主人公の出会
チュンチュン
俺が次に目を開けるとそこは森の中だった....
「ぅん....ううん....ここは?」
辺り一面木で覆われていてどこに何があるのか分からないほどだ。
あのくそやろうが今度あったら関節を全て逆方向に折り曲げてやる!!
そう心で誓いながら上体を起こす....。
「俺は部屋にいて....チェスやってて....いきなりスマホ暗くなって....自称神の使いに会って....。」
まぁ無難に考えるならここは、異世界か....。
まずは状況整理だな....
歩き回るのはよそう....。
雪山で遭難したとき、下手に動くと死ぬ確率が倍増する....。
森でも同じことだ。下手に動いて熊などに出会っても困るからだ。それこそ、異世界だ何がいてもおかしくはない。
俺の持ち物は、えーと....。スマホに....タオル....ナイトの駒ってまともなのがねぇぞ!!おい
スマホがあるのが唯一の救いだチェスの駒なんて役立つかアホ!!まぁ、ないよりはましか....。
なぜだろう、理論上不可能な事態が起きてるのに案外素直に受け入れている....。
口調も俺はこんなツッコミしないのに....。
そう考え込んでいると、近くから人の話し声が聞こえた。
「なんだ?」
警戒しながら俺は、音のする方向に足を進めた。
すると、そこにはまるでおとぎ話のように透き通った髪の瓜二つの美少女が二人で話していた。
「ねぇ、今日の朝、見た?ここの近くがピカーって光ったんだよ?」
「うん!!私も見た!!町の人も騒いでたよ!!」
「なんだったんだろうね、魔法使い様かな?」
「でも、あんな光見たことないよ?」
「そうだよね~....うーん」
なんて会話をしていた
もとの世界では異性なんてうるさい奴、程度の興味すらなかったのに俺は今、あの子達の美貌に目を奪われていた....。
「なんてきれいなんだ....」
思わず声が無意識に漏れてしまった。
すると二人はこちらを向いて立ち上がり可愛く驚いた。
「「だれなの!!??」」
さすが!!瓜二つなだけにシンクロしている。
まぁ姿を隠しているほどでもないからいいか
「驚かしてすまない!!驚かすつもりはなかったんだ、ここに来るのは始めてだったもので....声かけようか迷っていたんだ!!」
当たり前だが異世界人とは話さない。信じてもらえないだろうし、もっと警戒されて騒動起こされても困る
「「旅人さん?」」
「そ、そうなんだ!!あまりここの地形を知らないもんで」
「うーん、そうなの?」
「ほんとほんと!!信じて」
まぁ、初対面の人に信じてと言われて信じる人はいないだろうけど....
「「うーん、信じてあげる!!」」
「おぉ、ありがと!!」
自分でも驚いた!! まさか信じてもらえるとは....。それにしても言葉が通じてるのか?たまたま言語が同じなのかそう聞こえる仕組みがされているのか....?
謎だが....考えるのは後だ。今は身の安全が第一だ。
「突然ですまないんだが近くの町まで案内してくれるない?」
「「うん、いーよ!!」」
見事なシンクロに心を打たれている中、二人は自己紹介をしてくれた。
「私はトト!!こっちは双子の妹のネネだよ?よろしくね!!」
「よろしくです!!」
トトとネネは元気に挨拶してくれた
「おれは........雛---」
「「ひ、な?」」
「そうそう、ヒナだ!!」
一瞬ここの世界の名前の基準を知らないので迷ったが、それっぽい風にした。
「ヒナ?女の子みたいな名前だね」ニコッ
「ヒナくんだー」
どうやらヒナなら通じるみたいだ。
二人は俺の周りをぴょんぴょん跳ねている。
可愛らしい風景だ....
って!!俺はロリコンか!!俺は心にロリコンじゃないと言い聞かせながらトトとネネによろしくと軽く会釈をし、
会話をしながら歩いていくのであった....。
「ところで、ここはどこなの?」
「えーとねーここはカロネの森って言うの!!」
「ここってさ....危険な動物とかいるの?」
「変なこと言うね旅人さん!!私たちがここで話してるんだよ!!安全じゃなきゃここにいないよ!!」
と心底おかしそうにクスクスとトトは笑った。
「そうそうでないよ?森の奥深くに行かない限りは....奥には....魔物がいるんだよー!」
と双子は怖がらせようとして変な顔をしているのだが可愛い顔にそんな声を出しても微笑ましく感じるぐらいだ。
なので期待に応えようと大袈裟に驚いてみた。
「ほんとっ!!深くにいかなくてよかったぁ~....!!」
すると、トトとネネは計画が成功した無邪気な子供の顔で笑っていた。
まぁ、思った通りだな。異世界だからその類いの物はいるだろうと思ったが....魔物ねぇ....どのくらいの強さなのか....。
まぁそれは置いといて、しばらく歩くと森の木が少なくなってきた。そろそろ町かなと思っていると景色が広がってくる。
おぉここなのか....「「ようこそヒナくん!!私たちの町、カロネへ」」
さぁ、俺の新たな冒険の一歩だ。
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カロネ町
町はたくさん賑わっていた。ギターやバイオリンを弾いてる人をはじめ、露天を出してる人、それを買いに来てる人、騎士のような人もたくさんいる。
「へぇーすごいなここ」
現代じゃこんなに人が集まっているところ見たことないからな
「「そうでしょーフフン!!」」
やはり息ぴったりである
「ここまで案内してくれてありがとう」
「ここまででいいの?町を案内しようか?」
「いーやありがと、自分で回りたいし、回りの視線がね....。」
さっきから男性からの目線がすごい痛い....女性はそれほどレベルが高くないみたいだ。まぁそれじゃこの子達は高嶺の花なんだろう。
それを親しげに見知らぬ男が連れてたら男はいい気持ちにはならないだろうな。
「う~ん....なんだかわからないけど分かった!!じゃあ連絡先渡すから、気が向いたら連絡していつでも待ってるから!!」
とネネが連絡先が書いてある紙を渡してきた
「おぉ!!ありがと!!でも信頼してくれてるのはいいけどさっきあったばかりの奴だよ?」
「うーんなんだろ....お兄さんからは危険な香りがしないんだ~、おんなのかん?ってやつ?」とニコやかに笑うトト
「ありがと!!嬉しいよ!!バイバイ!!」
トトとネネに手をふる
「「バイバイ!!」」
あぁいい子達だなと思い、まずは職を探したいなと決意するのであった。
連絡先をもらった辺りからさっきより目付きが鋭く雰囲気が険悪になったことに雛斗は気づかなかった....。
「へぇーいろんなのがあるんだなぁー」と関心をしているとファンタジーな世界でよくある所を発見した。
へぇー、これはこれは....。
RPGにはほとんど出てきている、かの有名な....ギルドだった
ちなみにカロネ町は中世ヨーロッパのような町並みになっています。