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常闇の影

うぇーい

光天は、穴山小助と手合わせをする準備をしている。

「姫様、信繁様がお願いされた以上手加減は致しません。この小助、全身全霊で打ち負かすぞ。なので、泣いたりしても喚いたりしても私の攻めは梅雨の時の雨のように止めませんぞ。」

小助は今までに見た事ない顔をしているので、光天は小助にはあんな顔ができるだなと感心している。

「ああ、問題無用だ。小助殿、俺を殺すぐらいできてくれないか?」

「ええ、姫様を殺す勢いで此方は全力でお相手致します!」

すると俺と小助は木刀を構え始めた。

距離は約15メートル・・・小助殿の構え的に縦に振る可能性がある。しかし、小助殿は真田十勇士の一人だ。相当な実力者だから、油断は大敵…

それと縁側には信繁が両者を見て座っている。合図は信繁がする感じだ。

「それでは、両者手合わせの準備はできておるか?」

「はい!大丈夫です父上!」

「この小助!できておりますぞ!」

「では、始まるが良い。」

手合わせが開始した。先に動いたのは・・・小助であった。

「では姫様!小助が先に先陣を切らせてもらおうぞ!」

と小助は距離を縮めてくる。

「はぁ!!」

予想は的中、小助は木刀を縦に振ってきた。しかしその技は光天がバックステップで避け、すぐに横薙ぎを出した。

「なっ!?」

その神業というほどの回避を見せた光天に小助は驚いている。

「はぁ!!」

小助は木刀を逆手に持ち、光天の横薙ぎを防いだ。

流石は真田十勇士の一人…そう簡単には倒してくれないもんだな。

(姫様にまさかこんなにも才能があるとは。流石真田の血を引く娘だ。だが、力では圧倒的に此方に勝機がある。そのまま押し返し、腹部を突く!)

「うおおぉぉー!!!」

小助は全体重を木刀に乗せ、押し返そうとする・・・・・・が、小助は違和感を感じた。

(微動だに…しないぞ!?)

全体重を乗せてるはずが、全く微動だにしない光天に小助は驚いている。

「小助殿…」

押し合いをしている中、光天は小助の名を呼んだ。

「戦いってこんなにも、面白いんですね!」

光天の顔は真っ赤になっていて目が完全にやばい事になっている。

「もっと行きますよ!小助殿!!」

すると光天は、小助を押していく。

(何じゃと!?全体重を掛けてある筈じゃ!何故押されている!?)

「えい!」

その光天の声が出た瞬間、小助を押し返した。男女の力の差があるはずなのに、光天は自分の体より倍の小助を押し返したのだ。それを見ていた信繁は目を大きく開け驚いていた。

(あの小助が押し返されただと!?力の差は明白なはずだ。しかも我が十勇士の中でも小助は強いはずだ。)

押し返された小助は、あまりにも衝撃を受けている。

(今のでわかった。奴には力技では無理だという事に。なら速さで勝負するのみ!)

すると小助は、瞬足で光天の所まで距離を縮め無数の斬撃を繰り出した。しかしそれを、片手に持っている木刀で全て防いだ。

(姫様は、力だけでなく速さも凌駕しているだと!?それにしても姫様・・・何と狂気的な顔をしておる。)

小助から見ると、光天は鬼と戦っているかの様に見えている。

「それ。」

すると光天は反撃を開始する。小助はそれを見逃そうとはしなかった。

(反撃が来る!腹部の突き・・・これを防いだら僅かに隙ができるそれを狙う!)

が現実は無情であった。

(え?)

小助は何かを感じ取った。

(な、何だと…)

小助が見たのは腹部のの突き他に、首・左胸・両肩・額に突きが見えている。

(突きが5つ…どれも急所だと!?姫様…力・速さ・それに技術、姫様には全てを持っておる!)

小助は防ぐ事が出来ずに、全部の突きが命中した。速さは約1秒36で五つの突きを当てた。小助はそのまま倒れた。それを見ていた信繁は、光天の強さに額に汗が滲み出た。

「勝者、光天姫。」

「やったー!」

光天は激しく喜んでいて、逆に信繁は驚いている。

(まさか小助が、やられてしまうとは。もしかしたら、光天は神に力を与えて下さった天才なのか?)

