続き…
ルナがブロック塀の前まで来ると
その上に飛び乗り
『ちょっとここで待ってて』と
私とももすけに向って言い
ブロック塀の向こう側へと降りた
私はももすけ君に
『ねぇ、この辺りとか
見たことないかなぁ?』と
聞いたが返ってきた言葉は
『ん~~、わかんにゃい。
でも…ままのにおいがする』と
言いながら薄ピンクの小さな鼻を
ヒクヒク動かし匂いを嗅ぎながら
辺りをキョロキョロと見渡した
ブロック塀の反対側に下りると
あたしは小さい声で
『にゃあ~』と鳴いた
暫くして
窓が開きミーコさんが姿をみせた
『ルナちゃん、どうしたの?
こんな夜中に…ふぁ〜ああ』と
欠伸をしながらルナに質問され
『こんばんわ、ミーコさん。
夜中にごめんなさい。実は…』
あたしはミーコさんに神社にいた
ももすけ君をここに
連れて来た事を話した。
するとミーコさんは
『えっ?!ももすけが?
どうやって?…』
辺りを見渡しながら
ももすけの名前を呼んだ。
ブロック塀の反対側で
ももすけは
『まま?ままの声が聞こえる』と
言うので
私はももすけ君の首元を咥えて
ブロック塀に飛び乗った
《見よう見まねで
初めてだったのに上手く乗れた。身体能力は猫なのね》と
自分の身体に感心しながら
ブロック塀の反対側に降り
ももすけ君を降ろすと
ももすけは
鳴きながらミーコの待つ
縁側に向かった
ミーコはももすけを見ると
急いで近づき
ももすけの顔や身体をペロペロと
舐めながら
ケガしてないか聞いていた。
暫く親子の対面シーンを
眺めていると
ミーコとももすけは2匹そろって
『ありがとう』と
私達に頭を下げて
部屋の中へ入って行った。
すると
ルナと私が猫神様から
貰ったカードが光った
私達が自分のカードを
開いて見ると
【1】と書かれた場所に
肉球スタンプが1つづつ
押されていた
(ルナ用カードは
ルナが付けてる赤い首輪に付いてる鈴の中に入ってるらしい)
家に帰る途中
ももすけ君のママがミーコと判った
理由をルナから聞いた
『前にミーコさんが
赤ちゃんを産んだ時に
見せてもらった事があるの
ももすけ君の両腕の毛柄が
可愛くて覚えてたから
名前はわからなかったけど
微かにミーコさんの匂いや
お顔もちょっと似てると思って…』
『それで、ミーコちゃんのお宅に
向かったのね』と納得した
《ミーコさんが元気なかったのは
ももすけ君の事だったのかなぁ?》
あたしは取り敢えず
ミーコさんが
〔ちょっと元気になった
気がして〕少し安心した。
私達が家につくと
時計の針は4時を差していた。
その時になって私は思い出した
《擬人猫の姿のままで
仕事に行けない。どうしよう…
暫く仕事は休む?
いや、いつまでか判らないし
有休もそんなに残って無かった…
開き直って、このままの姿で行く?
いや、そんな勇気ないし
メンタル弱だし…
どうしよう…》
私が1人悩んでる横で
ルナは自分のベッドへ行き
丸くなって眠りについた