1.鈴木 和人
僕は今呼び出されている。しかも場所は放課後の体育館裏だ。呼び出したのが可愛い女の子なら、心躍ること間違いなしなのだが、僕を呼び出したのが3バカトリオだったので全く心踊らなかった。
そんなくだらないことを思っていると、そのロクでもない連中が現れた。
「やぁやぁ、待っててくれたんだね?逃げちゃうかと思ったよ、鈴木 和人君。」
僕は何も答えない。無反応で無表情のまま立っていた。
僕の名前は鈴木 和人。ごく普通の高校生、のはずなのだが、、、
「ねぇカスと、あっ間違えた、和人くん。なんで呼び出されたか分かるかな?」
僕は何も答えない。
「チッ、それだよそれ。その表情だよ。てめぇはいつもいつもスカシやがって、見ててこっちがムカつくんだよ!」
「ボコッ」と乾いた音が響く。
今回は簡単に言えば「僕の顔がムカつく」という理由で殴られているらしい。ちなみにこの理由で殴られるのは、僕の記憶が正しければ4回目だ。なんともバカバカしい理由だ。
これだけ殴られているともはや慣れてきてしまい、心にも余裕ができてしまった。
なので、殴られている最中でさえ僕は、「お前らの方が2、3度殴られたTheモブって感じの顔してるのに」とくだらないことを内心思っていた。なのでつい笑ってしまった。
すると
「あぁ?何笑ってやがる!」「ボコッ」
殴られた。
説明するまでもないが僕は高校に上がってからいじめを受けている。
でも、もう何も感じなくなった。
「あっそうだ!」といじめの集団の中に必ず一人はいるであろうチビのモブ野郎がニタニタと笑いながら言う。
「今日遊びに行くのにお金がないんだよね。良かったら貸してよ?和人君?」
するとそれに続くように
「そうだった。そうだった。今日はみんなでカラオケに行くんだった。でもお金がないんだよね。もちろん貸してくれるよね?かずと君?」
僕は何も返事をしない。何を言っても結局は盗られるのだから何も抵抗をしないのが一番の得策だと思ったからだ。
「チッ、またスカしてんじゃねぇーよ!」
「ボコッ」
僕は何も言わない。
「なんか言えよ!」
「ボコッ」
僕はそれでも何も言わない。
すると痺れを切らしたのか今まで僕を殴っていた奴が僕の腹を勢いよく蹴った。
僕は象でもなければ、筋肉ムキムキのアスリートでもない。ただの高校生なのだ。勢いのついた蹴りを僕が受け止められるわけはなく、後ろの壁にサッカーボールのように蹴り飛ばされた。
壁に背中を強く打ったのか上手く呼吸ができない。
身動きが取れなくなっていた僕のポケットを漁り、お目当ての財布を見つけると、
「ありがとね、和人くん。ヘッヘッヘ」と悪役のテンプレっぽい捨て台詞と顔をして、僕のことをバカにしながら去って行った。
僕はアイツらが視界から消えるのを確認してから何事もなかったように立ち上がった。
「ッ」
少し背中が痛む。それでも僕は乱れた服を直してからカバンを持って帰路へついた。
ちなみに、盗られた財布だが、ほとんどお金が入っていないので、盗られても全く問題ない。財布を盗られるなんて、もはや日常茶飯事になっているので、財布の中に大金を入れていては僕が破産してしまう。なのでコピー用紙を入れて財布の厚みを傘増しし、最低限の小銭しか入れていない。そういうところに関しては、自分で言うのもあれだが、頭がキレる。
「僕、何言ってんだろ。」
そういえば、校門へ向かってる途中、やけに多くの生徒とすれ違ったが、もうすぐ文化祭が開催されるらしい。なので、多くの生徒が放課後も学校に残り、準備をしている。
クラスでイジメの標的となっている僕は教室にいたところでパシリにされるか最悪、暴行を加えられるだけなので、いつも風のごとく誰にも気付かれずに颯爽と帰っている。
校門を出ようとすると2人の男女が買い出しだろうか、お菓子の入ったレジ袋を持ちながら歩いてくるのが見えた。
僕はこの2人を知っている。かつて、友と呼べる人達だった。
2人は僕に気づいたのか、うつむき、こっちをチラチラ見ながら歩いてきた。
しかし僕は今、2人のことはただの他人としか思ってないので、話しかける理由もなければ目を合わせる理由もない。この2人を意識することなく、ただ前を向いて「夕飯何食べようかな」などと考えながら歩いていた。
すると、2人は僕の目の前で止まり、僕に話しかけてきた。
「カズくん…だ、大丈夫?何かあれば相談して…。私たち友達、でしょ?」
と声を震わしながら僕に話しかけた。
「これ、無視していいよね?だって、知らない人が急に僕の目の前に立って喋りかけてくるんだよ?怖いよね?だから無視した方がいいよね?うん。そうしよう。」などと心の中で自問自答をし、無視をしてそのまま帰ることにした。
すると、隣にいた男の子が、
「おい、カズ!いくらなんでも無視はねぇだろ!俺たち友達だろ?」
僕はこれに応えようかか迷ったが、応えることにした。
「え?急に何?君、僕の何?友達?は?何言ってるの?冗談を言うのもエイプリルフールだけにしてくれる?」
と無表情と言うよりかは冷酷無比な表情で淡々と口にした。
それを聞いた彼女は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
彼の方は少し驚いた顔をしていたがすぐに、
「おい、カズ!お前そん………」
と何か言っていたが、僕はこいつらと喋っていても時間の無駄だと判断し、無視して帰った。彼は僕に向かって、何か叫んでいたが特に興味もなかったのでそのまま無視した。
お初にお目にかかります。栗山 ぽん酢です。
この作品は、右も左も分からない状態で書いた処女作品なので、恐らく酷い出来です。ですが、皆さんに読んで欲しい、楽しんで欲しいという想いは誰よりも強いので、何卒宜しくお願いします。
感想をもらえると嬉しいです!それと、厳しい評価もこれからの自分の成長の糧となるので全然OKです。でも誹謗中傷はやめてね?私のメンタル豆腐なので……。
それでは皆さん!私、栗山 ぽん酢と、この作品をどうか、よろしくお願いします。