9月のコラージュ
掲載日:2015/09/27
赤らんだ太陽が
雲の縁を染め上げて行く
いつの間にか早くなった
昼間の終わり
彼岸花は輪郭だけを残し
空のみが鮮やかに色付く
長い雨を通り抜けて来た
今日はもう秋だった
終わった季節に
皆は何を思うだろう
晴れ渡っていた昼には
久し振りの眩しい日射し
顔には熱があるのに
背中には寒さがあった
千切れた雲に紛れたのは
たった一つの月影
輝くのにはまだ遠く
青空に消え入りそうで
兎、蟹、誰かの横顔
見つけたのは誰だろう
地上から見る月は
何処から見ても同じ顔
同じ光を送りながら
違う姿に描かれた
千年前
そこへの帰還は嘆かれて
数十年前
最初の一歩は讃えられた
今や数十億通り
今夜は幾つに映るだろう
すっかり闇の浸み込んだ
虫の音が響く頃
軋んだ雨戸を開ける
そこには――




