重厚なメディバル・ウォーフェア 5
「ヒィ、もう能力は解除しましたから! 許してください!」
「お前、俺の幼馴染を殺されかけて、挙句に消化剤まみれにさせられて許すもくそもないんだよ」
「それはちが...くはないんですけど出来心といいますかですね、ははは...」
「やっぱり殺る気だったんじゃねぇかよ」
「でもあれ自動操縦なんですよ! 言うこと聞かないんです! アレ」
それにしてもよく喋る奴だな、こいつは。 細いし弱そうだしメガネだし。 ニコポと俺なら簡単に殺れそうだ。
「とりあえず殺らないといけないならさっさと殺るしかねぇな」
「ま、待ってくださいよぉぉ。 そういえば森崎若菜ちゃんはだ、大丈夫かな〜...とか言ってみたり...」
「誰ともしらねぇお前が若菜ちゃんとか言ってんじゃねぇぞ」
「おい、流石にその言葉はかなりキモいぞ」
「これが幼馴染特権だよ!!」
「なんだよソレ」
「す、隙ありぃぃぃ!」
「あっ」
まじかよ。 勝ったと思って油断しすぎた。 この野郎、また黒い騎士を召喚しやがったぞ。 さっきの騎士よりもさらに輪をかけてゴツい熊みてぇな騎士だ。 しかも武器にメイスは流石ににヤバいぜ。 当たったら悲惨な死に方をするのは確定だろ。
それにあのメガネ、ちゃっかり騎士の背中にしがみついてやがる。
「さっきはよくもやってくれたなぁ! 骨折とかしたらどうするんだよ!」
「一旦退がれよ、三上」
「あ、ああ」
「絶対に、絶対に許さないぞっ! 漫研部の意地にかけてみんな見返してやる!」
「さて、水瀬には森崎の様子を見てもらってるからな。 殺るところはあんま見せたくねぇ」
すげぇ、ニコポの余裕はなんなんだ? この、勝利を確信してるって感じはよぉ。
騎士がのしのし歩いてくる。 が、体格と植栽のせいでさっきの騎士より動きが鈍そうだぞ。
「俺と戦った時を思い出せよ。 前衛はお前、後衛は俺、締めは坂上先輩な」
「ちょ! 言ってる意味がわからねぇよ!」
「僕の前で余裕見せてるんじゃあねぇよぉぉ!」
騎士のメイスが振り下ろされる、だが、力はすごそうな分、動きが鈍い。 青いオーラが見えるせいか、なんとなくだけど、どういう攻撃が来るのか分かるぞ。 よし、落ち着いてさえいれば、この騎士の攻撃は避けられる。