「父上!勝ちましたぞ!」

ニコニコした表情で光天は、信繁の所まで向かう。

「のう、光天よ。」

「はい!」

と潔い返事をすると、信繁は質問をしてきた。

「お主…一体何処でその技を覚えんだんじゃ?」

それは、光天に対しての強さについてだ。信繁はこの手合わせの一部始終で光天の天賦の才に目をつけていて、信繁の知らない戦いをしておるからだ。

「何を言っているのですか父上?我流ですぞ。」

「我流じゃと!?それは真か!」

信繁はこの手合わせで見せた技は全て我流だと告白する。

(我が娘は、とんでもない大名になるぞ。もしかしたら、わしさえも倒すかもしれぬ。)

信繁は光天の恐ろしい才能に汗が滲み出た。

「それよりも父上、他の十勇士の方々と手合わせがしたいが・・・・誰かおりますか?」

「まだ、やるつもりなのか光天よ。」

「はい!」

光天は満面の笑みで信繁に返事をすると同時に誰かが慌てて来た様だ。

「信繁様!大谷吉継殿が参られました。」

「何、吉継殿か!直ちに城に招いてから!」

信繁の表情は喜んでいる吉継とは正室の竹林院の父でもあり信繁の義理の父でもある。それに二人の中はとても良い。つまり、光天は大谷吉継の孫でもあることだ。

まじか…吉継が来るのかよ。

光天は何やら実の祖父が来るのが、嫌がっている様だ。そう思いながら、光天は天守閣に向かった。

・・・

「大谷吉継様の御成りー!!」

大きい声がしたと同時に門が開かれた。するとその奥から、威厳がある白い布を頭に付けた一人の武将が現れた。名は大谷吉継。長年、豊臣秀吉に支えてきた軍師でもあり豊臣秀吉が最も敬愛した武将でもある。光天は、その姿を天守閣で見ている。

