主人公の復帰
投稿が遅れてすみませんでした。学校が忙しく遅れたらすみません。
十一部
広場の大半を占める大きさの炎はしばらくたつと消えていった。
「終わったか....。」
生い茂っていた草木は燃え果て、見渡せば目につくのは崩れた建物のその残骸....。目の前の焦土と化してる光景に俺は静かな瞳で見渡して呟いた。
「やり過ぎた....」
いくら手加減したとはいえこれほどまでとは....軽く打った完全詠唱の魔法は容易に周囲の景色を豹変させるほどの力を発揮した。もし知らずにその力を街中などで行使したなら大変なことになってただろう、今の現状も相当やばいのだが....冷や汗をかきながら周囲をキョロキョロとしていると後ろから突然声をかけられた。
「ひなとくん!!」
振りかえると学院長の姿がそこにあった。不安そうな顔で俺の顔を覗き込んでくる。そのまわりにはたくさんの生徒がみんなそれぞれ色々な顔をしていた、不安、恐怖、安堵...そんな感情が交差している中俺はくらりと意識が飛びそうになるのを感じた。
「ひなとくん大丈夫か?」
突然倒そうになる俺の体を支えるのは学院長だった。大丈夫ですと答えて自分の体を無理矢理起こそうとするが力が入らない。
すると学院長は俺に優しい声で囁いた。
「ひなとくん...いいんだよ、君は頑張った...君のおかげでたくさんの生徒が無傷で助かったんだよ?ゆっくりおやすみ」
そう言われた瞬間に俺の緊張の糸が解けたようにプツッと切れて意識が落ちた。
俺の意識の中で声が聞こえる。ミカエルやサタンの声ではない。老若男女の声だ。その声は次第にはっきりと脳に響いてくる。
-あなたは絶対の存在だ
-こんな所で躓いてはならない
-あなたがその気になれば神だって屠れる存在よ
-君の強さの真髄はこの程度ではないでしょ?
-負けても良いその次は勝のじゃ
-勝ち続けるのだ、それが其方の糧になる
-力の真髄を君は秘めている
-私達の願いを叶えておくれ...
最後の言葉が聞こえたと同時に俺は目を覚ました。
そこは学院の保健室だった。
...ここは?
なぜ俺はこんなところに?
ぼやけている記憶を必死に叩き起こそうとする。
たしか学院で魔人と戦って...戦って...その後、学院長と会って...
ズキッ
頭に激痛が走る...
「ウッ」
記憶がすこし飛んでいるな..この頭痛も多分魔法による反動かな…初めて使ったからな…今度使う時は魔法についてもっと調べなくては…
と思案していると保健室の向こうの方から勢いのある足音が聞こえた。
ドドドドドド!!
保健室まで響くぐらいのものすごいスピードで近づく気配を感じた。魔人の仲間か!?と警戒するのも束の間扉が勢いよく開け放たれた。
バンッ!!
そこにはシロアが息を切らしながら立っていた。保健室の中を見回し、俺を見つけるやいなやものすごい剣幕で迫ってきた。
「ひなとくーん!!!!」
その剣幕に驚きながら俺は状態を起こした。
「シ、シロア?どうしたんだ?」
「どうした?じゃないわよ!!私を逃がした後、学院長連れて来たらひなとくん急に倒れちゃったじゃんか!!私、心配したんだよ!!」
とシロアは目に涙を溜めながら涙声で叫んだ。まさか、ここまで心配しめくれたんだな...。
彼女はいろんなものと仲良くしていた、すぐに打ち解けるのも彼女のこのおせっかいのせいなのか?才能と言うべきか。
「あのときはシロアの身の安全が最優先だったんだ…」
嘘偽りのない告白しをした。今ここで嘘をつく必要も無いし、彼女には嘘をつきたくなかった。
「私…心配で心配で…」
そういう彼女は頬に涙を一筋流したのを見た。すると俺の中で何か知らない感情に突き動かされた。
気づくと俺は無言で彼女を抱きしめていた。
突然の行動にシロアはびくっと肩を震わせた。もう抱きしめてしまっては後に戻れない俺のと思い彼女に思いを伝えた。
「ごめんなシロア、シロアがあの時俺を心配してくれたの嬉しかった、今も…そうだよ?シロアがいてくれて助かったありがと…気をつけるから泣かないで?」
涙を堪えながら俺を強く抱きしめる。
「ひなとくん…卑怯だよ…こんなことして…好きになっちゃうじゃん…」
「シロア…」
シロアは俺を見つめるとすぐに頬を赤く染めながら俯いた。
「ご、ごめんね!!今のは忘れて!!」
「お、おいシロア?」
俺が声をかけようとするも彼女はここを出ていってしまった。
ひなとがこの思いの真相に気づくまでかなり時間が掛かりそうだ…。




