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異能力?部活動バトル!  作者: Kesuke
1日目
6/35

初陣のS.F.F 4


「そぉぁぁい!」

「きゃっ」


ガンッ。


飛んできた机を手元の机ではたき落とす。 落とすたびに手が尋常じゃない痺れを起こすけど、直撃するよりはましだ。 そういや、教室で野球をやるなって小学生の頃先生に怒られたけど、これも野球にはいんのか? 随分エクストリームな遊びだが。


地面にでかい音を立てて机が転がる。4発だか5発だか、とりあえずなんとか凌ぎきった。


「はぁはぁ......もう...終わりかよ! 言っとくけど......全然疲れてないぜ!」


ニコポからの返事はない。 くそが、返事がないと余計な奴が会話に入ってくるんだよ! 返事しろ!


「ねぇ、机の風圧でスカートめくれるところだったんだけど! 今日は見せる日じゃないんだぞっ!」

「くそ、やっぱり......てかよぉそろそろお前も真面目にやらないと、俺も怒るぞ?」

「だーいじょっぶい! ねぇねぇ、耳貸して?」


若菜の柔らかな唇が耳に当たる。 ふーってされたらめっちゃ興奮するかもしれねぇが、時と場合を考えろよ?。 お前も。 俺も。


「実はね実はね?――――なんだ。」

「はぁ? 何言ってんだお前」

「んふふー、まぁ見ててよ。 かるーくニコポ捕まえるから、時間稼ぎ、お願いね? 」



「お前等は分かっていない。 この絶望的状況をな」


あら、いつの間にか教室入ってきてるし。


「じゃあ、よろしくねっ」


「女など後回しだ。 まずはお前を殺す」


俺の周りには自分で弾いた机や近くにあったものまで"重なりあって"散乱している。 おまけにここは教室のほとんど隅だ。 ......あ、そうか。 やっと気づいた。 気づいてしまった!


「これは......"机と椅子の牢獄"だああああ!逃がさない為の、最初に投げてきたあの威力のボールを投げる! 防御の上からでも確実にトドメを刺す。 そのためにっ!!」


「俺の投球モーションはぁぁ、クイックで1秒ジャスト!」

「殺されてたまるかぼけええええ」


球が、来る。


ゴィィン。 割と軽めな音を立ててボールは窓の向こうへと転がり落ちていく。 つまり、俺は生きている。


「防いだ! 防いだぞ!、"机の盾として斜めに持つ"、これが、こいつの攻略の鍵だ!」


「こいつぅぅ......やはり侮れんなぁぁ、"追い詰めているのに追い詰められている"この感覚っ! 野球で...いやマウンドで死ぬほど浴びてきたぜ。 思うにこの感覚は、"相手が対応しようとしている"と思うことから始まるんだぁぁ」


やべぇ、ニコポもちょっとやばそうな感じだ。 なんつーかこの世界にはまともな奴はいねーんじゃねえか。


「つまりよぉぉ、初恋の子もろとも、容赦せずに切り抜けろってことだぁぁ! 食らわせるぜ!」


「無駄だ! "机の傾斜"によってお前のボールは、俺を殺れる程の衝撃を食らわせることはできねぇ!」


「......ところでよぉ、知ってるか? 野球の解説者ってのはな、野球選手の出身が多いんだよ。 つまり解説者気取りのお前は俺の"特技"を推し量れねぇ。 現に今、俺が"攻撃を終えている"ことにもきづかねぇんだからなぁ!」


――――え?


「ドッゴォォォン。 ってなとこだぜ」

 

 はい、ドッゴォォンでした。



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