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天と冥の英雄~原本  作者: 涼宮 ヒロ
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主人公の魔書

五部


目の前に突如現れた、漆黒の魔導書と、純白の魔導書に学院長は絶句していた。


「んな........そんなばかな....。」


しばし時間がたつと2つの魔導書は消えてしまった。


アルの話では1つしか魔導書は現れないはず....。

と疑問を持つと学院長は慌てたように、俺に問いただした。


「ひ、ひなとくん....!!君は本当にビギナーなのかね?

2つのグリモワールが現れるなんて....。しかも太古のグリモワールが2つも....。」

学院長は目を見開き凝視するので俺は後ずさりしながら答えた。


「い、いえ本当に初心者ですから....。」


「そうか....信じられんな。」

目の前の現象に自分の思考が追い付いてないみたいだ。


こんな表情を見るのは何回目だよ....。まぁもう慣れたけど



「もう一回出してくれないか?このリングで魔導書を呼ぶきっかけは整ったからコールするだけで良いだろう。

呪文は、我は欲する汝の力を、コール....と詠唱すればいい。」


うわぁ....厨二病くさいな本当に....と、いやいやながら応答し、呪文を唱えた。


「我は欲する汝の力を....コール。」


すると先程の魔導書が俺の手元に2つ現れた。漆黒の魔導書には悪魔の刻印が両面に焼き付けられていて鎖のような物が巻き付けられている。純白の魔導書には白い羽が生えており、光のリングが本の周りを覆っていた。


アルの魔導書とはずいぶん変わった作りをしている。


アルのは、ただの白い本だった、少し装飾があるだけの物だったのに俺のは無駄に豪華で分厚い....。


「えーと、太古のグリモワールってなんですか?」

と質問をすると学院長は慌てながらも答えてくれた。


「太古のグリモワールとは普通のグリモワールと違い神話の魔法を行使できる禁断の書なんだ。術者の力量があれば世界の理そのものを破壊できるほどだ。」


「そんなにやばいんですか!?」


「あぁ、かつてこの地を支配した悪魔の王サタンと、大天使ミカエルの魔力が宿っているんだからな....これは昔の文献に詳しく載っているが....実際のところ誰も見たこともないのでデマかと思ったんだが、

....まさか実在するとは。」


「え、俺はどうなるんですか?」


俺は最初に気になることを聞いた。このおかげで寝ているときに寝首をかかれたらおしまいだからな....。


「今のところ、まだ魔力の暴走もないし、もし、暴走したとしても大丈夫なように封印魔法をかければ処分はされない....。」


 俺が力を抑えれば何にもされないということか....どうしたことか....悲しい話だな....。


「とにかく、今からいうこの3点だけは気を付けてほしい、まず1つ目はグリモワールは1つしか表に出さないこと、ただでさえ貴重なものを2つも出したら大騒ぎになる。

2つ目は自分の魔法を限界まで抑えて魔法を打つこと。世界最古の最強の魔法を打つなんてどうなるか分からないからな。3つ目はこの指輪をすること....この指輪は魔力の抑制効果がある....。人間には使うことなんて滅多にないからな?

大抵が大型の魔物や暴走したときに、魔力を鎮静化するときに使うものだからな。

それほど君の魔力は膨大なのだ。」


学院長は机の引き出しから白い指輪を取り出しながら説明をしてくれた。


「これは唯一の封印系レアアイテム、Ring of spellといい通称、呪縛の指輪だ。

 効力は指輪に触れた物体の魔力に制限をかける物だ。だいたい60%以上、抑えられる代物だ。」


君に預けようと、学院長は指輪を俺に渡した。すると指輪を触っただけなのに俺の中の何かが少なくなった感覚がした。


その感覚に若干戸惑っていると学院長がテーブルの上に特別入学許可証明書と書いてある紙を指差した。


「君にはそのリングに慣れるということと、魔法の存在に慣れるということを踏まえてSクラスに編入することを認める為の書類だ。ここの署名欄に名前を記入してくれ。」


俺はあることが気になったので。質問をしてみた。


 「あのー、住所とか身分証明はしないんですか?」

さっきからどんどん進んじゃってるけど、身分証明がない不振な輩は入ることはできないし、普通は聞くだろ....。


「えー、他ならそういうこと聞くんだけどね、我が学院は貧しい農村から引き取ったり、奴隷にされていた人も引き取ったりと、色々な部分でその人の心に闇があるんだ。 だからそんな、無粋な真似はしない。誰しも隠したい、忘れたい事はあるだろ?」


なるほど....ここは魔物やそういう類いのものを討伐したりする者もいれば体を売ったり、売られたりする人もいるわけか....。


「分かりました。まぁ、はい、そうですね....。」


「だからこそ、ここを新たな出発点として意識を向けてほしいんだ。」


こらなら新たな日常を過ごせるかな....。

俺は、うんうんと相づちをうちながら書類にサインをした。


  特別入学許可証明書


1つ、我が学院に入学及び本学院の正式な学生となることを了承すること。


2つ、学院、在住中は無断な魔法の行使を禁止すること。


3つ、本校に在籍する以上、学院指定の寮に住んでもらうこと。


               署名 蒼蓮 雛斗


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