猫神様と迷子の仔猫
すると一匹の白い仔猫が
『おねぇたん、
ボクのおウチどこ?
ママはどこにいるの?』と
鳴きながら話しかけてきた
《えっ?もしかして猫の迷子?
こんな時間に?どうしよう…》
私はさっきまで感じていた
恐怖はどっかへ消えていた
私は仔猫に向かって
『ぼくぅ、もう大丈夫だよ。
おねえちゃん達が
ままを探してあげるからね。』
と言うとルナは仔猫に
『ねぇ、おなまえは
何ていうのかなぁ?』
と聞くと
『ぼくのおなまえは
ももすけだよ』
と仔猫に名前を聞いたとこで
ちょうど予定の時間になり
本殿のほうから光に包まれた
猫影が現れた。
『ルナ、どうしよう?
あそこで光ってるのって
あの紙に小さく書かれてた
この事かなぁ?』
私はルナに
(猫神様の)
(姿が見えれば)
あなたの願い叶うかも
私とルナは、
ももすけ君の願いも叶うかもと
思い一緒に本殿の前まで行った。
ルナは器用に後脚立ちになり
両前脚の肉球をポンと合わせ
光に包まれてる猫影に向かって
『あなたは猫神様ですか?』
と聞いた
私とももすけ君は
ルナのとなりに姿勢よく座り
両前脚を揃えて頭を下げた
『我は、猫神じゃよ。
そなたは
我の姿が視えるのか?
もしや、そこの二人も』
と私達に猫神様は話しかけてきた。
だんだん眩しい光に慣れてきた
私は
『はい、お姿が視えます。』
と答えた
ももすけは
本殿を見て私達の言動を
首を傾げながらキョトンした顔で
見ていた。
『あのぉ、……』
ルナが何か言いかけた時
猫神様が
『みなまで言わなくても
判っておる。
そちの願いは【金の缶詰】
じゃろ?
そして、そこの娘は
【本来の姿に戻る事】じゃな』
私とルナは揃って
『はい、その通りです。
何でわかったんですか?』
『はい、その通りでございます。
なぜ、お判りなんでしょうか?』
と尋ねると猫神様は
ニャッ、ニャッ、ニャッと笑って
長いヒゲを震わせ
『当然じゃ。
全て判っておるわい。』
『では……』
とルナの言葉に被せるように
『そなた等の願い叶えてやろぅ。
ただし条件がある!!』
『じょうけん?』
『さよう。
ニャァ〜に、簡単な事じゃよ。
2月22日までに
困ってる猫達の願いを
叶えスタンプを集めるだけにゃよ。
ただし、…か…らず……2時…ふ…でじゃ…』
そう言いながら猫神様は消えて
変わりにカードがルナと私の手元にあった
カードはお店とかで貰う
ショップカードと同じサイズで
スタンプを10個集めるようになっていた
私はカードを見ながら
『困ってる猫を助けた後
どうやってスタンプを
貰うのかなぁ?!』
と独り言のように呟くと
『リナ、ももすけ君って
確か迷子なのよね?!
ももすけ君の願いを叶えたら
わかるんじゃない?!』
『それもそうね。』
と私がルナにそう言うと
ももすけ君の事をジックリ
みたあと
『あれっ?!そういえば
(だれかに似ているのよねぇ)』
あたしはももすけ君の
両前脚を見て
思い出した
『ももすけ君、おねえちゃんが
ママの所に連れて行ってあげる』