深撃のダブル・トルペード 3
「三上ぃ、確認するが今"文章"で攻撃するって言ったのか?」
「そう、だ。 この机の裏に貼ってあった紙に書いてあった。 『恐怖を感じる』的な事が...それで俺も、怖くなって動けなくなった」
「こりゃちょっと...いや、かなりやべぇな」
「どうしたんだ?」
ああ、ニコポの言ってる意味が分かった。
敵が隠れた教卓には、こちらに向けて油性マジックで『文字って気になるよね』って書いてある。
「... 三上君が"能力"を伝えることも踏まえて、あの位置に隠れたんだ。 私達に、"文章"を読ませる為に」
そんなこと言ったって、言わなければ致命的な文章をいきなり読まされる可能性だってある。
どこにあるかも分からない"文章"を読んだ瞬間攻撃を受けるなら、無理に進むこともできない。 文字に気づいてはいけないってのはハードル高すぎるぜ。
「それに今の"衝撃の手応え"で感じたんだがよぉ、この机やらなんやら、一部が"無くなってる"わけじゃねぇな、"埋まってる"んだ」
「埋まってる?」
「言葉通りだ」
俺達が警戒しながら作戦会議している間も、敵はじーっとこちらを見つめたままだ。
「君達、マインスイーパというゲームを知っているかな?」
敵の奴、急に何を言い出すんだ。
「これは完全に能力だとかには関係のない話だから気にしなくてもいい、ただ、僕の考え方はこうだ、って伝えたいだけなんだ」
「そんな話を信じると思ってるのか?」」
「聞くかは自由だ、だが僕が勝手に話すのを、止めないだろう?」
「どーーでもいいけどよぉー、こいつの喋り方、気に食わねぇ」
「マインスイーパ知ってるよ! どれだけ早く爆弾見つけられるかのゲームでしょっ」
「その通り、数字を元に隠れた爆弾の位置を探り当てるゲームだが、人生も、この戦いも似てるんだ。 僕にとって君達は数字という"ヒント"でもあり、旗を立てて排除するべき"爆弾"でもあるんだよ」
「ヘッ、やれるもんならやってみろよ」
敵が、教卓の影に隠れた。
「コイツを倒さなきゃ、俺達は前へは進めねぇ」
そうだ、俺達には目的がある。 こっからが本番だぜ。




