異能と桜4(好きだよ。←ええ?!)
確認はしておりますが、不自然な点などあるかもしれません...ご容赦ください...
「これで今日の授業は終わりです。お疲れさまでした。」
そんな先生の声に、みんな各々下校したり、友達と話したりする中、俺は美奈に詳しい話を聞いていた。
「それで、本当に俺の母さんは一緒に住むことに納得したのか?」
「うん。」
俺の問いに即答する。
「そうか、、、」
この表情、どうやら冗談ではないようだ。できれば、冗談だとありがたかったが。
「とりあえず、家まで案内するよ。ついてきて。」
「うん!よろしくね!」
美奈は上機嫌で俺の後ろをついてくる。
「結構ちゃんとしたところだねー。一人にしては広ーい!」
一人暮らしということもあって、一軒家ではないものの、3人くらいで生活するような規模感のマンションだ。
「今日からここで、しゅんくんと一緒に住むのか―、、、楽しみ!」
美奈はいまだ上機嫌、ノリノリで部屋を散策したり、冷蔵庫をチェックしたり、好き放題している。
「ご飯はどうしてるの?」
「それなら、家賃とお小遣いのほかに、食費も口座に振り込まれてるから、何とかなってるよ。自炊もできるし。」
「そういえば、しゅんくんは料理できるもんねー。」
「別に普通だ。」
「そんなこと言ってーー。ちょっと照れてる。」
「べ、別に照れてねえ。」
こいつは、一体どれだけ俺をからかえば気が済むのだろうか。
――その後、改めて部屋の案内などを済ませ、ひと段落したところで、
「おなかすいた!ごはんどうしよう?」
と、美奈が空腹を訴えてきた。
「まあ、時間も時間だし、もうそろそろご飯にするか。何が食べたい?」
「やったー!ごはんご飯~♪大将!!私はお肉が食べたいです!!」
「そう言うと思った。じゃあ、豚肉があるから、生姜焼きでもするか!」
「いいねえ!しゅんくんの生姜焼きは世界一だよー♪」
美奈は声を弾ませ、体を左右に揺らしながら答えた。
「相変わらず、肉料理が好きだよなあ。」
昔から、いつどんな時でも、何が食べたいと聞けば、肉と答えるやつである。たとえ風邪で高熱の時でも、のどが痛くても、例外はない。
「うん!!」
そう元気に答える美奈。美奈の頼みとあらば、大体どんな時も、美奈が幸せならいいかと思えてしまうのが不思議だ。
―ご飯を食べ終え、2人でソファーに座って、バラエティ番組を眺めながらくつろいでいると、隣から声をかけられた。
「そういえばさ、今日、教室で、ずうううっとしゅんくんのこと見てる女の子がいたんだけど、彼女?」
「あ、」
多分、由利さんのことだろう。話を聞こうと思っていたが、朝の一件で完全に飛んでいた。
「まあ、彼女ではないよ。友達――かな?」
俺は無難な返答をする。
「そっかーー。よかったあ。彼女だったらどうしよう?!とか思っちゃった。しゅんくんのこと取られたくないもん。」
「取られたくないって、別に幼馴染ってだけで、俺のことが好きとか、そういうのじゃないだろ。」
そう答えると、美奈は真剣な眼差しを俺に向けてきた。
「私は、ずっとしゅんくんのことが好きだよ。」
「え?」
今、、なんて、、、
「それだけ!!お風呂入って寝るね!」
そう言って、美奈はそそくさと風呂に向かっていった。
結局その日は、寝るまで顔を合わせてはくれなかった。
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