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求めし記憶
その昔ある一人の少年が居た
彼はその雰囲気からか、性格からか、その頭脳からか
"神童"と呼ばれていた――――
神童は、過去を捨てた。
捜し求め続けた自らの真実。
それを遂に見つけ出した彼は、それまで縛られ続けた過去と決別する道を選んだのだった
「Au revoir」
大切な人が最後に遺した言葉を過去の自分に宛てて。
全ての記憶と己の闇と何もかもを背負い彼は宇宙の闇の中へと還っていった
そして―――――何年もの月日が経った
彼の全ては消え去り、何もかもが終わったのだ、と彼自身も信じ、望んでいた
しかし―――
「ここはどこ?」
終わったのではなく、全ては今始まったのだった