重厚なメディバル・ウォーフェア 1
ひんやりとした廊下、さっきまで戦っていたとは思えない程に2年校舎内は静寂そのもの。 自分達の靴音以外はまるで何も聞こえない。 静まり返った校舎内で靴音だけが反響するってのは、なかなかに怖いものがある。
「なぁ、何でこの校舎こんなに静かなんだ?」
「トオルっち怖いこと言わないでよ...わたしが怖いの嫌いだって知ってるじゃん...」
「いや、別にそういう意味で言ってねぇし」
「静かにしろよ。 いつ誰から攻撃されるかわかんねぇんだぞ」
と言ってももう少し歩けば3年校舎への渡り廊下である。 後は渡り廊下の脇にある階段を3階まで上がれば、茶道部の部室はもうすぐそこなのだ。
「しかし誰とも会わないな。 ニコポの話を聞いて、もっと血に飢えた奴等が闊歩してるかと思ってたんだが」
「だったら出会わない方がいいだろ」
「ニコポっちってさー、意外といい人な感じ?」
「いい人じゃねえよ。 借りは返さないと気持ち悪いんだよ! 茶道部まで行ったらそこからは別行動だからな」
「水瀬さんは、俺達と来るんだよな?」
「私は――若菜ちゃんと一緒に行くかな...」
おお、その言い方に棘を感じるが、やっと普通に返事してくれたぞ。




