終結 初陣のS.F.F
「しょうがないなぁ、アキちゃーん! 自己紹介しよっ!」
「なるほど、掃除ロッカーの中に隠れてるのか。 特技は擬態かなんかか」
いや、なんだこれ、呼びかけられた右側の掃除ロッカーがいきなり色褪せた。 おお、さらにヒビが入って...崩れ落ちた。 古い陶器みたいに。
で、出てきたのは、可愛いけど控えめそうな女の子だな。 髪型はえーっと、なんていうんだっけなこれ、セミロングだったか。
「紹介するよん! 私のお友達で可愛いけれど人見知り、陶芸部部員のアキちゃんです!」
「自己紹介かそれ」
「胸の大きさも計りっこしたこともあるよ! トオル君エッチだから教えないけどね!」
「...」
「どうでもいいから早く本題入れっつーんだよぉぉ」
「――あの――私は、水瀬アキです。 よろしくお願いします...」
大体見当がついたぞ。 このアキちゃんとかいう子と連携して後ろまで回ったんだな。
おそらくこの子の能力は陶器の材料を使った"複製作り"あたりか。 で、背景を映した箱でも作って若菜にゆっくり背後に回らせたって感じかな。 この教室に電気がついてなかったのもその戦術に一役買ってるってわけだ。 まぁ、いろいろ都合よすぎだけど。
「もうトオルったら!早く挨拶しなさいっ!」
「あっ、すまん。 アキちゃんだっけ、よろしく」
「......」
なんだこれ、気まずいぞ。 まさか俺のせい...じゃねぇよな。
「どうでもいいけどよォー、俺はずっとこのままナノカァーー?!」
なんとかかんとか、初のエンカウントにて野球部を撃破したトオル達一行。 しかしまだまだ戦いは始まったばかり。 このままながーい3日間を生き残ることが出来るのか?!
結果
勝ち 三上トオル 帰宅部
森崎若菜 手芸部
水瀬アキ 陶芸部
負け ニヴェレンコ・ポルチェルスキ(ニコポ) 野球部
ひとまず初戦完結ですー。