「だから?」

「この作品で笑えなくても、作者との相性が悪いという事で」

「まさかのメタ落ち?!」


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