「うわー…本当に来ちゃったよ〜…出来るだけ吉継には会いたくなかったよ。あいつが来ると、面倒臭いだよなー。」

と光天は、吉継の事があまりにも毛嫌いしているらしい。それには訳があった。

やがて大谷吉継は、天守閣の上へと着いた。

「久しいございます。吉継殿」

信繁は吉継に目を合わせて挨拶をする。

「久しいな。信繁よ。どうじゃ?我が娘、竹林院は?元気にしておるか?」

吉継は自分の娘である竹林院の調査を伺っている。

「はい。竹林とは、仲が良くやっておりますぞ。それに今回、光天もこの部屋におられますぞ。」

すると吉継は、目を光られた。

「光天がおるだと?それは真だろうな?」

「は、はい。」

吉継はとてつもないオーラを漂っている。それに信繁は少しぐらい汗をかき始めた。吉継は襖に手を掛けてゆっくりと襖を開ける。そこにいるのは、竹林院と光天であった。

「お久しぶりです…父様。」

竹林院はゆっくりとお辞儀をする、対して俺は吉継に挨拶をするどころか怯えている。

「ほう、この祖父であるわしに挨拶がなしとは心外だなぁ…光天よ。」

瞬く間に、吉継の表情が見えなくなる。竹林院と信繁は汗が滲み出る。

「お久しぶりです…吉継殿…」

俺は恐る恐る挨拶をすると・・・

「実に久しぶりだな!我が孫光天よー!!」

吉継は急に光天に飛びついた。それに対して、光天は動くこともできず、そのまま捕まった。

「ほほう、愛らしい我が孫よ。其方に会えて嬉しいぞ!全く会える事が出来なくて、わしはとても寂しかったんじゃよ〜。」

吉継は光天の頭を撫でながら話いている。

「吉継様…あまり近寄らないでください…熱苦しいですぞ。」

「ダメじゃ、わしが満足するまで撫でさせろ。」

そう言って、頭を撫でる事を継続した。

「吉継殿、ここに来られたのはどう言う訳で?」

信繁は、吉継にここに来た経緯を質問する。

「実はな、昌幸殿に話があってここに来たんだ。」

「父上にですか?」

え?吉継殿は昌幸殿に会いに来たんだ。

「では、父上は屋敷の庭でお茶を濁していますのでそちらにご案内致します。」

信繁は家来に頼み、吉継を屋敷の方へと案内する。

「吉継殿、何故俺を連れて行くんですか?」

吉継は、光天を連れて歩いている。

「だめ?」

と吉継は、目をキラキラさせながら駄々をこねている。

「うっ…はぁ…仕方ないです。着いてきます…」

「やったー!」

吉継は腕を上げて喜んだ。頭を布で隠れてもわかりやすいぐらい喜んでいる。

「そうじゃ、光天よ。お主は何処の嫁ぎになるのじゃ?」

吉継は光天に婚姻の話を出してきた。

「しませんぞ。婚姻なんて、それに俺は男に興味はありません。」

光天は質問を蹴り飛ばした。

「それは…真か…?」

すると吉継の顔は段々と暗くなっている。それを見ている家来も怯え出している。

まっず…吉継殿もこう言うのに怒るのかよ。

「よ、吉継殿、これh」「わしは大変嬉しいぞ!光天よぉ〜!」

と光天を抱きしめた。

「うぐっ!」

と光天は苦しい顔で困惑している。

「わしは、お主が見ず知らずの男どもに渡すわけには行かぬぞ!」

え?吉継殿は俺の婚姻破棄の事を許してくれるんだ。

と光天は、吉継の見方が変わった。

「わしは、光天には好きな人生を歩んで欲しいのじゃ。そのためにも、わしは全力で光天を応援する。何かあったらわしに相談せよ。それじゃ、光天よ。わしは昌幸殿と話をしてくるから、ここでお別れじゃ。また会う時は、立派な女になるんじゃよ。」

そう言って吉継は屋敷の中へと入っていった。

「吉継殿…はい、わかりました。俺も、頑張ってみます。」

俺は必ずしも、徳川を打倒し天下統一を実現させて見せます。

そう心に思い、光天は上田城のとある場所に行く。

・・・・

「ふむふむ…どうやら順調な様だな。睦大輔…私も嬉しいあまりです。」

黒服の男は、白いテーブルと椅子に座って紅茶を嗜んでいる。

「それは良かったですね〜。」

と一人の声が聞こえてきた。

「何の様ですか?ホワイト…」

黒服の男は、白い服の男に向けて鋭い視線を送る。

「そんなに怖い顔をしないでよ〜、ブラック。」

白い方がホワイト、黒服の男がブラック年齢的に見ても全く同じだが性格は違う様だ。

「私は今忙しい。用件を早く言ってくれないか?」

「全く、ブラックは相変わらず俺に対して冷たいな〜。まぁ…良いや」

ホワイトは満面な笑みで、ブラックにこう言った。

「そういえば君は、一人の人間を戦国時代に転生させた様だねぇ。名前は…睦大輔って言う男だったよね?ブラックも物好きだなねー。」

「お前には関係ない。その薄汚い口を閉じろ。」

ブラックは段々と頭に血が昇ってくる。しかし、ブラックはホワイトが何かを企んでいる事を察した。

「おい、ホワイト…お前また何か企んでいるのか?」

その言葉でホワイトは不気味な笑みを浮かべた。

「ああ、そうだよ…君の嫌がる顔が見たくてね。色々とその世界をいじったんだよ〜。」

「やはりか…」

ブラックは知らないうちにホワイトが睦大輔のいる戦国時代を改変した事がわかった。

「ははははは!どうだ?君のその生意気な態度がムカついちゃってねぇ〜。少しばかりの悪戯だよ〜。」

狂気的な顔で自分のした行いを正義の主張かの様に、ブラックを挑発する。

「はぁ…具体的に何をした?」

とブラックは問いかける。

「何をしたかって?それはその世界には、9名もの刺客を転生させたんだよ♪具体的には、一人目は世界最高クラスの護衛・二人目は猟奇的殺人鬼・三人目は軍のトップ・四人目は総合格闘技の世界チャンピオン・五人目は世界最強の殺し屋・六人目は世界最高峰の情報屋・七人目は世界最悪の独裁者・八人目は大江山の鬼・そして最後の九人目は全世界を恐怖に陥れた怪物だ。どれも強者揃い・・・・・・なぁ、ブラック…君のその顔が崩れるのがとても楽しみだよ♡」

「ホワイト…貴様…」

ブラックの表情は、鬼の形相をしている。それに対してホワイトは、笑い出す。

「くはははははは!!やっぱり君の顔は面白い!さぁ…ゲームはもう始まっている。あの世界が血で染まり、あの睦大輔のユートピアをあの刺客九人で絶望の世界に作り変えようではないか!はははは!!はーはははは!!」

・・・

「家康様、ただいま参りました。」

家康の前に12名の黒いマントをかけ、フードを被っている者が出てくる。フードの上には徳川の家紋が入っている。家康は庭で青空を見ている。

「おー、来てくれたか。お主らは、我々の希望でもあり勝利への駒である。」

そう言って家康は、池の水で自分の顔を見る。

「お主らは、これから戦に出る。この戦は、普段の戦ではない。これはわしが、天下になる戦じゃ。秀吉が死に、残るは飛んで火に入る夏の虫だけ。お主らは、これらを全部排除するのじゃ。わかったか?」

「「「「「「「「「「御意!」」」」」」」」」」

一斉に家康にお辞儀をする。

「お主らの活躍にわしは期待しておるぞ。我が家臣・・・・・《和風月神将》」


うぇーい

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