決着 重厚なメディバル・ウォーフェア
「すげーなあいつ、 帰宅部ってあんな動けるもんなのか」
おい、独り言をいう暇があるなら手伝えや。
ああもう、くそっ。 最初に戦ったときって何があったっけ。 ニコポに机に挟まれて殺されかけて。
今度は横薙ぎの一閃、なんだ、敵の動きが、どんな動きをしようとするのか、青いオーラの動きが教えてくれる、気がする。 これが、俺の特技なのか?
「くっそぉぉ! なんで当たらないんだよぉ!!」
ニコポはボールを使って机を弾丸にしてた。 まさかとは思うが、いや、そんなことできんのかよ。
「さっさと当たれよぉ!!」
今度は突きだ。
くそ、やるだけやってやろうじゃねぇか。 後は、あいつの動きを止める手段だけだ。
ボギッ
突きで、太くないとはいえ木を倒すほどの威力は怖い。 流石に動きが読めても食らったらお終いだ。
肉を切らせて骨を断つなんて論外だしな。 肉も骨も一瞬でばらばらにされるのがオチだし。 どうすりゃいいんだ。
「いつまでも逃げれると思うなぁぁ!」
「さっきからうるせーよ!」
もう心に決めた、 殺されたら恨んでやるからな。
ブンッ
騎士がメイスを振り下ろす。
「おおお!死にさらせぇぇ!!」
騎士の振り下ろしたメイスをかわし、そのまま踏み込んで騎士の顔面に渾身の右ストレートをお見舞い...できなかった。
寸前で若菜と同じように、首を掴まれた。 首が締まる、痛い。 息が吸えない。
「自暴自棄かぁ?! シネッ!!」
「お前が死ぬんだよ。 馬鹿野郎」
「野球部の癖に何を言ってやがんだよぉ! 脳みそ筋肉でできてるくせに! 運動部のくせに!」
「実は俺の友達にも漫画研究部がいるんだがよぉー。 その態度、やはりお前は許せん」
「ウルセェー! こいつをやったら次はお前だぞぉ!」
「いや、俺もう投げ終わってるし」
「えっ?」
「必死で攻撃してっから投げてるのわかんねぇんだよ」
ニコポの言葉通り、俺の背中には回転してるボールがすげぇ食い込んでる。 でも、全然、痛みも何も感じない。
いつ投げたのかしらねぇけど、このボール、衝撃を伝える技だったっけか。 弾丸化するのは、そこのガリメガネだろ?
「うぉぉぉぅ、なんだこっれっっ」
「スローカーブ。 衝撃力の伝わるただ一つの投球、だ」
直後、盛大にガリメガネだけが盛大に吹っ飛ばされる
「坂上先輩よ、最初に戦ってたのはあんただろ」
ガリメガネの吹っ飛んだ先には白い消化剤に塗れた坂上先輩が...立って...いる。
だめだ。 意識が...
「メンッ!」
その言葉を最後に、俺の意識は暗転した。




