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FINALMEMORY  作者: 竹内
3/3

リルカ








少年はゆっくりと天井を見上げていた

先程まで目の前の景色は星空だったはずなのに、と半ば疑問を抱きながら体を起こす


「目が覚めた?」


「!」


それは少女の…【追憶の丘】で会った彼女の声だった

ここは十中八九、彼女の家だ


「まず、謝っておくわ ごめんなさい」


「…どうして?君が僕を運んでくれたんだろ?」


「私、あなたが眠ってる間に『記憶閲覧(サイコメモリー)』で記憶を見ようとしてしまったの」


少年は言ってる意味が理解できない

ただその響きを聞いた時、なにか懐かしい感じがした


「『記憶閲覧(サイコメモリー)』……って何?」


「えっ!?知らないの?」

「親族以外への使用を禁止されてるけど簡単な魔法よ」


「ま…魔法…??」


少年はさらに困惑している

言葉の意味は分かっているが、それ故に「分からない」という感じだ


彼女は少しすると、慌ててしゃべり始めた


「あっ…ごめんなさい!そうよ、あなたの記憶を覗こうとしたら何もなかったわ」

「あなた……記憶喪失…よね?」


           



                  記憶喪失





改めてその言葉を言われると何故かまた懐かしい感じがする

これは自分の記憶なのだろうか?

「記憶」がどういうものか、どうやら忘れてしまったようだ


「そう…らしいよ」

「……君の名前は?」


? 予想できない、考えてない言葉が口から放たれた


「私の名前はリルカよ、よろしくね」

「ところでこれからあなたはどこに……あら?」


少女―リルカが少年のほうを見ると少年は窓から出て行った


「………、とにかくこれ以上迷惑をかける訳にはいかない……!」

「街はあっちかな」


少年は街を目指して走っていった

そういえばお礼を言うのを忘れていたけれど…





一方のリルカは少年が出ていき、酷く沈黙した小屋の中に取り残された

―が、


「…いってらっしゃい」


彼女は太陽のような微笑みを浮かべ、静かに彼を見送った

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