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世界を救うはずの勇者が世界を支配する魔王に!?  作者: 栗山 ぽん酢
1章 この世界とのお別れ
7/8

2人の覚悟

「あ、もしもしサッちゃん?うん。大丈夫。」

「どうしたんだよ、そんな暗い声で。」


『うん。ちょっとカズくんのことで……』


「あ、あぁ。カズのことか……」


 2人の間に短い沈黙が走り、空気は瞬時に重くなった。


『あのね、私、私今日カズくんに【他人】って言われて、ものすごく悲しかった。』


「あぁ。」


『でもね、それ以上に自分が、自分自身が情けなく思ったの。わた、私、何してるんだろって、……』


「あぁ。」


 彼女は段々と涙声になりながらも話し続けた。彼女が涙を堪えながら喋っているので、無理に間に割って入らず、聞くことに専念した。


『カズ、カズくんが、わた、私を救ってくれたのに、、、救ってもらった私は何してるんだろうって……』


 サッちゃんの言葉はここで途切れた。

 電話越しには彼女のすすり泣く声だけが聞こえてきた。


 彼女の言葉が途切れたのを境に、話し始めた。


「あぁ。俺も、俺も同じことを思ってた。友達がここまで追い込まてるのに、傷ついているのに、俺は何してるんだろって。」


『うん……』


「俺の憧れたヒーローがあんなことになっているのに、救われた俺は何してるんだろって。

 だから今度は俺が助ける番だって、そう思った。」


『うん。良かった。そう思ってるの、私だけ、じゃなかったんだ。でも、でも私たちで、どうやって、グスッ、助けられるかな?』


「確かに。俺たち2人じゃ、あの集団からカズを守ることができるのか不安だな。」


『だよね……』


「周りからあの集団を崩していくってのはどうだ?」


『どういうこと?』


「例えば、俺は少なくとも友達が多い方だと思う。だから、そこからいじめは良くないとか、警察が目をつけてるとか、そういう噂を流して、いじめの抑止力にするとか。それに、教室内でもいじめは良くないと思ってる奴だっているはずだからさ、そう言う人たちを捜し出して、協力していじめを無くすとかそういうことをするのはどうだ?」


『わ、わかった。私も友達に聞いてみる。』


「でも、聞くのは信頼のできる人だけにしとけよ?仮にもそういうことをしようとしてるってアイツらにバレたら、いじめの標的にされてしまって、カズを救うどころじゃなくなっちゃうから。」


『うん。気を付ける。』


「それと、担任の野郎にも言うなよ?アイツは自分に被害が被る内容に見て見ぬふりしてるから多分助けてくれない。」


『わかった。じゃあ明日、一緒に登校しよ?そこで詳しく話さない?』


「わかった。」


『うん。じゃあ7時半に公園前で待ってるから。またね。』


「うん。バイバイ。」


 そこで電話は切れた。


 よし。これで和人を助けられる。


 そう思った。

 だが、心の奥底には、まだ針が刺さっているような感覚が残っていた。


 この違和感が何かは分からなかった。


 とりあえず明日に備えて、今日は寝ることにした。


 ______________________________



 ケンちゃんとの電話が終わって、少し心が軽くなった。

 でも、まだ心の奥底には違和感が残っていた。


「カズくん。私、頑張る。頑張ってカズくんを助けるから待っててね!」

 そう心から誓った。


 そして、私は1度リビングへ行った。喉が渇いたからというのもあったが、もうひとつ、ママに言っておかなければと思ったからだ。


 リビングへ行くとママはテレビを見ていた。

 そして、テーブルには2つのティーカップが置いてあった。


「あ、サッちゃん。お紅茶入れたの。飲むでしょ?」


「え、」


「どうしたの?飲まないの?」


「ううん。なんでもない。飲みたいな。」


 正直びっくりした。全てを見透かしたように、ママは準備していた。私のことなんてママには、全てお見通しだったみたいだ。恐怖すら感じた。でも、それ以上に大きな大きな、愛を感じた。


「で、サッちゃん、どうなったの?」


「え?」


「さっきのこと言いに来たんでしょ?」


「う、うん。」

 ママが入れてくれた紅茶を一口飲んだ。

「あ、これ美味しい。」


「でしょ?これこの前ケンちゃんのお母さんがお土産にってくれたの。」


「へぇ、そうなんだ……。

 あのね、ママ、」


「うん?」


「私、私ね、私のヒーローを助けにね、私もヒーローになろうと思う。」

 上手く笑えていたかは分からない。眼は赤くパンパンに腫れていると思う。でも今できる精一杯の笑顔でそう言った。


「そっか。それがサッちゃんの答えなんだね?」


「うん。必ず助け出してみせる。だから、それまではもう泣かないって決めたの。」


「わかった。じゃあ頑張りなさい!途中で諦めたりしたらダメだからね?」


「分かってる。」

 そして、一気に紅茶を飲み干し、また自分の部屋へと戻っていった。


 時計を見ると、もう11時過ぎだった。明日は少し早く家を出るので、目覚ましをセットして寝る準備をした。


 ベットに入ると、泣き疲れたせいか直ぐにぐっすりと眠ってしまった。


皆様、お久しぶりです。いやー、会話文って書くのムズいっすね。内容をできるだけ濃く書こうと努力してみたものの、まぁ、ヘタクソな文章になっちゃいました。

こんな下手くそな文章でも面白い、また読みたいって思ってくださったのなら、是非とも、画面下の☆をポチッと、そして、ブックマーク登録もしてくれたら、きっと貴方には良いこと怒るでしょう。

あ、決して悪徳商法とかじゃないですからね?

それでは、今後とも和人くんをよろしくお願いします。

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