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ー第3節 神の検索機能が瞬時に最適解を弾き出す。ミオは一切パニックを起こさず炎の中へ手を伸ばし、役員を法的に完全に追い詰める致命的な証拠原本だけを的確に見抜き胸に強く抱え込んだ。

第3節 神の検索機能が瞬時に最適解を弾き出す。ミオは一切パニックを起こさず炎の中へ手を伸ばし、役員を法的に完全に追い詰める致命的な証拠原本だけを的確に見抜き胸に強く抱え込んだ。


 私の脳内に無意識のうちに構築されていた【神の検索機能】。

 それが、極限状態の集中力の中で瞬時に起動し、最適解を弾き出した。

 あの時、画面上で赤い警告色として繋がった、反社会的勢力への巨額の利益供与と資金洗浄のルート。そのすべての決定的な証拠となる数十枚の原本が、現在どのラックの、どのボックスの、何番目のファイルに綴じられているか。

 私の脳内にある三次元のマップが、炎の向こう側にある『一つの座標』を正確に指し示していた。

「C列、五番ラック、下から二段目……ボックスナンバー『F-44』」

 私は一切の躊躇もなく、燃え盛る炎の海へと足を踏み入れた。

 熱風が髪を焦がし、火の粉が頬を掠めるが、心は恐ろしいほど静かだった。

 燃え落ちたパイプを跨ぎ、崩れかかった段ボールの山を冷静に避けながら、目的のラックへと一直線に進む。

 ラックの周囲はすでに火の手が回っており、上段のファイルは激しく燃え上がっていた。しかし、私が目指す下段のボックスは、まだギリギリのところで炎から逃れている。

 私は迷わず炎の中へ手を伸ばした。

 熱でドロドロに溶けかけたプラスチック製のボックスを引きずり出し、中から分厚い紙の束を鷲掴みにする。

「……あった」

 それは、大物役員の直筆のサインと実印が押された、ダミー会社への不自然な億単位の送金を証明する稟議書と、裏金受領の領収書の原本だった。

 これさえあれば、あの巨大な権力を法的に完全に追い詰め、息の根を止めることができる。会社を蝕む病魔を切り離し、真面目に働く社員たちの未来を守るための、致命的な証拠。

 私が絶対に守るべき最重要書類。

 私はその紙の束を、自分の制服のジャケットの中にねじ込み、胸に強く抱え込んだ。

 私の皮膚が焼けようと、この記録だけは絶対に燃やさせない。

「よし。あとは……ここから脱出するだけ」

 証拠を確保した私は、再び脳内の検索機能をフル回転させた。

 鉄扉は開かない。通気口は高すぎて届かない上に、そこからガソリンが流し込まれたのだから外には工作員がいる可能性が高い。

 八方塞がりの密室。

 しかし、私の脳裏には、数日前に古い建築図面の資料を整理した際の一枚の青写真が、鮮明に浮かび上がっていた。

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