BLACK CAT PART3
BLACK CATの最終回、これが黒猫と放火犯人との決着戦となります。
果たして勝つのはどちらでしょうか?
#1
それから三日後の夜の事
俺は覚悟を決めて家を出た
あれ以来 化け猫の気配はほとんど
感じられなくなっているが
奴は間違いなく今でも 俺を見張っているに違いない
電車を乗り継ぎやってきたのは
雑草がのびている一つの空き地
そこは今から一年前 あの屋敷が有った所だ
#2
自分が殺されたこの場所なら
奴も黙ってはいないだろう
ガソリンの入ったペットボトルを
リュックの中から取り出した
奴は何故だか知らないが ガラスの中に姿を現す
あらかじめ用意して来た手鏡を 俺は地面に立て掛けた
今度 化け猫が出てきたならば 鏡もろとも焼き尽くしてやる
#3
異様な気配が漂い始めた
化け猫は確かに近くにいる
俺は鏡を覗き見るが 奴は何処にも映っていない
しかし気配はどんどん強まり 猫のうめき声が聞こえだした
その時 背後に殺気を感じ 思わず俺は振り向いた
[売り地]と書かれた金属の看板
そこに黒猫が映っている
#4
[そこか!]
俺はガソリンをぶちまけ 黒猫の幻影に火を放つ
激しく炎が燃え上がり その中で黒猫が揺らいで見える
しかし奴は平気な様子のまま 怨念のこもった目で俺を見ている
既に死んでいる幽霊には ガソリンの炎も通じないのか?
いや まだだ!
俺はさらに攻撃しようと もう一本の
ペットボトルを振り上げた
#5
その瞬間 右手に握っていたボトルが
音を立てて破裂した
高熱の炎が飛沫となって 頭から一気に
降り注ぐ
俺は大声でわめきながら 必死でその場を走り出した
チクショウ!
どうしてこの俺が こんな目に遭わなきゃならないんだよぉ
異様な気配に振り向くと 二つの
ヘッドライトが迫っていた
#6
男が持っているペットボトルに
私は狙いを定めていた
右手を大きく振り上げた時 そこへ意識を集中させた
結果は私の目論見通り
パニックを起こして奴は駈け出した
トラックが来たのは偶然だけど
奴はかなりの距離を吹っ飛ばされた
アスファルトの路面に叩きつけられ
見る見る血溜まりが広がってゆく
#7
これで復讐は果たされた
何も思い残す事はない
ふと見ると私の全身は もうほとんど
消えかかっている
エネルギーも全て使い切った
後は静かに消えてゆくだけ………
そう思った時 私の心に 何故か分からないが一つの光景が やけにリアルに蘇って来た
#8
それは黒猫を抱いている
十歳ぐらいの人間の少女
少女の手の中の黒猫は もしかして
かつての私なのか?
少女の喋る言葉が 音声となって蘇る
[クロベエ 大好きだよ]
なんともいえない感情が 私の心に去来した
そう たった今 思い出した
私は[クロベエ]と呼ばれていたのだ
#9
あれは今から一年前
男は屋敷に火をつけた
そこに住んでた夫婦とともに 十歳の少女が殺された
私は男を追い続け そして今ようやく
復讐を果たした
私の体が消えてゆく
意識もほとんど残っていないが 最後に自分の名前だけでも思い出す事が出来て 本当に良かった
そして意識が消える直前 少女の声が
もう一度蘇る
[クロベエ 大好きだよ]
いかがだったでしょうか?
これからもストーリー性を持ったホラーポエムに挑戦して行こうと思います。




