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天と冥の英雄~原本  作者: 涼宮 ヒロ
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主人公の苦悩

「あぁ~だりぃー」


ちょうど真夏の日差しがカーテンの隙間から顔にかかり、不満げに毒づきながらご機嫌ななめの本編の主がそこにいた。彼ほどつまらなそうに学校生活を送ってる人間は世界中をさがしてもただ一人だろう....。 


「高校生のどこがいいんだか?」


 頬杖をつきながら彼-蒼蓮 雛斗は呟いた。


高校生はとてもつまらないと思う....大人は懐かしい青春だなぁなんてほざくが俺にとっては苦痛でしかならない....。


毎日朝早く登校して、無駄な勉強に励み、友達も少ない灰色の高校生活のどこが面白いんだろう?


ためになる教師の話なんて当然....無視!!


当たり前だ。これ以上無駄な勉強はしたくない。


早く家帰りたい....そんなことを考えていると横から声をかけられた。


「雛斗!!授業ちゃんと受けろよ!!つまらないのは分かるけどさ、成績落ちるぞ?」


心配そうに声をかけてきたのは幼馴染みの玲於だ。


「いーんだよ、別に結果がすべてだろ?テストさえ出来ればそれでよし」


「またそんな屁理屈を....いいよな秀才君は」


「なに、悪い?秀才ですけど?テストが出来ない=勉強してない=バカじゃん、努力してないのに出来ないなんて言うのはおかしいんじゃないんですかぁ?」


ぐさりっ!!そんな効果音が似合うだろう


玲於は顔をひきつらせた


「痛いところをついてきますな....お前は....」


「お前の用件は勉強を教えてくれーだろ?」


「そーそー!!よく分かったな」


「そりゃ、お前のその緩みきった顔を見てれば嫌でも分かるわ」


玲於はよりいっそうにやけながら肩に手を回してきた。


「そんなこと言うなよー俺とお前の仲だろー」


「しょーがないな、明日の放課後でいいか?」


「さすが!!俺の雛斗ーもぉーちゅーしてあげる!!」


唇を突きだしながらよりいっそう体を寄せてきた。


「ふざけんな!!いつからお前のものになったんだ!!?こっちによるな!!バカがうつる」


玲於は体をくねらせた


「あ~あ、昔はあんなに優しかった雛斗君は、今じゃ親友の俺を軽蔑するほどになっちゃったんだなぁー」


「きもいから!!勝手に思ってろしかも自分で親友とか言うな!!」


そう言いながら肩に置かれた腕を払い落とし教室に向かっていっ


た。


「ちぇっ!つれないなぁー」

いつもより冷たい態度に若干、肩を落とす玲於であった....。


 1時限が終わり2時限の授業の支度をしていた。すると胸ポケットにしまっていたスマホに着信が入る。


なんだろ?メールか?疑問に思いながらスリープモードを解除し、確認をしてみる。


するとそこには不思議なメールが送られていた。 


 『この問題を解けた方の願いを、1つだけ叶えましょう。解けた方は返信をしてください。』


最初は、よくあるスパムメールかと疑問に思った、でも俺はほとんどスマホを使わないし使ってもメモ、カレンダーとかLINEとかだからウイルスの可能性はなくなった。誰から送られてきたかも分からないし、


よく見てみるとURLの配列がおかしいのも要点のひとつだった。


まぁこういうのは暇潰し程度にはいいかなと思いながら問題を見てみた。


『異世界の存在の証明及び移動手段の確立を提示せよ』


....は?なんだこの問題....?!


一瞬バカにしてるかとさえ思った。いや普通はするだろう。誰もが異世界なんて非科学的な考えをを問いてるのは思えないし、まぁだがしかし否定は出来ない.... 


異世界=パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。


 実際に、今この瞬間に世界は刻々と枝分かれして無数の「パラレルワールド」を生み出しているという考えを、1957年に当時プリンストン大学の大学院生であったヒュー・エヴェレットが「多世界解釈(Many Worlds Interpretation)」を提唱した。以外にもバカには出来ないのだ。


いままでの数学的論理思考ではまず解けないだろう、ならばなんだ?何を指摘してほしいんだ?答えが分からない....。


 今までほとんどの難攻不落と言われた、問題は勉強しなくとも理解できていた、分からないものは知識と応用力でねじ伏せてきた。


しかし、こんな初歩的なことが分からないとは....。


 こんな奇怪な問題を見て高揚感が増した。


誰が作ったんだか....。


休み時間、珍しく教室の片隅で色気のあるため息を出しているのにたいして女子が色めき立っていることと男子が嫉妬の目線を送っていることを雛斗は知るよしもなかった。


帰りのSHRが終わり、下校した


ちなみに、家には家族はいない他界してるわけではなく旅行中なだけだ....。


しょっちゅう両親は長期滞在などをするため俺は着いていくのだが今回は最後の高校生活ということもあり、滞在を取り消してきた。


学校の出席単位は俺の異常な学力と人脈のおかげで1ヶ月に一回登校し、授業を受ければ良いことになっている。


ガチャッ


「ただいま」


誰もいない家に挨拶をする。別に寂しいとかではなく生活の一部として根付いているからだ。


まず服を着替え風呂にはいる、その後、夕食になる。一応自炊はしている。人に任せるのが嫌だからだ。ちなみに俺の両親が人任せをするためについていきたくない理由のひとつに含まれている。


風呂にはいったと言ってもシャワーなので湯船には浸からない。


風呂を出たあとはチェスをやるのが日課だ。


まぁ、他の家ではやる以前にないのが当たり前だから珍しいだろ


う。相手はもちろん俺だ。


某有名小説に出ている通りチェスは二人零和有限確定完全情報ゲームである。運という、偶然がないため、己の記憶力、予測能力、相手の悪手を誘う技術と....自分の力量が試される俺の好きな唯一のゲームである。


 たまに玲於が来るときは一緒にやるが、普段は一人でやる。記憶力の向上、頭の整理、気分転換のときにや

っている。気分が落ち着くからだ。


 今現在、雛斗が使える言語は14ヶ国語、政治、経済を始め、あらゆる分野の知識を有し、保持している資格数は、今現在取得できる資格の約3分の2を持っている。


今の高校だって行かなくてもいい。行く理由は玲於がいるぐらい


だからだ。唯一無二の親友に会うために行ってるようなものだ。


身体能力も高い....それは、生後3ヶ月の時、普通はまだ首が座るか座らないかの状態の時俺はもう走ることをできていた。小学生に上がる頃には大学生レベルの知識と運動能力は持っていた。


まぁ....


その理由は謎のままなのだが....。


これらを見てみると明らかに俺は化け物だが、誰も俺を化け物とは言わない....それは下手につついて暴走されては困るのか、ただ単純にこわいのか人より優れている....ですませているのか....は分からない、1つだけ言えるのは大人からは孤立している....慣れたものだ、もう気にしていない。大人は信用していないからだ。俺の親はバカなのか、俺の異常さを理解していない。怖がるどころか誉めまくるぐらいだ....。


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