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9月のコラージュ

作者: 空乃 千尋

 赤らんだ太陽が

 雲の縁を染め上げて行く

 いつの間にか早くなった

 昼間の終わり


 彼岸花は輪郭だけを残し

 空のみが鮮やかに色付く

 長い雨を通り抜けて来た

 今日はもう秋だった


 終わった季節に

 皆は何を思うだろう


 晴れ渡っていた昼には

 久し振りの眩しい日射し

 顔には熱があるのに

 背中には寒さがあった


 千切れた雲に紛れたのは

 たった一つの月影

 輝くのにはまだ遠く

 青空に消え入りそうで


 兎、蟹、誰かの横顔

 見つけたのは誰だろう


 地上から見る月は

 何処から見ても同じ顔

 同じ光を送りながら

 違う姿に描かれた


 千年前

 そこへの帰還は嘆かれて

 数十年前

 最初の一歩は讃えられた


 今や数十億通り

 今夜は幾つに映るだろう


 すっかり闇の浸み込んだ

 虫の音が響く頃

 軋んだ雨戸を開ける

 そこには――

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作品名が素敵ですねo(^-^)o移り変わる季節の表情を、写真や絵にして切り取って、張り付けていくイメージですね。 長い雨を通り抜けてきた 今日はもう秋だった…のところが好きです。 月…
2015/10/03 12:27 退会済み
管理
[良い点] こんばんは。ほんとに、日の入りがいつの間にか早くなりましたね。 今回も素敵な作品、ありがとうございます。秋の少し寂しい感じと、息を呑むような美しさが、何だかじんわりと伝わってきました。 …
[良い点] 秋と月を描いた美しくて幻想的な詩ですね。 読んでいて、夏の終わりと秋の訪れを強く意識しました。 終わる季節と始まる季節。 四季はめぐり巡って私達に自然の美しさを教えてくれますね(^_^) …
感想一覧
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